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優しさだけでは物足りず、ハイスペック男に走ったある女の人生 #11

ananweb / 2018年4月4日 19時0分


■ 私の幸せっていつになったら手に入るの……?


【実録♡ 結婚プロセス100人インタビュー 】vol. 11

私、一見おっとりしていて、家庭的で洗濯や料理も得意で、尽くしてくれそうと言われることが多いんです。でも、実は、そういうのが大っ嫌いなんですっ(苦笑)!

それなのに、私に好意を持って近づいてくる男性は、みんな私のことを「家庭的で優しそう」というイメージを抱いているんですよね。仕事は、美容サロンを経営しているのですが、家の中でじっとしているより、お客さんとお話ししながらアクティブに活動しているほうが、毎日楽しくて。

自分でも自覚していますが、とにかく “ワガママ” な私は、彼氏に対しても言いたい放題、ワガママ放題。親しい友人からは、「小悪魔を通り越して、悪魔だよね」なんて言われていますよ(笑)。

20代前半の時は、結婚願望なんてまったくなかったし、むしろプロポーズなんてされようもんなら、人生終了じゃん!と思っていたくらいです。そんな強気な私ですが24歳の時に、4つ歳上のとても優しい彼ができました。

■ 悪魔っぷりは、エスカレート

彼は、私にかなり夢中でメロメロ(笑)。でも、まだ私は結婚したくなかったので、結婚の話を避けるように、ズルズルと付き合っていました。その間も、とにかく私はワガママ放題。あれが欲しい、ここに行きたい、やっぱりやだ、でもやりたい! もーやだ、疲れた! 彼が口答えするもんなら「うるさい、もう別れる」と突き放していました。

温厚で尽くしてくれる優しい彼に甘えて、どんどんワガママをぶつけていました。でも、イヤな顔ひとつせずに一つひとつ叶えてくれていて。結婚の雰囲気を避けていたものの、時は流れて5年が経過したある夜。

素敵なホテルディナーに誘われて行くと、指輪と共にサプライズプロポーズを受けてしまったんです! あちゃ〜、やっちゃった……(まだ結婚したくなかった)。周りを見渡せば、ホテルのスタッフの人と打ち合わせしていたのか、みんな笑顔で拍手してくれるし。こんな状況で「いや、無理です」とか断るわけにもいかず……。

とりあえず、その場を乗り切るためにプロポーズをOKしたんです。とりあえず……。

■ もっといい男がいるかもしれない

“とりあえず” プロポーズにOKしたものの、彼はどんどん結婚の準備を進めました。両親と顔合わせのセッティング、これからの生活に必要なものを揃えたり、住居を探したり、など。

まじめで優しい彼は、何も言うことがないくらい一生懸命私のために動いてくれました。そんな彼を見ながら私の心に芽生えた気持ちは、本当に一生この人で良いのかな……?というマリッジブルー。もっと早い段階で本音を言えばよかったものの、両親の顔合わせも新居の準備も全て整った結婚寸前で、婚約破棄をしてしまいました。

……ごめん、やっぱり違う気がするって。

両親には「なんであんな優しい人と別れるの?」「ちゃんと考え直しなさい」と止められるし、友人にも「えー。Aちゃんにぴったりだよ?」「あんなに尽くしてくれる人、なかなかいないよ」と言われましたが、私の心の中では “もっといい男がいるかもしれない” としか思っていませんでした。

■ セレブな女性の囁きにハマった

気づけば30歳目前というのに、周りからの大反対を押し切って婚約破棄した私は、“いい男探し” を始めました。さあ、「本物の結婚相手はどこだろう?」って。

その頃、すごく華やかでお金持ち男性とばかりとお付き合いをしている、セレブ女性の知り合いがいたので相談したら「Aちゃん、お金持ちと結婚するのが良いよ」とアドバイスをもらいました。たくさんのプレゼント、素敵なデート、豪華な食事! 絶対これだ! 私の幸せはここにある! と確信したんです。

「OK、わかった! Aちゃんに私が太鼓判を押す、とっておきのお金持ちの男性を紹介してあげる」とセレブ女性から紹介してもらったのは良いのですが、事態は悪展開。デートは確かに素敵だし、食事も豪華だったので初めはよかったんですが、だんだん「あれ? もしかしで自分に酔いしれてる?」と思うようになっていきました。

