【メンタル対策】秋に陥りやすい「憂うつ」を抜け出す簡単なコト
ananweb / 2019年10月9日 19時30分
朝晩すっかり涼しくなり、秋の足音は刻々と近づいてきています。それとともに、気分が落ち込んだり、毎日楽しくない、なんて思ったりしていませんか? 漢方薬剤師の大久保愛先生によると、秋は憂うつになりやすいのだそう。そこで、気分が明るくなる簡単なコトをお教えします!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 28
■ 秋は、切なくなる季節!?
急速に涼しい日が増え、日の入りの早さを感じ、一年の終わりが近づいてきた感覚があります。「今年も残りわずかだね…」なんて会話をする機会も増えてきたのではないでしょうか。肌寒くてちょっと切ない気持ちになる秋は、家の中でうつうつと過ごしてしまうこともあるかもしれません。ただ、もうすぐ今月の貴重な連休がやってきますよね。家に引きこもらず、少し遠出をして気分転換をしてみませんか?
そのためには、うつうつとした気持ちから切り替えないといけません。しかも、連休最終日の10月14日には、満月が訪れるため漢方医学的に考えると、不平不満を感じやすくなってしまうことも……。秋という季節からやってくるこの気持ち、体の中から変えてみませんか? 今週は、うつうつと不満を抱え、毎日楽しさを感じられない人のための食薬習慣を紹介していきます。
■ 自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを「食薬」と呼びます。
■ 今週は、うつうつと不平不満がたまって楽しくないかも
10月に入り、お布団がぬくぬくと気持ちの良い日が増えましたよね。そのまま、パッと目覚めて出かけることができたら気持ちが良いのだと思います。しかし、現実は休日ともなればゴロゴロしていたい欲求、やる気のない状況、楽しめない毎日となんだか憂うつな気分になることもあるかもしれません。
漢方医学的にもこの時期には、ちょっと憂鬱で孤独な悲しい気分になりやすいと言われています。そして、少し涼しくなると、すぐにエネルギーとなる甘く濃厚なスイーツを体が欲してしまうことがあります。
家にこもりがちで、秋の新作スイーツばかりを食べていては体も心もズンと重だるさを感じてしまうこともあるでしょう。そして、これを漢方医学では、余分なものが体にたまる「湿熱(しつねつ)」、必要な栄養がたりない「血虚(けっきょ)や陰虚(いんきょ)」と考えます。この状況を脱するために、食べものを使って体の内側から改善につなげる方法があります。
今回は「湿熱」を取り除き、「血・陰」を補い連休を楽しく過ごすための食薬習慣を紹介していきます。今週食べるとよい食材は、【乾物で作ったふりかけ】です。
■ 今週食べるとよい食材:乾物で作ったふりかけ
ふりかけを作ると言っても作り方はシンプルで、乾物を潰すだけです。乾物ってお出汁をとるときによく使うように、うまみも栄養素も満点で、塩や醤油など調味料を使わずに簡単に作ることができます。そして、作ったふりかけを常備・携帯し、ご飯にかけたり、サラダにかけたり、おひたしにかけたり、揚げものの衣に混ぜたり、納豆にかけたりとさまざまなものにプラスオンしてみましょう。
材料は、好きな乾物を使っていただいてかまわないのですが、食物繊維が豊富なワカメ、海苔、ゆかりや、タンパク質を補う干しエビ、じゃこ、鰹節などを使うのがオススメです。お好みでアクセントとしてゴマ、山椒、胡椒、こんぶ茶など加えてもおいしくなります。
■ 「湿熱」を取り除く【食物繊維】を含む乾物
ワカメ
海苔
ゆかり
■ 「血・陰」を補う【タンパク質】を含む乾物
干しエビ
じゃこ
鰹節
栄養満点の乾物で作ったオリジナルふりかけをとにかくプラスオンして、季節的に感じてしまう憂うつな感情から抜け出しましょう。気持ちの良い気候のなか、意欲的で楽しい秋をお過ごしください。
■ information
大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。
著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
【腸活×漢方×栄養学】の理論で考えた、【今週食べるとよい食材】をお伝えしていきます。
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