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アジア版「SATC」が欧米で大ヒット! 翻訳家が制作秘話を語る

ananweb / 2018年10月20日 19時30分

アジア版「SATC」が欧米で大ヒット! 翻訳家が制作秘話を語る

映画化され、原作ともども大ヒットとなった『クレイジー・リッチ・アジアンズ』。その邦訳を担当した山縣みどりさんにお話を伺いました。


■ 究極に大切なのは、愛かお金か家族か。アジア版「SATC(セックス・アンド・ザ・シティ)」がいま熱い。

15世紀後半、まだ欧米の統治下にあったマレーシアやシンガポールなど東南アジア各地に渡り、その地に根づいた中華系移民の末裔を「プラナカン」と呼ぶ。アジアの政財界で多大な影響力を発揮し、富を築いてきた一部の富裕層一族が、本書の主な登場人物たち。世界各国に高級物件を所有し、自家用ジェットで社交やチャリティに飛び回る。そんな家柄の御曹司とは知らずにニックと恋に落ちたレイチェルは、セレブ界のハードな洗礼を受けるはめに。

映画化もされ、欧米ではアジア版「SATC」とも呼ばれ、原作ともども大ヒットとなった。その邦訳を担当したのが、山縣みどりさん。

「ニックの一族は〈クレイジー・リッチ〉と呼ばれる格式高い名家です。富をひけらかす新興財閥とは一線を画す、アジア版ロスチャイルド家のような設定ですね。実は、著者のケビン・クワンはそうした血筋の出で、幼いころから自身が育った環境が創作のベースにあるそうです」

軸になっているのは、レイチェルとニックによる王道のラブストーリー。ふたりは熱烈に愛し合っているが、ニックの母親のエレノアは、家柄を重んじるあまり、レイチェルにキツく当たる。

「若いニックはエレノアとは違う考えの持ち主。ジェネレーションギャップや見えない階級の壁など、新旧の価値観の対立も読みどころです」

アストリッドは、結婚をめぐり名門出身女性ならではの悩みを持ち、ペク・リンは、自立する道を突き進む。女性の描かれ方も多様だ。

「共感できる脇役に注目して読むのも一興だと思います」

また、作中に登場する固有名詞やその注釈などによって、彼らの絢爛豪華なライフスタイルや、愛用のブランドなどを知ることもできる。

「レストランや高級ブランドなどの名前に、実在するものが頻出するので、これまであまり知ることのなかったプラナカンの超富裕層の生活を、リアルに感じてもらえるかも。ただし、ミシュランなどには載らない会員制クラブのレストランだとか、日本ではまだ紹介されたことがない知る人ぞ知る有名ブランドも多くて、翻訳する過程では、その確認やリサーチがひと苦労でしたね(笑)」

実は本書は三部作になっているのだそう。続きも読みたい!

『クレイジー・リッチ・アジアンズ』上・下 ケビン・クワン 著 山縣みどり 訳 29歳のレイチェルは、学者仲間で、ハンサムで優しいニックと交際中。彼が桁外れにリッチな出自とは知らなかったがために、大騒動に。竹書房 各1400円

やまがた・みどり ライター、翻訳家。小誌や『ELLE』などで記事の翻訳やインタビュー、映画評を手がける。著書に『恋と幸せのヒントがたくさんつまった恋愛STYLE BOOK』がある。

※『anan』2018年10月24日号より。写真・土佐麻理子(山縣さん) 中島慶子(本) インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)

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