本谷有希子が3年ぶり舞台!「小説のような経験を演劇でも」
ananweb / 2019年8月12日 18時30分
待ってました、と言わずにはいられない。自らの名前を冠した「劇団、本谷有希子」で、過剰な自意識に苛まれる人間たちを描き人気を博した本谷有希子さん。その後、作家活動をスタートさせ、三島賞や芥川賞を受賞するまでに。その一方で演劇活動はお休み状態が続いた。その本谷さんが久々に演劇『本当の旅』を上演する。
■ 本谷有希子が演劇に戻ってきた! 「以前とは違う表現を探りたい」
「演劇から足を洗う気はなかったです。それは一瞬も。ただ、どのタイミングにやりたくなるのかがわからなかっただけで。劇団をやっていた時は、公演の時期を先に決めて、何をやるかを後から見つけていたんですが、いつしかそれがルーティンになっていて。そんな時に小説を書き始めたんですけれど、小説って全力で書いたら、違う景色が見えてきて、書くのが楽しくなってしまって。いま、演劇でも同じような経験ができないかと思っているんですが」
そして3年ぶりとなる舞台は、自身の短編「本当の旅」を題材に。
「去年からワークショップという形で演劇活動は始めていましたが、そこでたまたま、自分の小説をお題にしてやってみたら、思わぬ手応えがあったんです。これなら以前とは違う表現が探れるような気がして、今回の公演に繋がっていったんです」
その“違う表現”とは?
「これまでは、ひとりの主人公を中心に周りの人がいて物語ができていましたが、この作品では、明確には主人公を設けずに群像劇の形をとっています。配役も決めず、同じ役を役者が入れ替わり演じますし。SNSの話ですが、舞台上で実際に撮影して映像で見せる方法を考えてみたり、デジタルの部分を人間の体で表現したり。これまでやったことのない作り方で面白いです」
『本当の旅』は、旅行先のマレーシアで、インスタグラムに楽しそうな写真をアップすることに夢中になり、現実よりもネットの中の世界こそが本当だと信じてしまう男女の物語。
「不自然で気持ち悪いけれど、なんか面白い。その“空気”みたいなものをそのまま舞台に提出したい。私、現実を直視しない人が好きなんです。彼らにはリアルの大事さに気づかないで突き進んでほしいですね」
もとや・ゆきこ 1979年生まれ。自身が主宰する劇団公演『幸せ最高ありがとうマジで!』で岸田國士戯曲賞を受賞。小説では’14年に三島由紀夫賞を受賞。最新作は短編集『静かに、ねぇ、静かに』。
『夏の日の本谷有希子「本当の旅」』 “お金で買えない価値”を求めて旅行に出た男女3人。“楽しそうな”写真をアップすることに夢中になる彼らだが…。会場では作中に登場するマレーシア料理の提供も。8月8日(木)~18日(日) 原宿・VACANT 作・演出/本谷有希子(『静かに、ねぇ、静かに』講談社刊より) 出演/石倉来輝、今井隆文、うらじぬの、大石将弘、後藤剛範、島田桃依、杉山ひこひこ、富岡晃一郎、福井夏、町田水城、矢野昌幸 全席自由(整理番号付き)4300円 別途1ドリンク500円(共に税込み) (問)ヴィレッヂ TEL:03・5361・3027
※『anan』2019年8月14日-21日合併号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ぴいぷる 俳優・樫山文枝 演じて60年、能登が教えてくれた〝原点〟 初舞台「アンネの日記」は宇野重吉宅まで押しかけ
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月11日 11時0分
-
ヨーロッパ企画の“新たな可能性”を詰め込んだ再演『来てけつかるべき新世界』上田誠、藤谷理子、岡田義徳インタビュー
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年8月29日 11時30分
-
藤谷理子「コメディをやる楽しさを実感した作品」 ヨーロッパ企画の代表作が8年ぶりに再演!
ananweb / 2024年8月27日 23時0分
-
根本宗子「自分の作品のカラーを背負ってもらっていた」 長井短との強い信頼関係
ananweb / 2024年8月25日 18時30分
-
舞台『幕が上がる』が開幕!! 須藤茉麻、夏目愛海、加藤夕夏、七瀬恋彩らが青春を熱演!!
@Press / 2024年8月22日 17時0分
ランキング
-
1「血糖値」下げるつもりが、じつは無意味な習慣4つ 「健康的な面」だけにフォーカスを当ててもダメ
東洋経済オンライン / 2024年9月16日 15時0分
-
2コスパが良いと思うエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月18日 20時35分
-
3小泉進次郎を称賛し、自民党に投票するのは「レベルが低い」から? 知的エリートが陥りやすいワナ
オールアバウト / 2024年9月19日 21時15分
-
4なぜ「肌の接触」が必要なのか? ハグやマッサージが幸福感をもたらす理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月19日 17時50分
-
5「特需」に沸き立つ日本の港湾用クレーンメーカー…米中対立の余波で“棚ボタ”ウハウハ(重道武司)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月19日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください