要潤「まず引いてからどんどん近づく」アレの鑑賞法を力説
ananweb / 2019年12月25日 18時30分
2020年4月から開かれる『ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)』の記者発表会に、俳優の要潤さんが登場! 世界有数のコレクションを誇るボストン美術館から来日する作品の見どころや、アートの楽しみ方について語りました。
■ 半数以上が日本初公開!『ボストン美術館展』
【女子的アートナビ】vol. 169
2020年に設立150周年を迎えるアメリカのボストン美術館は、古代エジプトやアジア、ヨーロッパ、アメリカなどの古代から現代までの美術作品を収集し、50万点近いコレクションを所蔵しています。
今回の展覧会では、そんな歴史ある美術館から来日した約60点の作品を紹介。その半数以上が日本初公開です!
同展のテーマは「芸術と力」。権力を誇示するため芸術の力を利用したり、パトロンとして芸術家を支援してきた権力者たちと、芸術のもつ社会的な役割に焦点をあてながら、さまざまな作品が紹介されます。
■ 必見は、お殿さまの作品!
来日するのは、古代エジプトのファラオ像や平安時代の貴重な絵巻、イギリスの宮廷画家ヴァン・ダイクによる肖像画など、実に多彩。
古今東西のさまざまな時代に生み出された作品が見られる展覧会ですが、今回もっとも注目されているのが増山雪斎 (ましやませっさい 1754-1819)の≪孔雀図≫です。この作品は今回の展示に合わせて修復が行われ、この度はじめて日本で公開されます。
神戸市立博物館の学芸員、石沢俊さんによると、作者の増山雪斎は江戸時代の伊勢長島藩第5代藩主、つまりお殿さまで、画家などを支援するパトロンだった、とのこと。大名でありながら自らも筆をふるう芸術家だったそうです。
さらに石沢さんは次のように解説しました。
石沢さん
この≪孔雀図≫は、江戸時代中期以降に流行した南蘋(なんぴん)風花鳥画です。1725年に中国から長崎にやってきた中国人画家、沈南蘋(しんなんぴん)がもたらした新たな花鳥画で、南蘋風花鳥画は、例えば伊藤若冲や円山応挙といった江戸時代を代表する画家たちも魅了しました。
≪孔雀図≫は、ただ孔雀や花を美しく写実的に描いているだけでなく、そこには一家一族の吉祥や繁栄への願いが込められていることがわかります。
■ オフィシャルサポーターは要潤さん!
記者発表会では、オフィシャルサポーターに就任した俳優の要潤さんも登壇。連続テレビ小説『まんぷく』で画家の役を演じ、さらに『新美の巨人たち』にアートトラベラーとして出演されるなど、アートに関する番組でも活躍されています。
要さんは今回の就任について「ボストン美術館は日本との関わりが深いと聞いているので、150年の歴史にこうして携わることができ大変光栄」とうれしそうに感想を語りました。
また、楽しみにしている作品について問われると、「増山雪斎の≪孔雀図≫です。増山さんは昆虫を描いたりもされていますし、孔雀も有名なので、孔雀の羽の感じとか色づかいとか、すべてじっくりと見たいです」と回答。美術に造詣が深い要さん、日本画についてもお詳しいです。
■ 絵との距離感が大事!
さらに、美術作品の楽しみ方については、次のように話しました。
要さん
番組を通して各国の美術館を訪ねたことがありますが、絵との距離感がすごく大事だと思います。まずは引いたところから見て、どんどん近づいて詳細を見ていく。
画家の方は、まず薄いところから色を塗っていく、と聞いたことがあります。引いたところから見ると、まず濃い色が目に入ると思うのです。そして近づいていくにつれて、薄い部分、細かく塗られた部分も見ていく、という楽しみ方があるのではないかと思うんです。
■ 家庭の権力者は…
また、展覧会のテーマ「芸術と力」にちなみ、現在、要さんが力を入れていることについて問われると、「いま油絵に挑戦しだしたので、これから力を入れたい」とコメント。
最後に、家庭での権力者は誰か? と質問されると、「やっぱり妻じゃないですか。妻のおかげで家庭が成り立っています」と少し照れながら回答。夫としてのステキな一面も見せてくれました。
■ 東京では4月16日スタート
『ボストン美術館展 芸術×力』は4月16日からスタート。現在、お得な前売り券が発売中です。
特にオススメは、スペシャル音声ガイド付きチケット(税込¥2,200)。同展の音声ガイドは、おもな作品を「オモテ」と「ウラ」の2つの視点で読み解く新しい音声ガイドになっています。
見どころや技法などの解説が聞ける「オモテ」ガイドのナレーターは、声優の鈴村健一さん。名品に隠された権力者たちのエピソードが聞ける「ウラ」ガイドは声優の櫻井孝宏さんが担当されるという何ともぜいたくな内容です。
ぜひチケットを準備して、春がくるのを楽しみに待ちましょう!
■ Information
ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)
会期:2020年04月16日(木)〜2020年07月05日(日)
会場:東京都美術館
料金(当日券):一般 ¥1,600/大学生・専門学校生 ¥1,300/高校生 ¥800/65歳以上 ¥1,000 中学生以下無料
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
岡山県出身の画家・竹久夢二の作品集めた特別展 中国人画家・范曽の作品とのコラボ展示も
KSB瀬戸内海放送 / 2025年1月20日 11時48分
-
月刊誌『華道』の表紙を飾った日本画家4名による展覧会 それぞれの視点で描く春夏秋冬を4月10日より公開
@Press / 2025年1月14日 15時0分
-
常陸の画僧「雪村」の名画一堂、33年ぶりの里帰り 茨城県立歴史館50周年で特別展
産経ニュース / 2025年1月13日 20時59分
-
2025展示II「四条派ですが、実は─ 詩情派。呉春」を開催します
@Press / 2025年1月7日 16時45分
-
芸術の都パリ、印象的だった展覧会の回顧録【夢見るパリ】
fudge.jp / 2024年12月29日 15時30分
ランキング
-
1いつもと違う「オナラの臭い」がしたら要注意…お酒好きの人が意識するべき"腸が求めている意外な栄養素"
プレジデントオンライン / 2025年1月22日 17時15分
-
2認知症リスクは3倍、寿命は10年縮まる…「悪口を言う人」に最低最悪の人生が待っている科学的理由
プレジデントオンライン / 2025年1月22日 16時15分
-
3サイゼリヤには“ない”けど、ガストには“ある”ものとは。吉野家、ココイチをも凌駕…ガストが“使える店”に進化を遂げていた
日刊SPA! / 2025年1月21日 15時53分
-
4「エンジンブレーキは迷惑行為!」で物議を呼んだ「エンブレ問題」って何!? そもそもなぜ「エンジンブレーキ」は存在し、どう使うべきなのか?
くるまのニュース / 2025年1月22日 16時40分
-
5優先席に荷物を置いて大騒ぎする“中国人観光客”。注意した高校生に5人がかりで罵声を浴びせ…助けに入った“意外な人物”
日刊SPA! / 2025年1月22日 8時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください