挨拶だけでもOK!? 気になる彼への“とっておきの一言”
ananweb / 2019年2月10日 19時30分
書き言葉とは違い、話し言葉は、いわば一発勝負。うまく伝わらなかったことや、とっさに言葉が出てこなかったことなど、誰にでも後悔した経験があるのでは?
元NHKアナウンサーの合田敏行さんは、まず、自分の話し方を知るためにスマホで録音してみることをすすめる。「テーマを決めて30秒くらいで話し、録音を聞いてみましょう。自分で嫌だなと思ったところを直していけばいいのです」
また、プレゼンでの話し方を提案して話題の本『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんによれば、伝えるというより、“伝わっている”ことが大事だという。自分が話したいように話すのではなくて、いつも相手の気持ちを考えること。そして、できるだけ短いセンテンスで、結論を先に言う。「そのために、どんなことも1分で話すトレーニングが有効です。1分で伝わらない話は、1時間かけても伝わらないはず」
プライベートで経験しがちな、具体的な後悔エピソードから、伝わる話し方の秘訣を学んでいこう。
■ 後悔1 結婚式の友人代表スピーチ。事前に原稿を書いてきちんと読んだけれど、反応が薄い…かといってアドリブも上手にできそうにないです。
問題点:ずっと原稿ばかり見てしまう。
解決法:アイコンタクトを大切に! 顔を上げて話せば届く。
「冒頭の部分は、顔を上げて話すようにしましょう」と合田さんはアドバイスする。人前で話すとき心に留めておきたいのは、“目の届かないところに情報は届かない”ということ。原稿ばかり見ていては、聞き手の関心が離れてしまう。
「また、顔を上げると喉がひらいて、明るい声を出しやすくなります。反対に下を向いて話すと声がくぐもって暗くなってしまいます」
さらに、お祝いの言葉に続く話題を一つだけ、その場で考えて話す。
「先にスピーチした人の話を受けてもいいし、新婦を見て思ったことでもいい。その場のライブ感を盛り込むことで、スピーチがいきいきとします。その後は原稿を読んでもかまいませんが、話しながら下を向かずに、原稿を見るための間をとるように。練習すればそのタイミングが掴めるはずです」
■ 後悔2 友達の相談に親身に応えたつもりだったのに、その友達が不満そうにしている。
問題点:全力でアドバイスしてしまう。
解決法:相談にのる=聞くこと。寄り添うだけでいい。
相談にのってほしいと言われたからといって、必死に解決策をアドバイスするのが親切とはかぎらない。
「大事なのは、自分の考えを言うことではありません。『どうしてそう思ったの?』というふうに、相手が話したいことをよく聞き出してあげれば、ほぼ役目を果たしたことになります。そして、『大変だったね』などと共感してあげれば、友達は十分に満足するでしょう。もちろん、どう思うかと聞かれたときには、率直な意見を言ってみてもいいと思います」(合田さん)
伊藤さんも、ただ聞いて、共感することをすすめる。
「こういうときは、向き合うのではなく同じ方を向いて寄り添うイメージ。その場で結論を出そうとする必要はないし、ましてや自分の意見を押し付けたり、上から目線でお説教を始めるのは絶対にダメです」
■ 後悔3 気になる先輩とエレベーターで二人きりに。印象に残る会話がしたかったけど「お、おつかれさまです」としか言えなかった。
問題点:一言を考えすぎてしまう。
解決法:背伸びしようとしない。明るく挨拶できればOK!
「中身のあることを真剣に話そうとするからガチガチになってしまう。この場面は、英語なら『How are you?』『Fine!』くらいの軽いやりとりなのだから、朗らかに声をかけてみては。反対に、何か聞かれたときもYesかNoで答える程度で。この機会に印象に残る会話をしようなんて思わないほうがいいでしょう」(伊藤さん)
何か質問してみるという手も。その際は、相手の様子を見て、瞬時に質問を考えねばならない。
「自分のことを話すのではなく、相手に関心を持った質問を。『いつもお忙しそうですね。これから会議ですか?』など、相手が簡単に答えられそうなことがいいでしょう。といっても、とっさの会話です。背伸びして気の利いたことを言おうとせずに、『おつかれさまです』の挨拶を明るく言えれば上出来ではないでしょうか」(合田さん)
合田敏行さん NHK放送研修センター・日本語センター部長。NHKにアナウンサーとして入局、長崎放送局長などを経て現職。著書に『敬語の使い方が面白いほど身につく本』(あさ出版)が。
伊藤羊一さん ヤフー コーポレートエバンジェリスト、Yahoo!アカデミア学長として、プレゼンテーションの指導をはじめ、次世代リーダーの育成を行う。「話すことは仕事の基本です」
※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・黒澤 彩
(by anan編集部)
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