私の食べたい物を聞いてくれるわけでもなく、自分のお気に入りの豪華なレストランに行くだけで、私への配慮はない。豪華に振舞っているけれど、もしかして自分のステータスを見せびらかしているだけ!? ……ドヤ顔男に、なんだか虚しくなってきたんですよね。なんだこれ? 全然幸せじゃないっ。

■ ドン底に落ちた気分だった

あーあ……。私って最悪なオンナ。30歳を過ぎた私は、人生で初めて自分のやってきたことに罰が当たったと猛反省しました。婚約破棄してしまった彼は、そんなにお金持ちではなかったけれど、自分ができる範囲で一生懸命尽くしてくれていました。

よく思い返してみると、食事の時には「Aちゃん、何食べたい?」とメニュー表をひっくり返して渡してくれたり、デートも私が行きたいところを調べてきて計画してくれたり。かすかに残った幸せの記憶を思い出すたびに、「私って、幸せだったんだ」と思い知らされました。お金じゃなくて、心の豊かさがないと人は幸せになれないんだと、実感しましたよ。

“もっといい男”、“もっと幸せになりたい”。そう願って結婚破棄までしたのに、すでに十分すぎるくらいの幸せが隣にあったことを私は気づかなかったんですよ。本当にバカですよね。私なんて、地獄に落ちたほうがいいって思いました。もう、戻れるわけがないし、あんなにひどい別れ方までしてしまった。

どうしてあの時……? 頭をよぎるのは後悔ばかりで、嵐が過ぎ去った朝のような、呆然とした日々をしばらく過ごしていました。

■ 反省した私がとった行動は……?

私のしてきた “悪行” を思い返してみると、親しい友人や両親など、自分のことをよく知っている人たちの助言を無視していたことにハッと気づいたんです。

外見が華やかなセレブ女性ばかりに影響されていた私は、まずそこから変えようと思いました。そんなある日、仕事絡みで出会ったひとりの冴えない男性。ぶっちゃけ全然タイプでもないし、異性としてみることすらできない(笑)。でも、仕事でのお付き合いだから、たまに会う程度に交流はありました。優しいし、おっとりしていて、穏やか。だけど、うーんイマイチというのが本音。

しかし、「今度よかったら、水族館でも行きませんか?」と誘われたんです。「す、水族館!?」仕事じゃなくて、思いっきりデートじゃん! とツッコミたくなる誘い文句に、笑っちゃいましたよ。いやー無理無理ー! 全然タイプじゃなーい! 友人からは「あの人、Aちゃんに合うと思うよ」と言われていたけれど、興味ない気持ちが先行してしまって。既読スルーばっかりでしたね。

……うん!? ちょっと待ってよ? 私、前これで失敗して地獄に落ちたんだった。

それを思い出した私は、友人の言葉「あの人、Aちゃんに合うと思うよ」を信じて、急ハンドルを切ることに! 「あの! 今度よかったら私と」って、私からデートの誘いをし始めたんです。その後は、トントン拍子にことが進み……。今は、結婚して2年が経ち、先日記念日を二人でお祝いしました♡ あの時、友人の言葉がなかったら、また変な方向に流れていたかもしれません。

おっとりしてて、優しくて穏やかで。本当に優しい旦那さんです。地獄を1回見たから、彼の優しさは “当たり前” ではないと実感しています。またワガママな私が出てきたら、思い返して自分を戒めようと思います! 本当に、すみません! ワガママは卒業します♡

■ お話を聞いて……。

「自分のしてきたことを本当に反省した」と、申し訳なさそうに結婚破棄の様子を話してくださったAさん。“隣の芝は青く見える” のが、世の常なのかもしれませんね。

しかし、最終的には自分のことを深く見直して、今は幸せを手にしていらっしゃいます。あんまりワガママを言ってはダメですよ♡


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ライター&コラムニストharakoが、実際に既婚女性100人にインタビューをし、結婚までのプロセスや心境の変化をお伝えする連載です。第11回目は、ワガママ放題に生きてきたことを反省したAさんのお話です。

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