【夏のだるさ対策】肉を食べるより…真夏を乗り切れる簡単なコト
ananweb / 2019年7月31日 18時30分
容赦なく照りつける日差しに、肌にまとわりつくような湿気と高温。日本特有の暑さで、だるさや食欲不振など、体が参っていませんか? そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生に、夏でも元気に過ごせる簡単な方法をお聞きしました!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 18
■ 強い日差しと高温多湿、夏の体は大ダメージ!
強い日差しが照りつけ、夏本番といった日が続きますね。外にいるだけでも辛く感じることもあるのではないでしょうか。外に出るのは暑くて嫌だけど室内は寒くて体は冷え、だるくて体力はなく、食欲もない……など、どこにいても何をしても不快感を感じやすい季節です。
強い紫外線と高温多湿な環境により、体は大きなダメージを感じやすくなる夏ですが、この暑さはこれから長期的に続きます。ダメージがどんどん拡大して、慢性的な全身の倦怠感を感じないためには、今から対策をとることが大切です。
今週は、漢方医学で考えると新月があるため、栄養を補い体を修復するのに適している時期と考えられています。そこで今週は、夏のだるさやヤル気のなさを取り除く食薬習慣を紹介していきます。
■ 自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。
■ 今週は、だるさを感じ、やる気がなくなりやすいかも
いよいよ夏本番です。近年の夏といえば、異常な暑さを感じますよね。「梅雨明け」という言葉を聞くだけで、反射的にだるさを感じ始めてしまう人もいるのではないでしょうか。強い日差しは、細胞を傷つける活性酸素を発生させます。外気の高温多湿な環境と室内の冷房完備の環境は、体が適合できない場合には自律神経を乱します。その結果、だるさ、食欲不振、不眠、胃腸の不調などを起こしてしまうのです。
これを漢方医学では、『脾気虚(ひききょ)』と言います。消化の働きが低下することで、体を作る材料やエネルギー源が不足しまっている状態のことです。また、ネガティブになりやる気がなくなってしまうような状態を『気滞(きたい)』と呼びます。ただ、ちょうど良いことに今週は、新月を迎えます。漢方医学では、新月の時には栄養素を補ったり体を修復するのに良いタイミングと考えます。
だるさを感じ、やる気がなくなっている人は、傷ついた細胞を修復しながら、滞った気の巡り改善する食薬習慣をとりいれてみましょう。今週食べるとよい食材は【青魚&カレーパウダー】です。
■ 今週食べるとよい食材:青魚×カレーパウダー
だるいときは、サバカレーを食べて元気になりましょう。鯖缶とカレーパウダーをトマトや味噌などを使って味を整えカレーを作るとおいしくいただけます。
■ 青魚
青魚には、鯖、アジ、イワシなど身近なお魚があります。これらのお魚には、オメガ3脂肪酸やビタミンDなどの脂溶性の栄養素が豊富に含まれています。紫外線や夏の気候によるストレスで発生する活性酸素は、私たちの細胞膜を傷つけます。そして、これを修復してくれるのがオメガ3脂肪酸やビタミンDなどの脂溶性の栄養素です。
さらに、鉄、ビタミン、アミノ酸も多く含むため漢方医学で考える『気(き)』を補うのにも適しています。紫外線が強くだるさを感じるときには、肉よりも魚を選んでみましょう。
■ カレーパウダー
カレーパウダーには、ターメリック、ナツメグ、フェンネル、クローブ、コリアンダー、カルダモン、シナモン、サフラン、チリパウダーなど最低でも5種類以上の香辛料が含まれています。カレーパウダーの中には漢方薬でも使われている素材が多く含まれていて、その性質には、冷えやストレスを和らげる働きをもつものが多くあります。そのため、冷房での冷えや夏の気候によるストレスを感じやすいこの時期におすすめです。
漢方医学では、ストレスを和らげ気の巡りを改善する『疎肝理気(そかんりき)』、血の巡りを改善する『活血』の働きがあるとされています。
猛暑で、だるさを感じない人はほぼいないと思いますが、そのレベルはちょっとした食事で軽減することができます。真夏本番のはじまりは、環境から身を守る食薬習慣をとりいれ快適な毎日を過ごせるようにしましょう。
■ information
大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。
著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
【腸活×漢方×栄養学】の理論で考えた、【今週食べるとよい食材】をお伝えしていきます。
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