あのサッカー選手みたい…!? シックスパックから下半身まで「裸の展覧会」
ananweb / 2018年6月30日 9時0分
上野の国立西洋美術館で『ミケランジェロと理想の身体』展がはじまりました。この展覧会にはアスリートなどの男性裸体を表現した作品が勢ぞろい♡ しかも世界に約40点しかないといわれているミケランジェロの大理石彫刻作品のうち、貴重な傑作2点も初来日しています! この夏、絶対に見逃せない貴重な彫刻アート展をレポートします。
■ メインは男の裸♡『ミケランジェロと理想の身体』展
【女子的アートナビ】vol. 115
男性の裸体がメインテーマとなっているドキドキの同展では、初来日で注目されているミケランジェロの大理石彫刻の傑作2点を中心に、古代ギリシャ・ローマ時代とルネサンス期の彫刻作品や絵画など70点を展示。アスリートや戦士、神々などさまざまな男性たちのリアルな裸体彫刻を見ながら、各時代の芸術家たちがどのように “理想の身体” を表現してきたのかを知ることができます。
展覧会の主役、ミケランジェロ・ブオナローティ(1475~1564)はルネサンス期に活躍した偉大な芸術家。彼はシスティーナ礼拝堂にある超有名な天井画や壁画を描いた画家であり、サン・ピエトロ大聖堂のドームをつくった建築家であり、教科書に必ず載っている《ダヴィデ》像を手がけた彫刻家でもあります。
ミケランジェロは何より彫刻をつくるのが好きで自分のことを「彫刻家」と呼んでいたのですが、天才すぎてあらゆる仕事が舞い込みます。例えば、当時絶大な権力を持っていた教皇からはシスティーナ礼拝堂の天井画を依頼されてしまい「本業じゃないのに……」と不満タラタラだったとのこと。でも、本業ではないのに絵画の専門家よりも質の高い作品を描いてしまうのですから、彼がどれだけ才能があったのかわかりますね。
ちなみに、ミケランジェロには詩人という肩書もあります。彼は57歳のころ、若く美しい青年に恋をして、最近話題の “恋するおっさん” になっていました。そんな乙女なミケランジェロは、年下の想い人に自作の詩や素描などを贈っていたそうですよ♡
■ 見どころは “男の裸体美”
では、会場の見どころをご紹介していきます。今回は男性裸体が主役。どの展示室も男の裸だらけです。でも、なぜ男性なのでしょう? 美しい裸体といえば豊満な肉体をもつ女性なのでは? と疑問に思いますよね。そこがこの展覧会のポイント。あえて男性美にスポットをあて、理想の身体とは何かを掘り下げています。
例えば、紀元前1世紀の大理石彫刻作品《アメルングの運動選手》は腹筋が割れて、いわゆるシックスパックになっています。このようなアスリートや戦士の裸体作品は、ギリシャ彫刻にとって大事なテーマ。古代ギリシャ・ローマ時代には、鍛え抜かれた男の美しい肉体は勇敢さや雄々しさを象徴する “究極の美” とみなされていました。
いっぽう、ルネサンスの男性裸体像も古代彫刻に負けていません。例えば1530~50年ごろにつくられた彫刻作品《ネプトゥヌス》もたくましく美しい身体をさらけだしています(ネプトゥヌスとはローマ神話に出てくる海の神。ギリシャ神話ではポセイドン)。
古代ギリシャ・ローマ時代が再評価されたルネサンス期には、古代芸術を手本にした作品が多くつくられました。特に神話は重要なテーマであり、神話に出てくる神々の姿は「男性裸体表現の技を磨くための重要な素材」だったとのこと。
会場に展示されている《ネプトゥヌス》は高さ118センチなのでそれほど大きな像ではありませんが、美しい筋肉といかにも強そうな下半身は思わず見惚れる美しさ。ぜひぜひ本物をご覧になってみてください。
■ ミケランジェロの傑作2点、初来日!
そして、いよいよ展覧会のメイン作品、ミケランジェロの《ダヴィデ=アポロ》と《若き洗礼者ヨハネ》を見てみます。まずは《ダヴィデ=アポロ》。
作品名を見ると聖書の英雄ダヴィデなのか、ギリシャ神話の神アポロなのかわかりませんが、実際にテーマが謎に包まれているので、このような名称になっているとのこと。実物の高さは147センチ。1530年ごろにつくられた大理石彫刻です。
表面にはノミのあとがたくさん残っているのが見えるので、未完ともいわれていますが、これも謎。いろいろ謎の多い作品ですが、上半身から下半身にかけての美しいラインや左手の付け根部分など、天才彫刻家の技術がしっかりと感じられます。
また、《若き洗礼者ヨハネ》はスペインから来日。スペイン国内にたった1点しかないという大変貴重なミケランジェロ彫刻です。この作品は、1936年のスペイン内戦時に破壊され、本来の姿の約40%となる14の石片だけが残されたとのこと。それをもとに復元・修復された奇跡の作品がはるばる日本まできてくれました。
本作はミケランジェロが20歳をすぎたばかりのころに制作された初期作ですが、特に手足の筋肉や顔の表情などに彼の才能を見ることができます。スペインでも一般公開されていない貴重な彫刻なので、今回の来日が最初で最後のチャンスかもしれません。目に焼き付けておきたい作品です。
ほかにも、ミケランジェロに多大な影響を与えた古代彫刻の傑作《ラオコーン》を模倣した大理石彫刻も来日。 この作品は写真撮影もOKとなっているので、ぜひ記念に撮ってみてください。
男の美しい裸体を味わえる女子必見の展覧会は9月24日まで。
■ Information
会期:~9月24日(月・休)
休館日:月曜日、7月17日(火)(ただし、7月16日(月・祝)、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、9月24日(月・休)は開館)
時間:午前9時30分~午後5時30分 毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時 ※入館は閉館の30分前まで
会場:国立西洋美術館
料金:一般 1,600円/大学生1,200円/高校生800円/中学生以下無料
※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
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