あなたは当てはまる? 口内炎ができやすい人の特徴と解決法
ananweb / 2019年11月20日 19時30分
口の中を間違って噛んでしまったとき、口内炎になるときとならないときがありませんか? もしくは、必ず口内炎になってしまうという人もいるでしょう。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、口内炎になりやすい人には特徴があるといいます。そこで、味覚の秋を満喫するべく、大久保先生が口内炎にならないための対策と、なってしまった場合の治す方法をお教えします!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 34
■ 食欲の秋、暴飲暴食による口内炎に注意!
そろそろ年末にむけて、忙しくなり慌ただしく過ごす人も多いのではないでしょうか。そんななか、木々に目をむけると穏やかに色づく紅葉が、日本列島を着々と染めていっていることに気がつきます。ホッとひと息つくために、休日は近場の温泉地や公園などに足を運び、秋の味覚を楽しむのも良いと思います。
ただ、そこで気をつけなければならないのが、食べ過ぎ飲み過ぎ、偏食による”口内炎”です。一度できると、お鍋のポン酢やお刺身の醤油などおいしいものを食べるたびに痛み続けますよね。そこで、口内炎ができやすい人、不摂生が続きがちな人、すでに口内炎ができている人のための食薬習慣を紹介していきます。
■ 自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
■ 今週は、口内炎改善のための食薬習慣
おいしい食べ物が増え、食欲も増す、食欲の秋です。さらに、このまま食欲が加速していくように、年末にむけて外食の予定が増えていく人も多いのではないでしょうか。食事が乱れると栄養の偏りなどにより口内炎ができる人も多いのですが、口内炎ができやすい人と、唇をかんだとしても口内炎ができにくい人ってわかれますよね。
この違いを漢方医学では、胃腸の働きの低下、胃腸に負担がかかっているかどうかがキーになると考えます。それは、漢方医学の専門用語で『胃熱(いねつ)・湿熱(しつねつ)』と呼びます。野菜や海藻などの食物繊維の摂取が不足し、ラーメン、パスタ、ピザ、ケーキ、チョコレートなどの糖質や脂質が多いものをとるときに胃腸に負担がかかり、炎症体質に変わっていくことで起こります。
そこで、今週は炎症を抑えながらも口内炎の改善を促す食材を紹介していきます。今週食べるとよい食材・メニューは【クレソン鍋&ゴマだれ】です。
■ 今週食べるとよい食材・メニュー:クレソン鍋&ゴマだれ
口内炎ができているときには、たっぷりのクレソンと豚肉を使ってお鍋を作ってみましょう。クレソンには、炎症を抑える成分が含まれ『胃熱(いねつ)・湿熱(しつねつ)』を改善するのに役立ちます。
■ クレソン鍋
中国では、口内炎の時にクレソンスープを飲むという話もあります。クレソンには、イソチオシアネートという抗菌、抗炎症作用のある成分が含まれています。さらに、豚肉を一緒にお鍋にいれると、口内炎の修復に役立つ、亜鉛やビタミンB群もとりいれることができ、口内炎の改善にぴったりです。ただ、食べる時に口内炎が痛む人は、ゴマだれをつけて食べてみましょう。
■ ゴマだれ
固形の食べ物を食べるときには、脂肪の含まれているたれを使い、食べ物をコーティングしてあげると食べやすくなります。また、ゴマだれも自分でつくるとさらに健康的になります。痛みが強い時には、お酢を減らしても良いです。甘みをオリゴ糖にすると腸内環境を整えるのにも役立ちます。
■ 簡単レシピ
・白ねりゴマ 大さじ3
・お酢 大さじ1
・醤油 大さじ1
・オリゴ糖 大さじ1
作り方は、混ぜるだけです。
この時期、食卓に並ぶ機会が増えるお鍋。口内炎ができやすい体質の人は、レパートリーのひとつにクレソン鍋を加えて体質改善をしてみてはいかがでしょうか。
■ information
大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。
著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
©JGI/Jamie Grill/Gettyimages
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