「私は未婚、子ども2人の父は別々です」が当たり前の先進国とは?
ananweb / 2018年8月21日 19時0分
私の住んでいるドイツは、フランスに続いて結婚しないことを選択している若者が多い国の1つです。
また、最近は離婚率が約半分近くにもなり、子どもが生まれても結婚をしない人たちも増えています。その理由のひとつとして、離婚にはかなりの時間がかかるので、大変な思いをして離婚することになるのであれば、お互い自立した関係のまま、結婚をせずにそのまま一緒に暮らすほうが幸せではないか、という考えを持っている人が多いようです。
確かに納得……する面も多いですが、そんなドイツの結婚をしない生き方、あなたはどう思いますか?
文・平野秀美
■ 結婚に対するドイツと日本の考え方の違い
日本の場合、例えば「30歳までには結婚をしたい!」「友人が次々と結婚していくから、私も結婚しなきゃ」という、周りの目を気にして結婚に焦りを感じる人も多いと思います。結婚はいずれはしたい、しておきたいと今でも思う人も多いかもしれません。
しかしドイツでは、結婚を古い風習だと考える人も増えており、結婚する理由のひとつとして、税制対策として利用する人も多い様子。生涯恋人として過ごしたい、または結婚はせず好きな人と好きな瞬間を共にしたいと、かなり自由な感覚の人もいます。また、親が離婚している確率も非常に高いため、もともと実親と暮らす環境を知らずに育った人たちも多いのではないでしょうか。
■ 結婚をしたくないと考える人も増えている?!
結婚したくない理由のひとつとしては、離婚したいと思っても離婚数が多いため、法的手続きに数年かかってしまうとのこと。そのことを考えると、「法的な結婚」を躊躇する人たちが増えるのも、少し理解ができます。
昔よりは結婚維持年数が少し長くなっているようですが、それでも生涯一緒にいない可能性が高いドイツ。大変な思いをしてまで離婚するのであれば、結婚しない形での幸せを維持しておきたいのが自然な考えなのかもしれません。
■ 結婚をしないで子育ては珍しくない
私の周りでも、多くの友人が結婚しないままお互いの子どもを育てています。親が別々に暮らしていても、子どもたちはすくすくと育っていきます。
ここドイツでは、離婚、または別居している親でも、週に2回はもう片ほうの親と会うなど、自分たちのルールを決めて子どもに関わっています。そのため、子どもたちも寂しさを感じることはない様子(?!)。
幼稚園でも、多くの子どもたちが同じような環境で育っており、片親だから問題が生じるということは全くなく、周りの大人の意識や考え方も、各家庭の環境を尊重してくれます。
その点、日本の場合は、周りの考え方や職場、制度といったところがしっかりと対応できていない感もあり、結婚しないで子どもを育てたり、ひとりで子どもを育てるにはドイツと比べて難しい点もあるかもしれません。
■ 正しい結婚の正解ってない!? 自由恋愛が多いドイツ
私の男友だちで、結婚をしないまま子どもをつくり、後に恋人関係も解消した人がいます。その彼には、2人の男の子がいて、2人ともお母さんが違います。またそのお母さんたちも、他の男性との間に子どもがいて、それぞれお父さん違いの子どもと同居していたり...ともやはカオス状態!
子どものお母さんたちは、他の男性と結婚はしたものの、離婚が面倒で離婚はせずに、私の友人との間に子どもを産み、今はまた別の男性と住んでいるという、複雑すぎる環境を目の当たりにしています。
子どもたちは、幼いころから知らない大人たちと過ごすことも多く、親違いの子どもたちと同じ家で過ごしているので、寂しさはない様子ですが、家族という意味をどう捉えているのかな? と疑問になることもあります。
あまりにも自由すぎる恋愛関係が生み出す、新しい形の家族。いったい家族ってなんだろう、結婚ってなんだろうとつくづくここドイツで感じさせられます。
それぞれの考え方、生き方を自由に選択できる環境だからこそ、カップル同士がイコールな関係、生活の金銭問題や子どもの育て方も各家庭によって自由に選択していける環境は、私がドイツを好きなところのひとつです。しかし、あまりにも自由すぎる恋愛って、行く先はいったいどこにあるんだろうかと考えさせられます。
確かに決められたルールに基づいて生きていくのではなく、自分の自由な生き方を選択できる環境は、とても魅力ですよね。しかし子どもたちにとっては、何がいいのかはまだ私にはわかりません。ただ、日本のように「しなければいけない」「みんながしているから」という形にこだわりすぎる必要はないのだということを感じられるドイツの恋愛・結婚事情でした。
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