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実はタダじゃない! SNSの占いや性格診断のカラクリとは…

ananweb / 2018年6月20日 16時0分

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「データ資本主義」です。
■ タダほど高いものはない。情報の重要さを自覚して。


Facebookユーザーの個人情報が流出し、民間企業に不正に売られ、その情報に基づき、一昨年のアメリカ大統領選では、トランプ陣営が相手側に不利になる情報を流しコントロールしたのではないか、という疑惑があがりました。これは、「性格診断アプリ」によって、ユーザーの支持政党や投票傾向が抽出され悪用されたというもの。アプリを利用したユーザーとその友達、最大8700万人が被害に遭ったといわれています。

みなさんもSNSでアンケートや性格診断、占いなどをよく目にしますよね? 無料だったり、ポイントがもらえたりして気軽に楽しめますが、その対価として私たちは貴重な個人情報を差し出しています。基本的に、「タダで楽しめるものなんて、世の中にはない」と肝に銘じておいたほうがよいでしょう。SNSやメール、音楽配信、ゲームなど、企業は無料で提供することにより、膨大なデータを入手し人工知能を鍛えます。名前や年齢、住む場所、家族構成などの属性、年収、趣味嗜好など、詳細なマーケティングが可能になる。ユーザーの回答、投稿するワードや写真をもとに、その人の興味を引きそうな広告をタイムラインにアップし、購買につなげるのです。

これからは、モノのインターネット化「IoT」が広がります。たとえば冷蔵庫とインターネットがつながれば、不足した食材は自動的にネットに注文、補充されるようなことも夢ではありません。日々のデータを蓄積し、リアルタイムで消費動向を把握。データ(情報)が企業の大事な資本となる「データ資本主義」が進んでいくのです。しかし、そのデータを、GoogleやFacebook、Amazonなど、一部の企業が独占しているのは問題ではないかと、今年のダボス会議(世界経済フォーラム)で言及されました。人権意識の強い欧州では、「一般データ保護規則」により、個人情報を違法に移転したり処理することに厳しい罰則を課し、警鐘を鳴らしています。

私たちは、利便性を追求するあまり、自分の情報を差し出し、気づかないうちに選択の自由をも手放しているという認識を忘れてはならないと思います。

ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。

※『anan』2018年6月27日号より。写真・中島慶子 題字&イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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