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性差別に決着!? 29歳女子が50代おじさんに挑んだある戦い

ananweb / 2018年7月3日 20時30分

働く女子にとっては、家から一歩外に出れば、何かと戦う場面に遭遇することも多いはず。そこで、あらゆることに立ち向かう勇気を与えてくれる話題の映画をご紹介したいと思います。全世界で9000万人をくぎ付けにした “世紀の一戦” を描いた作品とは……。
写真・黒川ひろみ(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス)

■ 女と男が激突する『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』!


【映画、ときどき私】 vol. 173

1973年、アメリカ。男性優位主義の風潮はスポーツ界にも広がり、テニスでは女子の優勝賞金が男子の1/8しかない時代だった。そこで、男女平等を求めて立ち上がった女子テニスの世界チャンピオンであるビリー・ジーン・キングは、仲間とともに女子テニス協会を立ち上げることを決意する。

そんななか、さまざまな困難と向き合うビリー・ジーンに挑戦状を叩きつけたのは、元男子チャンピオンのボビー・リッグス。ギャンブル癖のせいで最愛の妻からも見放されていたボビーにとっては、この試合に人生の一発逆転をかけていた。29歳の女子現テニス世界チャンピオンと55歳の男子元世界チャンピオンが繰り広げる真剣勝負。はたして、勝利するのはどちらなのか……。

40年以上前に行われた実際の試合を題材に描きながらも、現代の女性たちが抱えている問題をあぶりだしている本作。そこに込められた思いなどについて、今回監督を務めたこちらの方々に話を聞いてきました。それは……。

■ ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス!

長編監督デビューをはたした『リトル・ミス・サンシャイン』で高く評価され、一躍注目を集めたおふたりは、ご夫婦でコンビを組んで活動中。そこで、夫のジョナサンと妻のヴァレリーに、映画制作の裏側や夫婦で働くことの利点などについて語ってもらいました。

本作の見どころのひとつは、スポーツだけを描くのではなく、恋愛や社会、政治といったあらゆる要素が入っていること。

■ それらのバランスが見事でしたが、苦労した部分はありましたか?


ジョナサン
 今回はそこが一番のチャレンジだったんだ。でも、だからこそやりたかったというのもあるかな。


ヴァレリー
 確かに、スポーツ映画というのは、最後に試合を行うという構成が決まっているところがあるわよね。でも、そこにたどり着くまでに恋愛などのいろいろなストーリーがあるからこそ、試合のシーンがより高められるというのもあると思うの。今回は性差別の問題や歴史的事実もあったので、そのあたりをうまく調整するのが一番苦労した点といえるんじゃないかしら。

■ ビリー・ジーンの描き方で意識したことはありましたか?


ジョナサン
 彼女はこの映画においては、ヒーロー的存在だよね。でも、皮肉なことに、有名になるほど、セクシュアリティにおいては自分の本性を隠すことになってしまうんだ。


ヴァレリー
 そういった複雑さも持ち合わせた人物なので、一面的なキャラクターではなく、三次元的な存在として見せたいというのもあったわね。


ジョナサン
 だって、本来人生というのはめちゃくちゃなものなんだよ!


ヴァレリー
 そうね、私たちの人生も(笑)。

今回は、男性と女性という両方の目線を持つことができる2人だからこそ、ビリー・ジーンとボビーをそれぞれ魅力的に描くことができたのもうなずけるところ。

■ ちなみに、制作過程でおふたりがバトルすることはありませんでしたか?


ジョナサン&ヴァレリー
 (笑)!


