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King Gnu、人気の秘密は“誰も聴いたことのないJ‐POP”にアリ?

ananweb / 2019年12月17日 19時0分

King Gnu、人気の秘密は“誰も聴いたことのないJ‐POP”にアリ?

今年初めから“ブレイクするバンド筆頭格”と目されていたKing Gnu。前評判通り、メジャーデビュー1年目にして日本中を熱狂させている彼らの音楽性を、音楽雑誌『MUSICA』編集長の有泉智子さんは高く評価する。

「HipHop、ビートミュージック、ロック、ファンク、クラシック…とさまざまなジャンルを融合させたサウンドは唯一無二。それを難解なものにせず、歌モノとしてのキャッチーさを貫いているところがポイントです。とはいえ、ヒットした『白日』にも顕著ですが、そのメロディ自体も従来のJ‐POPの定型とは異なるもの。つまり『誰も聴いたことのない、けれど誰もがグッとくる新しいJ‐POP』に着地させている。だからこそ広く届いたと思います」

新しいのに普遍的。King Gnuは、確信的にメジャーで“売れる”曲を作っているとも。

「日本のアートやカルチャーを取り巻く環境が、グローバルのそれとは乖離していることにジレンマを感じる若い人は多い。もっとエッジーで面白い音楽を生み出していくためには、そんな現状を打破しなければならないという野心を、彼らは持っている。そのためにもまず、King Gnuでマスの支持を得ることが必要。自分たちならではの新しいアートを創造したいというアーティストとして根源的な欲求とカウンター精神、現状を変えていくんだというエネルギーそのものに多くの人が魅せられ、熱狂を生んでいると感じます」

変えようとしているのは、音楽シーンにとどまらない。

「クリエイティブレーベル『PERIMETRON(ペリメトロン)』が手掛けるジャケット、MVなど、すべてにクリエイティブな主張があります。志と感性を共有する仲間と多面的にカルチャーを更新し、活動の場を広げている。そんな彼らに若い世代が自分たちの時代の到来を感じ取り、ワクワクしてる部分もあるのではないでしょうか。たとえるなら“King Gnu”という海賊船に乗ることで、まだ見ぬ世界に辿り着けるかもしれない。そんな夢を抱けるバンドの登場で、日本の音楽シーンは確実に新たなフェーズに入ったと思います」

そんなKing Gnuのジャケットデザインをご紹介します!


『飛行艇』
1stアルバム『Tokyo Rendez‐Vous』のアートワークを担当したデザイナー、荒居誠が描き下ろし。

『Prayer X』
アニメ『BANANA FISH』のエンディング曲。銀紙の向こうに主人公のアッシュを思わせる人影を忍ばせた。

『Sympa』
常田大希(G&Vo)が持つ拡声器をペイントした画家・RYUSUKE SANOが手掛けた。

『白日』
マスク制作は森洸大。「飛行艇」のヒーローマスクのデザインも担当。

クリエイティブレーベル『PERIMETRON(ペリメトロン)』 常田大希を含む、映像作家やスタイリスト、CGモーショングラフィッカーなどで結成。King Gnuのほぼすべてのアートワークの他、shu uemuraやFILA、adidasなどともコラボ。今年11月、東京の街をテーマにした映像「DIOR×millennium parade」を発表。

キングヌー 東京藝術大学出身の常田大希(G&Vo)のSrv.Vinciが前身。後輩の井口理(Vo&Key)、セッションシーンで活躍していた勢喜遊(Dr&Sampler)と新井和輝(Ba)が加わり、2017年、King Gnuに改名。’19年、アルバム『Sympa』でメジャーデビュー。年末はNHK紅白歌合戦に初出場する。

有泉智子さん 音楽雑誌『MUSICA』の創刊から携わり、2010年より編集長を務め、ブレイクするミュージシャンをいち早くキャッチ。膨大な知識と音楽への深い愛情には、数多くのミュージシャンが絶大な信頼を寄せる。

※『anan』2019年12月18日号より。取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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