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PayPay、ZOZOのバラマキ戦略 過剰PRは苦肉の策?

ananweb / 2019年3月2日 20時30分

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「バラマキ戦略」です。
■ 企画の裏にある意図を想像して、参加を決めよう。


年末年始は、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」やZOZOTOWNの前澤友作社長の「1億円お年玉企画」が話題を呼びました。PayPayのキャンペーンは、電子マネーのPayPayを使って支払えば、支払額の最大20%がポイントにて還元され、40回に1回の確率で全額還元(上限10万円相当)という内容。1人月額5万円相当までと高額だったため、10日で100億円に達して終了し、現在第2弾が開催されています。

前澤社長のお年玉企画は、前澤さんのTwitterをフォローし、企画をリツイートすればエントリーできるというもので、これによりフォロワー数を550万人増やすことができました。どちらもバラマキ型のPR戦略。現金やポイント還元という、人々の欲望を直接的に刺激する手法で、過剰にPRに力を入れるということは、裏を返せば、それだけ企業側も背に腹は代えられない状況なのだろうと思います。

Twitterでは、その後似たようなキャンペーンが出現し、フォローをしてみたら、マルチ商法に誘い込むツイートだったなど、トラブルも発生しました。いずれにせよ、理念や信念もよくわからない人を不用意にフォローしたり、リツイートするのは、危ないのでやめておきましょう。

お祭りなんだから、深く考えず参加すればいいじゃないかという意見もありますが、僕自身は、貨幣本来の適正な価値を逸脱しているような気がして、こういう戦略には抵抗があります。ちょうど「平成の大合併」を思い出します。2005年3月末までに合併した市町村には優遇措置を与えると、熟考する間もなく、せき立てられるように合併した自治体には、のちに様々な弊害も生じました。どうしても思考停止になってしまうんですね。自分の身の丈に合わないスピードで、過剰な利益を追求するあまり、森林を破壊したり、河川を汚染したり、人権を侵害したりという結果をもたらす構造と同じなのではないかと思います。目の前のお金に飛びつくのではなく、それらの企業の理念に共感するのか、応援したいと思うのか、先の未来を見据えて参加を考えてみてはいかがでしょうか。

堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2019年3月6日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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