マンネリしない秘訣は…? 長続きカップルの「ささやかな習慣」3つ レスなひとびと
ananweb / 2019年5月16日 21時0分
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、彼氏と同棲2年のアラサー女子。無意識にしていた塩対応で、彼に愛想を尽かされたという彼女に、三松先生が長続きする秘訣を教えます!
文:三松真由美 イラスト:犬養ヒロ
【レスなひとびと】vol. 29
■ 愛華32歳。やさしい彼氏に安心しきって無意識塩対応。同棲2年、馴れ合いになって笑顔レス。彼と一緒に住むならマジ注意しなくちゃ、逃げられるって。
イタリアンのしゃれた店。愛華に、達郎が話しかける。
「このパスタおいしいね! トマトとイワシって合うんだな」
「そうね……」
つまらなそうにスマホ画面に目を落としながらつぶやく。
「インスタでも載せとくか……」パスタだけをカシャリ。
二人で暮らし始めてはや2年。
そこにいるのが空気みたいになった達郎の存在はまあまあ心地よい。刺激はないが、普通の幸せってこんな感じだろう。達郎はおしゃべりで、キャンキャン吠える子犬みたいな彼氏。うるさいときもあるくらい。愛華がクールに対応するくらいでちょうどいいバランスなのだ。
ある日、達郎が帰宅してからずっとソワソワとしている。
「帰ってきてから、ずっ落ち着かないみたいけど、どうしたの?」と聞く。
「ふふ。今日は何の日でしょう?」と達郎が含み笑いをする。
こいつは女子か、と心でつっこみながら答える。
「誕生日でもないし、なんだろう。なに?」
特に考えることなく、たずねる。達郎が白い箱のケーキをカバンから取り出しながら答えた。
「同棲して今日で2年でした~!」
そういうことか。夜も遅いし、眠いので無表情でケーキを受け取る。
「へえ、2年ね。今日はもう遅いから明日食べよう」
達郎の顔が曇った。
「1年前はすごい喜んでくれたのにな。最近、愛華、ずっとそう。全然俺といて楽しそうじゃないよね」
いつも優しい達郎が珍しく怒っている様子。
「そんなことないよ。一緒にいて楽だよ」
達郎がため息を吐く。
「楽ってなに。前は愛華、よく俺の冗談に笑ってくれて、楽しそうで。だから一緒にいて、幸せにできそうだって思ってた。最近、話しかけても携帯ばっか見て返事は適当だし、笑わないし、俺、愛華といてもつまんないよ」
吐き捨てて達郎が部屋を出ていく。
そんなふうに思っていたなんて全然気づかなかった。いつから? いつから不満そうだった? そこで気づく。
2年の同棲、馴れ合い関係。めんどくさくていちいち達郎の顔を見て会話していなかったから、達郎の真意がわかってなかったと。
洗面台の鏡に向かって 笑ってみる。
頬がひきつって目が笑っていない。
いびつな笑顔を見て、途方に暮れる愛華だった。
付き合いが長くなればなるほど、お互いに甘えが出てくるものです。日々のコミュニケーションひとつを取ってもそう。出会った当初や付き合ってすぐの時にはあたり前に持てていた「思いやり」がなくなる。
パートナーへの敬意も同時に失い、関係が悪化したカップルを何組も見てきました。お金や労力をたくさんかける必要はないのです。
日々の「ありがとう」や「ごめん」は目を見て伝える。
笑顔を絶やさない。
そして尊敬の気持ちを忘れない。
親しき仲にも礼儀ありの基本姿勢を持ち続けるカップルはいつまでも長続きします。また、男女間で恋愛感情が続くのは、心理学的に1~2年が限度だと言われています。その先も仲良くしていくためにはどうすればいいか?
パートナーに”ひと”として愛され、信用される必要があります。色恋抜きでも、このひとと一緒にいたい気持ち。
性別関係なく長く付き合うなら、無愛想で不機嫌な人よりも、笑顔でハッピーオーラがある人のほうがいいですよね。それだけの、シンプルなことなのです。大事なパートナーであればあるほど、恋愛感情が薄れても、ひととして良い関係でいたいもの。そのためにできる一番簡単な習慣が「笑顔」。
普段から口角を上げて過ごすことです。
「彼氏は男である前に、ひとりの人間。最低限のマナーは、笑顔で彼氏の目を見ること。馴れ合いになるな! スマイル! ピース!」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
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