思わず号泣!? 斎藤工、松田聖子が忘れられない『家族のレシピ』とは?
ananweb / 2019年2月12日 18時0分
映画を彩る要素のひとつといえば、おいしい料理。それはいつの時代も言語や文化を越えて人と人を結びつけるものでもありますが、そんななか注目の “美食シネマ” として話題の『家族のレシピ』が3月9日(土)より公開されます。そこで、今回は先日行われたとあるスペシャルイベントの模様をお届けしたいと思います。それは……。
写真・角戸菜摘(イベント)
■ 『家族のレシピ』キュリナリーシネマイベント!
【映画、ときどき私】 vol. 212
とはいえ、「キュリナリー(Culinary)って?」と疑問を抱いた人も多いかと思いますが、直訳すると「料理の」という意味。本作はドイツのベルリン国際映画祭やスペインのサンセバスチャン国際映画祭でキュリナリーシネマ部門(美食と映画)に正式招待され、チケットが即日完売するほど大好評だったとか。
「上映会のあとにその作品にまつわる料理を出演者や監督たちと楽しむ」というのが、このイベント最大の魅力。そこで、エリック・クー監督をはじめ、主演の斎藤工さん、主人公の母親役を演じたシンガポールの人気女優ジネット・アウさん、主題歌を担当したシシド・カフカさん、そして映画鑑賞後にお腹を空かせた招待客のみなさんが銀座のPLUS TOKYOに集結しました。
なんと「キュリナリーシネマ」という名前を付けてイベントを開催するのは、日本でも今回が初。そのため、開始前からお客さんのワクワク感が会場内を包んでいましたが、そんななかまず運ばれてきたのは、こちら……。
■ 『家族のレシピ』スペシャルプレート!
見覚えのあるメニューからちょっと見たことのないものまで、バラエティに富んだメニューの数々。これらはすべて、監督や出演者の方々の「家族のレシピ」が再現されているそうです。
まず、写真右上は松田聖子さんの「がめ煮」。出身地でもある福岡の郷土料理で、筑前煮のことですが、お正月やおめでたいときに松田家で必ず食卓に出てきたという思い入れのある一品だそうです。
続いて、その左隣にあるのは別所哲也さんの「別所家のピーマンの肉詰め」。お母さんがよく作ってくれたおかずのひとつで、お弁当にもよく入っていた思い出の味とのことです。
そして、写真左上はシシド・カフカさんの「ケサディア」。メキシコ生まれということもあり、メキシコでは定番の家庭料理を選ばれたようですが、トルティーヤにチーズを挟んで焼き、野菜やお肉などと一緒に食べる、いわゆる「メキシコ風ホットサンド」のようなもの。
帰国後もレシピを持ち帰ったシシドさんのお母さんが朝食用にアレンジしてよく作ってくれたそうです。
4品目は、写真左下にある伊原剛志さんの「伊原家の牛丼」。しゃぶしゃぶをした翌日に残ったお肉で牛丼を作ったところ、子どもたちが大絶賛したことがきっかけだったとか。それ以来、伊原家ではしゃぶしゃぶのお肉を残すというのが習慣になっているようです。
最後は、エリック・クー監督が記憶している最初の食べ物だという「半熟卵のダークソースがけ」。一見、ただのしょうゆのようなソースなので、「名前と色からしてしょっぱいのでは?」と思うところですが、半熟卵といい感じに混ざり合ってマイルドな口当たり。
ダークソイソースとも言われるもので、アジア諸国ではよく使われているそうですが、ドロッとしていて甘みが強いのが特徴です。煮込みや炒め物に最適なようなので、ぜひ試してみてください。
どの料理もそれぞれのエピソードを聞きながら食べると、懐かしさや親の愛情などが感じられ、みなさんの“家族の風景”が垣間見ることができる優しい味がしました。
■ そして、いよいよ本日の主役「ラーメン・テー」が登場!
とはいえ、こちらもみなさん聞き覚えのない料理だと思いますが、それもそのはず、日本のラーメンとシンガポールのバクテーを掛け合わせて作られた映画のオリジナル料理。今回は、“ラーメン界の革命児”といわれる竹田敬介さんが監修したことでも話題となっています。
実は本作の原題も料理名と同じ「RAMEN TEH」であり、劇中でも欠かせない一品として登場するのですが、会場に運ばれるやいなや、拷問にも近いほど食欲をそそる香ばしい匂いが会場に充満。登壇されたみなさんも、目の前のお客さんや取材陣のことを忘れて、しばし無言で食べる姿がそのおいしさを物語っているようでした。
進行上、食べながらの質疑応答という形式になっていたのですが、「麺がのびちゃうので、後にしてもらいたいというのが本音ですが……」という言葉が思わず斎藤さんの口から飛び出すほど(笑)。「おいしい料理は人を幸せにする」とはよく言われていますが、まさにその言葉通り、みなさんの満面の笑みが印象的でした。
「映画を観て想像していたもの以上においしい!」とコメントされていたシシドさんもバクテーは食べたことがないということでしたが、バクテーとはシンガポールを代表するソウルフード。
「肉骨茶」と書いてバクテーと読み、骨付きの豚肉をにんにくや香辛料、漢方などで煮込んだスープ料理です。そのため、現地では揚げパン(写真右)と一緒に食べたりすることも多いそうです。
映画を作るようになってから、料理には映画作りに通じるものがあるので興味を持っているという斎藤さんも、バクテーは家でも作っているのだとか。斎藤さんいわく、「簡単ですよ」とのことなので、みなさんもレシピを見ながら挑戦してみてはいかがでしょうか?
