遠距離恋愛から結婚するには…一度別れて!? ある美容師の必勝テク #13
ananweb / 2018年4月12日 17時0分
■ 上京して劇団で役者を目指す彼を見守る私……。
【実録♡ 結婚プロセス100人インタビュー 】vol. 13
私の結婚プロセスは、長くて細〜い10年でした。あれは、20代前半の頃。友人の結婚式に呼ばれて良い感じにほろ酔い気分になっていた私は、初めて出会う人同士でも、なぜか親近感が少し湧いてしまう結婚式特有のムードに流されて、楽しい時間を過ごしていたのです。
テーブルに次から次へと出てくる食事も、うっとりするくらいおいしくて、食べて飲んでワイワイ。特に自分の結婚について考えることもなく、友人の幸せを祝っていました。そんな時に「二次会するんですけど、この後ご予定いかがですか〜?」と、ビール片手に頬をピンクに染めた男性が私の座っているテーブルにやってきたんです。
そのままの幸せムードに乗っかって、隣に座っていた友人と二次会へ参加。「そろそろ帰る時間だね〜」なんて言いながら、帰りの電車に向かったことを覚えています。そうしたら、二次会幹事らしき “アノ男性” が近所に住んでいることが発覚し、「俺も同じ方向なんですよー」と友人と3人で電車に乗ったんです。酔いも冷めて、ちょっとお茶でもする? と3人で帰りにコーヒーを飲んだっけ。
どうやらその男性は、私にビビッとくるものがあったらしく、連絡先を聞いてきたり、彼氏はいるのか質問してきたり。その積極的な恋愛アプローチについ負けて、早い段階で付き合うことになりました。
■ 夢見る夢男。憧れの役者に向かってひと筋だった
3歳上だった彼の夢は「役者」。その頃、二人とも大阪に住んでいたのですが、地元の劇団に所属しながら、定期的にある舞台に向かって練習をしたり、オーディションがあれば応募したり。一生懸命その夢を実現させるために、頑張っていたのです。
いっぽう、私は美容師。「役者」業だけでは足りなかった彼の収入源はアルバイトだったので、正直なところ私の稼ぎのほうが多かったんです。でも、彼の一生懸命さは知っていたし、応援したかったので、収入や将来のことについては “なんとなく触れない” ようにしていた気がします。
付き合い始めて半年くらいで、大阪で同棲し始めたのですが、家賃や生活費は半々で出すというのが私たちのルール。彼のアルバイト収入だけでは、生活費をまかなうのは難しいというのが現実でした。
お金がまったくない彼の様子を横目にしながら、気づけば1年以上経過。そんな時、彼の所属している劇団が大阪から東京に移動するとの話がでたのです。
■ 上京した彼と遠距離恋愛がスタート
当時彼は、20代後半。まだまだ役者の夢を実現させたかった彼は、迷わず上京する決断をします。「俺、東京行くから」って。ついてきて欲しいと言われたんですが、東京に行ったら家賃も生活費も上がるのが目に見えていたし(心の中では、私もお金を出すんだろうな……と)、彼を応援したいけれど生活環境をいきなり全部変えるという決断もできず……。
「ごめん、私はついていかない」と、返事することにしたんです。美容師はけっこう給料も良くて、まだまだ遊んでいたかった私は、大阪に残ることにしました。遠距離恋愛のスタートです。東京で彼の出演する舞台があると聞けば、新幹線に乗って往復して。「また会いに来るからね〜」なんて、数か月に1回デートするというスタイルが、4年近く続きました。
■ 心の中では少し諦めていた
「ビッグになって帰ってきてね〜」「有名になったら、あの芸能人と会わせてよ?」と冗談混じりで彼を応援しながら、大阪と東京を往復していましたが、心の中では彼と将来を作るのはちょっぴり難しいかな? と諦めていましたね。彼は30前半に入っていたし、私も20代後半。
応援したいし、夢を叶えて欲しいけれど、20代前半のように失敗してもまた立ち直れるよね! という年齢ではないことを薄々気づいていたからです。応援したいけれど、現実を考えたら難しい……。ユラユラした気持ちを数年間天秤にかけ続け、最終的に私が決断した答えは、「別れる」という選択でした。
また新しい恋愛をしよう、そう思った私はコンパに行ったり飲み会に行ったり。子どもが欲しかったこともあり、次の恋愛で最後にしたいと思いながら、結婚相手を探すようになったのです。
■ あの震災でお互いの大切さを知る
しかし、30歳に差しかかろうとしていたある日、「東日本大震災」が起きました。関西に住んでいる私はテレビ越しで震災を知ります。でもその時、ふと頭によぎったことが、“元彼が東京にいる” ということでした。
別れてからしばらく経っていましたが、一緒に過ごしていた時間は長い。彼のことが心配になった私は、「大丈夫? 地震」と短いメールを送りました。そこから彼とまた連絡を取り合うようになり、別れた後に彼がとった行動について教えてもらったんです。「俺、富士山に登って、将来について考えたんだよね」「役者もやりたいけれど、やっぱりお前も大事」と。
彼は、猪突猛進で夢を追いかけることに一生懸命だと思っていたけれど、私がいなくなってぽっかり心に穴が空いたと言います。震災が起きて心細い時に、一番大切な人から連絡が来て、嬉しかったらしくて……。そこから彼は、大阪に戻り、アルバイトをやめ、ついに会社員になり、プロポーズをしてくれました。
役者中心だった生活を、私と共に過ごす時間に重きを置いて、今では専業主婦の私と子どもの生活を支えてくれています。……気づけば、結婚するまでに10年近くが経っていました。
燃え上がるような情熱的な恋愛ではないかもしれませんが、お互いの大切さを知るには、この時間と距離が必要だったのかな? と今では思います。今度は、子どもと一緒に役者姿のパパを応援したいです。これからも、背中を見せてね!
■ お話を聞いて……。
お互いの距離がゆっくり近くなる経過を非常に感じるお話でした。愛も必要だけど、家庭を守れる収入も必要。上京までして夢を追いかけた彼が、最終的に何が一番大切なのか考えた末にYさんを選んだ理由。それは、彼女が彼を否定せずに最後まで優しく見守っていたからだと思います。
囲うより、放任。そんな愛情を感じたお話でした! お幸せに♡
©davidfillion/Gettyimages
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ライター&コラムニストharakoが、実際に既婚女性100人にインタビューをし、結婚までのプロセスや心境の変化をお伝えする連載です。第13回目は、夢を追いかける彼を応援し続けたYさんのお話です。
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