20代女性の3割は何もせず…熊本地震から3年で考えたい震災の備え
ananweb / 2019年4月16日 19時50分
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「震災への備え」です。
■ 熊本地震から3年。震災への備えはできていますか?
4月14日で熊本地震から丸3年になります。政府の地震調査委員会によると、今後30年以内のM7~7.5規模の地震の発生率は、青森県東方沖・岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖が90%、茨城県沖は80%。M7の地震が発生する確率が50%以上の海域には、房総半島沖や相模湾も含まれます。また、南海トラフではM8~9の地震が起きる確率が70~80%といわれています。日本全国北から南まで、大地震が起こる可能性が高いのですが、みなさん備えはできていますか?
東京都は、直下型地震が起きた際は、会社にとどまるようにという「帰宅困難者対策条例」を出しています。交通インフラが止まり、多くの人が移動すると混乱が起き、二次災害が起きたり、緊急車両が通れなくなるのを防ぐためです。しかし、東京商工会議所が会員企業を対象に調査したところ、1127社から回答があり、この条例を認知している企業は62.9%、従業員数10~29人の会社では43.9%でした。会社にとどまるからには、全従業員分の3日以上の備蓄が必要になりますが、それを備えている企業は半分にも満たないことがわかりました。東日本大震災時の数から推定すると、約380万~490万人の帰宅困難者が発生するといわれています。現状では、帰宅はできず、会社にとどまっても備蓄がないケースがほとんどになるでしょう。自分の身は自分で守るしかありません。水や非常食、充電器などは通勤時にも常備しておいたほうが安心です。
リサーチ会社によると、災害の備えについて、20代の女性の3割は何もしておらず、逆に60代女性では準備をしていないのは1割のみでした。とにかく、自宅には1週間分の食料と飲料水、電気(電池や電源)、トイレの確保が必須です。また、家族や大切な人との連絡手段、落ちあう場所を決めておきましょう。携帯はしばらく繋がらなくなると思っておいたほうがいいです。直接落ちあえる場所を必ず確認しておきましょう。また、自宅からだけではなく、職場からの避難場所も確認しましょう。普段使っている道が使えなくなる可能性もあるので、3つくらいのプランを考えておくことも大事です。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN
※『anan』2019年4月17日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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