ひょっこりはん「売れる扉が開く音が聞こえた」瞬間とは!?
ananweb / 2018年8月18日 18時0分
若手芸人の登竜門として知られるバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』の新春特番、「おもしろ荘」で一躍脚光を浴び、今やSNSを開けば、売れっ子アイドルも大物芸人も、絶妙な表情で“ひょっこり”。そんな、みんな大好きひょっこりはんの素顔は、ものすごく真面目。ボケではぐらかすことなく話してくれました。
――今、ものすごくお忙しいと思うんですが、ブレイクする前はどんなスケジュールでした?
ひょっこり:若手が出るヨシモト∞ホールとかでの定期ライブが月に数本とネタ見せがあるくらいでした。今は休みがほぼなく、多いと1日5本仕事があるんでありがたいですね。
――ブレイクした喜びを満喫できていますか?
ひょっこり:それがあまり…。感覚が麻痺しちゃってるんです。テレビで見てた大御所の方々に毎日、お会いするじゃないですか。すべてが初めての経験で、テレビに出るたびに結果を残さなきゃって緊張してて、いまだに日々あわあわしてます…。
――そんな日々の始まりは、何といっても元旦に放送された『ぐるぐるナインティナイン』の「おもしろ荘」ですよね。
ひょっこり:そうですね。放送中、1000人くらいだったSNSのフォロワーが一気に1万人を超えたんです。人生が変わる予感がしました(笑)。
――あの番組のオーディションはかなりしっかりしてるとか。
ひょっこり:全部で3回ありましたね。大勢の前でネタ見せした1回目はウケて、2回目に呼ばれました。その時は、ディレクターかプロデューサー、僕いまだにその違いがわからないんですけど(笑)、ひとりだけだったんです。で、ウケなかった…。でも後から聞いた話では、最終まで行けたのは、その場にいたADの女の子が「覚えやすくて、真似したくなる」と僕を推してくれたかららしいんです。最終は、客見せのスタイルで、多少ウケなくても受かる場合もあるらしいんですが、僕みたいにシンプルなネタだと「これはウケるものなんだ」ということをちゃんと示さないと悲惨なんで、必死でしたね。
――本番前や収録中はどんな心境でしたか?
ひょっこり:めちゃくちゃ緊張しました。ネタは段取りが決まってるけど、前後のトークも大事なんで、出演者と一緒にトークの返しを考えたりしてました。でも、初めてモニターに僕がパッと映った時、ナイナイさんが「なんやお前!」って笑ってくれたんですよ。おかげでいい空気ができて、自信を持って挑めました。ネタの最後、新聞紙を破った時には、売れる扉が開く音がしました(笑)。
――バリッと(笑)。「ひょっこりはん」という芸名の由来は?
ひょっこり:自己分析すると、僕は迷いやすいタイプ。だから、何か頼れるものが欲しかったんです。それが、僕にとっては芸名だったんで、考えまくりました。下の名前が「聡(さとし)」なんで、「いちにの聡」とか「ムードメーカー聡」とか(笑)。当たり前ですけど、どれもこれもピンとこなくて、周りに意見を求めたら「お前の売りは変な顔だ」と。だったら、この顔にしっくりくる名前にしようと探してたら「ひょっこり」というワードに出合いまして。日常的な言葉のようで意外とそうでもないし、ちょっとアホっぽい響きもあって、僕にぴったりやなと。あとは後ろに、「くん」とか「さん」とか付けたかったんで、柔らかい語感の「はん」がいいなと思って付けました。
――ひょっこり芸の誕生エピソードを教えてください!
ひょっこり:芸名を決めてすぐの頃から、やってはいたんです。でも当時は、ヨガのネタとか、録音しておいた実況に合わせて動くとか、相当わかりにくい持ちネタもありました。さすがに「ひょっこりはん」が「ひょっこり」したら、それしかできなくなる怖さがあって…。なかなか踏み切れず、芸に幅を持たせようといろいろやってはみたけど、まるで手応えがない…。それで腹をくくって、ひょっこり芸一本に賭けたら、劇場の反応がガラッと変わりました。
――ここまでお話を伺っていて、ものすごく真面目な方という印象を受けています。ご自身ではどういう性格だと思っていますか?
ひょっこり:すごい気を使うというか、遠慮するタイプです。本名の宮下聡としてだと、前にぐわっと出られない弱点がコンビ時代からずっとあり…。ひょっこりはんというキャラクターに助けられて、自分の中のスイッチを入れてる感じですね。
1987年4月28日生まれ、滋賀県出身。高校はソフトテニス推薦で入学し、インターハイに出場。早稲田大学人間科学部卒業後、NSC東京校に入学。’13年、お笑いコンビ・ダイキリ(後にトロフィーズ)としてデビューし、’16年からピン芸人として活動をスタートさせる。子供の頃に好きだった芸人は、志村けん、ダウンタウン、ナインティナイン。
赤い蝶ネクタイが特徴的な、「ひょっこりはん」と書かれた白いタンクトップは、コンビ時代から付き合っている彼女“ひょっこりちゃん”のお手製。「今着ているタンクトップで3枚目。文字のバランスとかは、“ひょっこりちゃん”が調整してくれました。付き合いが長いんで、売れた後でも、ふたりの関係性は何も変わらないです」
※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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