大笑いしないと入国拒否…?! ユニークな体験ができる場所
ananweb / 2020年1月17日 18時40分
東京・竹橋の東京国立近代美術館で、ちょっとユニークな展覧会『窓展』が開かれています。絵画や写真、建築など、さまざまなジャンルの「窓」をテーマにしたアートが集まるだけでなく、展示の途中には“入国管理局”も登場?! 詳しくご紹介します!
■ 見て参加して楽しめる!
【女子的アートナビ】vol. 170
『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』では、アンリ・マティスやパウル・クレーなど20世紀の巨匠による絵画作品から、ゲルハルト・リヒターなどのインスタレーション、さらには建築物までも展示。東京国立近代美術館と、窓に関する文化や文明を研究している『窓研究所』が協力して実現した企画展です。
これまでに多くの画家たちが、窓にインスピレーションを受けて作品を制作。絵画だけでなく、写真や建築、現代美術の分野でも窓は重要なモチーフとなってきたことがこの展覧会でわかります。
会場では、総勢58名のアーティストや建築家によるバラエティに富んだ115点の“窓”関連作品が集結。見るだけでなく参加できる展示もあります。
■ なぜ窓…?
そもそも、なぜ「窓」がテーマになっているのでしょうか? 同展を担当された東京国立近代美術館・企画課長の蔵屋美香さんによると、「絵画と窓は親戚関係にある」とのこと。
蔵屋さん
窓は部屋の壁に四角い枠があり、その枠の向こうに外の別世界の眺めが見えます。いっぽう絵画は、部屋の中に四角い額縁があり、その額縁の中に景色や街並み、別世界の風景を見ることができます。窓と絵画はよく似た仕組みを持っているので、ヨーロッパでは5~600年前からずっと絵画と窓は親戚関係にあると言われてきました。
また、今の社会は疲れているような気がしていて、社会全体がギスギスしています。そんなとき、四角い枠の中に遠い世界や別世界、別の人の生きている世界を想像してみる、そんなひとときを持つのが必要なのではないかと思いこの展覧会を企画しました。
■ 必見はマティス!
それでは、見どころをピックアップしてご紹介します。まず必見は、20世紀巨匠の作品たち。なかでもアンリ・マティスの油彩画は要チェックです。
《待つ》は、画家が南仏ニースに滞在したときに描いたもの。窓の外にはニースの海やヤシの木が見え、部屋にいながら海辺の景色を体感できます。同じ年頃の女性2人が窓辺に立ち、何かを待っている様子ですが、マティスは詳しい状況について何も説明していないとのこと。好きなように想像しながら楽しみたい作品です。
■ 赤が飛び出す!?
また、抽象絵画も見どころのひとつ。特に、近年絵画オークションで数百億円という超高額で落札されている人気画家、マーク・ロスコの《無題》はぜひ見ておきたい作品です。
黄土色の背景に赤と白の長方形が並んでいるだけのシンプルな油彩画ですが、この絵の前に立って30秒見つめていると、上の赤だけが前のほうに飛び出して白は後ろのほうに沈んで見える、とのこと。
実際に作品の前で立ってみたのですが、確かに赤が前に飛び出して見えました。蔵屋さんによると、抽象絵画は人間の目と脳の仕組みに訴えかける工夫がされているそうで、ロスコの絵も錯視の仕組みを利用しているとのこと。トリックアートを見るような、ちょっと不思議な体験ができます。
■ 入国管理局へ!
最後にご紹介するのは、現代美術です。西京人という3人(小沢剛、チェン・シャオション、ギムホンソック)の作家ユニットが制作している作品が《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》。
会場には入国管理局のカウンターが設置されていて、係員の方が座っています。ここを通る際には、パスポートの代わりにあるパフォーマンスをしなければなりません。そのひとつが、「お腹の底から大笑いすること」。美術館の中で大笑いするのは勇気がいるかもしれませんが、ほかにも選択肢はあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
展示作品は館内だけでなく、美術館の前庭にも同展のために建てられた建築物が展示されています。
ぜひ窓をめぐるアートな旅を体験してみませんか?
■ Information
会期: ~2月2日(日)
時間:10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00) *入館は閉館30分前まで
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
料金:一般 ¥1,200/大学生 ¥700/高校生以下無料
※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
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