実の叔父と結婚、出産!… 15歳で嫁いだ美しいプリンセスに迫る
ananweb / 2019年11月24日 9時0分
華やかなドレスやジュエリーを身につけたプリンセスたちの肖像画などに出会える『ハプスブルク展』が上野の国立西洋美術館で開催中です。王女や皇妃の美しい姿を見ながら、彼女たちのドラマチックな運命にも触れてみます!
■ ウィーンから名品が集結!
【女子的アートナビ】vol. 166
『ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史』では、世界有数の美術館のひとつ、ウィーン美術史美術館から来日した絵画や版画、工芸品、武具など100点を展示。歴史の教科書で見たことのある絵画や大きなタペストリーなど、見ごたえある作品が並んでいます。
ウィーン美術史美術館の主なコレクションは、ヨーロッパ随一の名門貴族、ハプスブルク家の人たちがオーストリアを拠点にして築き上げたもの。15世紀後半から本格的に芸術品の収集をはじめたのは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)です。
マクシミリアン1世は名門貴族との婚姻政策により領土を拡大し、ハプスブルク家隆盛の基礎もつくりました。武具も好きだったようで、本会場には彼の甲冑なども展示されています。
■ 叔父さんに嫁いだプリンセス…
こちらは同展の必見作品で、スペインの巨匠ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)の傑作《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》です。絵のモデルは、スペイン国王フェリペ4世の娘、マルガリータ・テレサ。彼女が8歳のころに描かれた作品です。
ハプスブルク家は16世紀中頃、オーストリア系とスペイン系に分裂しますが、両家は婚姻関係などでつながっていました。
王女マルガリータも幼くして自分の母親の実弟、つまり叔父である神聖ローマ皇帝レオポルト1世(1640-1705)に嫁ぐことが決められていました。
この肖像画は、未来の夫となる叔父に王女の様子を伝えるためのいわば「お見合い写真」のようなもの。現代の常識で考えると、叔父と姪の結婚などありえないと思ってしまいますが、当時の貴族たちは血統を守ることを第一に考えていたので、近親婚は当たり前のように行われていました。
王女はゴージャスなドレスに身を包み、美しく気品あふれる姿で描かれていますが、あまり健康的には見えません。実際、彼女の両親も近親婚だったため、マルガリータも身体が弱かったそうです。彼女は15歳でスペインからオーストリアに嫁ぎ4人の子どもを産みますが、結局21歳の若さで亡くなりました。
■ 美貌を保ち続けたプリンセス
もう一点、見逃せない作品は、歴史画家ヨーゼフ・ホラチェク(1830-1885)が描いた《薄い青のドレスの皇后エリザベト》。モデルは、16歳でオーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に嫁いだエリザベトです。
シシィという愛称で知られるエリザベトは、絶世の美女といわれるほどの美貌の持ち主。彼女は皇帝に見初められて結婚し、当初は幸せな宮廷生活を送りますが、姑との確執や息子の自殺など苦労が続き、60歳のとき無政府主義者に刺されて亡くなるという悲劇的な最期を遂げます。
また、エリザベトは美貌を保つ努力を惜しまなかった女性としても知られています。日々の生活に食事制限やトレーニングを取り入れ、つねにコルセットでウエストを締め付けていました。彼女のウエストは50センチともいわれ、展示されている絵画でも胴体の部分はかなり細く描かれています。
■ 会期は1月26日まで!
会場には、ほかにもフランス王妃マリー・アントワネットの肖像画や、レンブラント、ティツィアーノ、ヴェロネーゼなど巨匠たちの作品も並び、ハプスブルク家の華麗なコレクションをたっぷり堪能できます。会期は1月26日まで。
■ Information
「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
会期:~2020年1月26日(日)
時間:9:30~17:30 毎週金・土曜日:9:30~20:00 ただし11月30日(土)は17:30まで
※入館は閉館の30分前まで
会場:国立西洋美術館
料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥700/中学生以下無料
※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
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