ジョナサン
 そうだね、ケンカはしてないかな。ただ、劇中でビリーと美容師のマリリンが繰り広げる女性同士のラブシーンを描くときには、僕の男性目線では描きたくないなという思いはあったよ。とはいえ、僕が男性を代表して、ヴァレリーが女性を代表しているということではないんだ。だから、いままでの僕たち2人の経験を踏まえつつ、真実を描きたいという気持ちだったといえるかな。

■ では、夫婦で一緒に映画を作ることのメリット、デメリットを教えてください。


ヴァレリー
 私たちにとってはうまく機能していると思うし、とても楽しんでいるわ。というのも、会話を大事にしながら、一緒に探求していくことで発見もたくさんあるからなの。それぞれにアイディアもあるんだけど、それらを共有することによって、また新たなこと見つけることもできるのよ。


ジョナサン
 メリットは2つ。まずは2人いると台本を読み合うことができるから、シーンを自分たちで演じられるんだけど、そうすると、気持ちをよく理解することができるんだ。2つ目は、たとえば夜寝ているときに急にアイディアが浮かんだとしても、「ねえねえ! いまこんなアイディアが浮かんだよ!」って言えることかな(笑)。


ヴァレリー
 そうそう、寝ているときって一番いいアイディアが浮かんだりするものよね。あとは、仕事において何か心配ごとや悩みがあったとき、違う職業のパートナーだったら、話せないこともあるけど、一緒にいるからその場ですぐに話し合えて解決もできるというのは、私にとってはメリットといえるわ。

デメリットのエピソードもなく、とにかく仲睦まじいジョナサンとヴァレリーはまさに理想のカップルですが、そんなおふたりに聞いてみたいのが、結婚することで感じている利点。

■ 最近の日本では結婚に必要性を感じない人も増えていますが、結婚して得たものはありますか?


ヴァレリー
 私は結婚指輪もしてないし、何かしら……。しかも、私は夫の苗字も名乗っていないの。でも、これによっておかしなことが起きるのよ。たとえば、宿泊するホテルに到着したとき、部屋にはウェルカムカードが置いてあるんだけど、ほとんどが彼の名前しかなくて、私の名前は書かれていないの。


ジョナサン
 あとはホテルに着いたときも、彼女と一緒に歩いているにも関わらず、挨拶してくれる人は僕の名前しか呼んでくれなかったりするよね。そういうこともあって、今回の作品のクレジットでは、彼女の名前を先に書いて、これまでとは逆にしたんだ。

■ 男性優位を象徴するようなエピソードですが、おふたりの間で結婚した良さを感じることは?


ジョナサン
 結婚という制度がいいか悪いかというのは別として、やっぱりパートナーがいるというのは大事なことなんじゃないかな。というのも、生きていくうえでのいろいろな喜びや悩みをすべてシェアすることができるからね。たとえば、今回の撮影でエマ・ストーンがすごくいい演技をしたときに「わー、すごい!」って自分だけで感激するんじゃなくて、それを一緒に共有できると、全然違う次元のものになったりするからなんだ。


ヴァレリー
 いまは、パートナーシップや人間関係というのが、SNSで繋がっているような錯覚には陥ることもあるかもしれないけれど、お互いの顔を見て、人と向き合いながら話すのはまったく違うことよね。私たちの子どもの友人たちのなかにも、カジュアルな関係ですぐに別れてしまうような子が増えているけれど、長期的な人間関係を持つというのは大切なことだと思うわ。

■ 最後に、いまなお男女差別に悩まされる女性も多いと思うので、打破するために必要なことを教えてください。


ヴァレリー
 この映画を観てくれればわかるけど、きっとこの作品が変えてくれるはずよ!


ジョナサン
 これまでに小さなことは変わってきているけれど、時間がかかることだから、辛抱強くいないといけないなとは思うよ。アメリカでも、黒人の大統領が誕生して、「次は女性の大統領だ!」という希望があったのに、結局そうはならなかった。つまり、戦いはまだまだ終わらないということなんだよね。


ヴァレリー
 だから、これからは力のある女性や地位の高い女性がもっともっと必要だとも感じているわ。

■ 負けられない戦いがそこにはある!

このところ「Me Too」や「Time’s Up」という言葉がよく使われているように、世界的に見ても女性たちの戦いに注目が集まっているいまだからこそ観ておきたいタイムリーな一本。女性として生きることの美しさだけでなく、誰もが持ち合わせている “女性の強さ” も体のなかに感じるはずです。あなたも、この夏一番の熱い戦いに挑んでみては?

■ 血が騒ぐ予告編はこちら!



■ 作品情報

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
7月6日(金)より全国順次ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
ⓒ2018 Twentieth Century Fox

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