今回、私もラーメン・テーをいただきましたが、豚肉から出るうま味に加えて、ガツンと効いたニンニクとシンガポール独特の香りが楽しめるスープは、いつまでも飲んでいたくなるほど。麺との相性も抜群でしたが、お箸で切れるほど柔らかく煮込んであった豚肉も含め、とにかく「おいしい」のひと言に尽きました。
映画がきっかけで生まれた新たな料理ですが、ぜひ日本でも定番化して欲しいメニューのひとつです。
ちなみに、ラーメン・テーは映画を作りながらできたのではなく、事前に半年以上かけて料理を完成させてから、映画の企画をスタートさせたという監督のこだわりが詰まった一品となっています。
■ この作品を通して “家族” を見つけた
イベントでは撮影中のエピソードも披露されました。なかでも斎藤さんにとって思い出深いのは、最終日に監督がチキンスープを振舞ってくれたことだそう。監督が一番大変だったのを知っていることもあり、準備に費やしてくれた時間と手間をスープとともに味わっているうちに斎藤さんは思わず号泣してしまったのだとか。
「日本の僕らを温かく迎えてくれたシンガポールチームにも感謝の波が止まらなかったですし、本当においしくてあの味が忘れられないです。僕にとっては『家族を見つけた味』だと思います」と熱い思いを語ってくれました。
■ そして、やっぱりシメはデザート!
ということで、今回用意されたのは、舞台となった群馬県高崎市でも人気が高い微笑庵の「ちごもち」(プレート写真右下)です。見た目は普通のいちご大福のようなので、「半分くらいはあんかな」と思って切ってみると、なんとほぼ全面いちご。
驚きで思わず声を上げてしまいましたが、それもそのはず、群馬県指定品種「やよいひめ」の大粒で高糖度の極上品のみが使用されているのだそう。がぶりと噛むと口からしたたり落ちるほどのジューシーさですが、いちごのほどよい甘酸っぱさと周りを包む白あんと羽二重餅が “極上のハーモニー” を奏でていて、しびれました。
と、ここで斎藤さんから「なぜ『いちごもち』ではなく、『ちごもち』なのか?」という疑問が湧き上がりましたが、みなさんはご存知ですか? 「あまりのおいしさに『い』を飲み込んだのでは?」というMCの絶妙な回答もありましたが、「い」どころか「ちご」まで飲み込んでしまいそうなほどのおいしさ。私も気になったので、実際に店主の方に伺ってみました。
この「ちご」は、やはりいちごの「ちご」でもあるのですが、もうひとつはかわいらしい子どものイメージから「稚児(ちご)」の2つをかけて名付けられたそうです。
ジネットさんにいたっては、職人から直接作り方を学んだくらい大好物だそうですが、取り寄せなどの発送を行なっていないため、高崎に行かないと食べることができません。
そこでオススメは、『家族のレシピ』のロケ地巡りをしながら「ちごもち」を味わうというもの。しかも、高崎は映画やテレビの撮影場所として年間約50作品に使われている場所でもあるので、ほかにもお気に入りの作品のワンシーンにも出会える可能性も大です。
ちなみに、「ちごもち」は12月中旬から5月上旬までの限定品とのことなので、ぜひこの時期をお見逃しなく!
■ 作品を通して観客に伝えたい思いとは?
終始アットホームな雰囲気に包まれたイベントもあっという間に終わりの時間。最後に、斎藤さんからこれから観るみなさんに向けてメッセージをもらいました。
「劇中では日本とシンガポールの歴史についても触れられていますが、そこからどうやって未来を一緒に導いていくかというのも提示されているので、そういった部分も見ていただきたいと思います。あとはとにかくお腹が減る1本。観終わったあとに作品からインスパイアされた料理も味わって楽しんで欲しいです」とのことでした。
■ 食欲と涙腺を刺激される!
日本とシンガポールの外交樹立50周年を記念して生まれた本作。過去には忘れてはいけない歴史があるものの、これからの両国の関係も、日本とシンガポールどちらの味も尊重しあったラーメン・テーのように、お互いを支え合っていけたらいいなと願うばかりです。
そして、何よりも感じるのは、誰にでもある“家族の味”に込められた愛情の深さ。心とお腹を満たしてくれる感動を大切な人と一緒に劇場で味わってみては?
■ ストーリー
高崎市のラーメン屋で父と叔父と3人で働いていた真人(斎藤工)。ある日、急死してしまった父親の遺品を整理していると、幼い頃に亡くなったシンガポール人の母が書いた日記を発見する。真人は両親の足跡をたどってシンガポールへと渡り、そこで知られざる家族の過去と向き合うことに。
父と母とを結びつけたバクテーの味とはどんなものだったのか。バラバラになった家族をひとつにするため、真人はある料理を完成させようと奮闘するのだった……。
■ 喉が鳴る予告編はこちら!
■ 作品情報
『家族のレシピ』
3月9日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー
配給:エレファントハウス/ニッポン放送
©Wild Orange Artists/Zhao Wei Films/Comme des Cinemas/Version Originale
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