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「どちらも好き」尾上右近が“顔見世”で歌舞伎と清元披露

ananweb / 2018年11月1日 19時10分

「どちらも好き」尾上右近が“顔見世”で歌舞伎と清元披露

大ヒットしたスーパー歌舞伎II『ワンピース』で、市川猿之助さんと共に主役のルフィを演じた尾上右近さん。
若手歌舞伎俳優として注目される存在だが、今年2月、清元栄寿太夫を襲名した。清元とは古典音楽の一流派。歌舞伎の舞台で「物語の人物の心の声を節にのせて歌う、ナレーションのような」役割で、右近さんはその家元の家の出身だ。


「清元は小さい頃から聴いて育ってきていますから、一番身近な家族のような存在。役者は、歌舞伎役者だった曽祖父・六代目尾上菊五郎の映像を3歳の時に観てからずっと取り憑かれ続け、人生を共にすると決めたパートナー。ふたつにひとつの覚悟で役者をやってきましたが、清元の家元である実家の後継問題もあり、各方面に相談して、ふたつの道を歩ませていただくことになりました」

とはいえ、厳しい伝統の世界。この選択には葛藤もあったはず。

「ひとつの道だけでも、生涯をかけて追究して大成できるかどうかという世界なわけです。それを両方やるとなれば、2倍速で進んでいかなきゃいけない。それでも、どちらの道も諦めたくなかったんです」

失敗は恐れない。むしろ、「失敗したらいいと思う」と話す。

「かいた恥も利用していかないと成長のない世界です。そもそも六代目菊五郎も高祖父の五世清元延寿太夫も、伝統の世界で批判覚悟で新しいことを切り拓いていった人。新しいことを平気でやる血が、僕には流れているんだと思います(笑)」

11月の歌舞伎座では、清元と役者、両方での出演が決定している。

「本来歌舞伎は、大衆を楽しませるために、ぶっとんだことをやって人気を得てきた演劇集団です。知識なんかなくても絵画を楽しめるのと同じように、理屈なしに楽しんでもらえるもの。ぶっとんだ世界を面白がってもらえたらと思います」

『歌舞伎座百三十年 吉例顔見世大歌舞伎』 東銀座・歌舞伎座 11月2日(金)~26日(月) 昼の部11時開演、夜の部16時30分開演 1等席1万8000円~3階B席4000円ほか(すべて税込み) チケットホン松竹 TEL:0570・000・489 
 役者としては、昼の部の一幕目『お江戸みやげ』と夜の部の『法界坊』に娘役で、清元としては、昼の部の三幕目『十六夜清心』に出演する。「こんな日が、こんなに早く来るなんて夢のようです」

おのえ・うこん 1992年生まれ。初舞台は7歳。芝居心のある子役として評判を得、七代目尾上菊五郎の元で研鑽を積み、’05年に尾上右近を襲名。写真は『石切梶原』の梢(’17年5月歌舞伎座)。©松竹

※『anan』2018年11月7日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・白石義人(ima.) インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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