気圧の変化で頭ズキズキ…薬に頼らず「頭痛がよくなる」簡単なコト
ananweb / 2019年10月30日 19時0分
雨雲が近づくと頭が痛くなる……。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、そんな人はある栄養素が足りないのだそう。そこで、大久保先生が、薬に頼らず頭痛を解消できる簡単なコトをお教えします!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 31
■ 低気圧が近づくと頭痛が…原因はある栄養素の不足!?
年々異常気象が増え、今年も例外なく気圧の変化が激しい年となりました。頭痛持ちさんにとっては、厳しい状況だと思います。雨が降るときには決まって、頭が痛くなったり、全身が重だるくなったり……と。天気予報を見なくてもわかってしまうほど、天気を敏感に感じ取る人は多いと思います。心地よい秋の気候だからこそ、不調を感じる日は際立って辛く感じてしまうこともあるでしょう。
習慣的に頭痛に悩む人は、頭痛持ちだから仕方ないと、鎮痛剤をその都度飲むことでしか太刀打ちできないと考えている人は多いと思います。しかし、漢方医学で考えると、気候の変動により頭痛が起こりやすいタイプには、不足している栄養素があります。そこで、今週は頭痛持ちの人が食べるとよい食薬習慣を紹介していきます。
■ 自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
■ 今週は、気圧の変化で頭痛を感じるタイプのための食薬習慣
気圧の変化で頭痛、だるさ、むくみなどの不調を感じる人は、多いと思います。天気により不調を感じやすいタイプを漢方医学では、『水毒』がたまっているタイプであると考えます。『水毒』がたまる理由は、人それぞれですが、特に『腎・肺・脾』のいずれかの臓器に負担がかかている人に多いです。
このタイプの人は、アレルギー体質であったり、耳鼻科系が弱かったり、車酔いしやすかったりする特徴もあります。また、同時に『気血』の巡りが悪いと、さらに頭痛が引き起こされやすくなります。とういうことで、気候の変化による頭痛を感じる人は、水分代謝を上げ、『気血』の巡りを改善することが大切です。そこで、今週食べるとよい食材は、【昆布と干し椎茸いりのおでん(七味唐辛子かけて)】です。
■ 今週食べるとよい食材・メニュー:昆布と干し椎茸いりのおでん(七味唐辛子かけて)
まず、頭痛によいとされている栄養素は、ビタミンB2とマグネシウムです。そこで、ビタミンB2とマグネシウムを含み、『水毒』の緩和に役立ち『気血』の巡りを改善する食材を使ったメニューを紹介します。それは、この時期食べる機会が増えるおでんにちょい足しアレンジしたメニューです。
■ トッピング1:干し椎茸&昆布
干し椎茸には、ビタミンB2が多く含まれ、昆布にはマグネシウムが多く含まれます。さらに、カリウムや食物繊維が豊富なこれらの食材は、体から余分な『水毒』を取り除くのにも適しています。
アレンジ方法
手作りでも、買ってきたおでんでもアレンジ可能です。干し椎茸と昆布をおでんにたっぷり入れて再加熱するだけで、お出汁がでます。
■ トッピング2:七味唐辛子
七味唐辛子には、赤唐辛子、陳皮(ちんぴ)、山椒、ゴマ、芥子の実、麻の実、青紫蘇、生姜、青海苔などさまざまなスパイスが含まれています。これらには、『気血』の巡りを改善させる働きがあります。お好みでおでんにふりかけて食べてみてください。
寒い時期には、温かいおでんがおいしく感じられますよね。頭痛でお悩みの人は、コンビニおでんにちょい足しして、体質改善おでんを作ってみてはいかがでしょうか。
■ information
大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。
著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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