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Superfly「一日って意外と長い」 “一年間の休み”にしていたこと

ananweb / 2020年1月18日 18時0分

Superfly「一日って意外と長い」 “一年間の休み”にしていたこと

1月15日に4年半ぶりのアルバム『0』をリリースしたSuperfly。誰もが認める日本のディーバが語ってくれたのは、楽曲制作のエピソードからプライベートの温活まで!?
■ 1年間のお休みを経て自分に興味を持てるように。旅の目的は大爆笑すること!


きゃしゃな体から飛び出すパワフルで伸びやかなハイトーンボイス。その歌声には聴いている誰もがスカッと気持ちが晴れて、病みつきになる。そんな神の声を持つSuperflyさんが、待望のオリジナルアルバム『0』をリリース!

――4年半ぶりのアルバムリリース、待っていました!

Superfly:ありがとうございます。11曲入りなんですが、今回はほとんど自分で作詞作曲を手がけていて、完成図がないまま、目の前の出会いと向き合いながら一曲ずつ作っていきました。アルバムは普通なら13曲は収められたりするんですが、数合わせのように入れるのではなく、限られた時間の中で自分がいいと思えた曲だけを入れたいという思いが強くて。そうしたら4年半もかかってしまいました(笑)。

――これまでとは違い、ご自身でほとんどの作詞作曲をされたのには、どのような心境の変化があったのでしょうか。

Superfly:じつは2年ほど前に1年間お休みをいただいたんですが、私の中でいろんなことがクリアになり改めて自分一人でやっていこうかな、って思うきっかけになりました。決めたわけではなく、なんとなくそっちの方向に気が向いたという感じです。ファーストアルバムからずっと一緒にやってきたスタッフもいましたが、この先の曲の方向性を考えた時に、何かに固執するのではなく、いろんな選択肢を持って決めていってもいいんじゃないかという意思が芽生えはじめたんです。長くやっていくうちに、レコーディングはこうあるべきとか、活動のマニュアルみたいなものってどうしてもできてしまうけれど、でもそれって本当にいいことなのかな、より良いものはなんだろう? と突き詰めていったら、もっと自由でもいいんじゃないかなって。とくにこのアルバムは、先入観や常識を一度フラットにして本質を探りながら作っていきたかった。アルバムタイトルを“0”にした理由でもあります。

――昨年12月まで行われていた「Superfly Arena Tour 2019“0”」、拝見しました。新曲をいくつも披露され、得意なロックやバラードはもちろん、ジャジーな曲やアカペラなどの様々な音楽を聴かせていただき、すごく贅沢な時間でした。

Superfly:今までロックやポップスの曲を中心に歌ってきたので、8ビートのものが多かったんです。でもふとジャズを聴いた時に、揺れるリズムに乗せて誰かが遅れて入ったり、シンコペーション(拍子やアクセントの正常な流れを故意に変えること)したりすることで生まれるうねりを面白いと思えたし、ジャズ特有の“間”も心地よく感じるようになった。もともと私は“間”が好きなんですが、ロックやポップスってみんな間が空くと怖いから、楽器の音で埋めようとするんですね。でも、間にこそドラマがあると思っていた私は、8ビートで常に時を刻まれているような気がして、ずっと苦しかったのかもしれない。それで、新曲を作る時も、ドラムといえばハイハット(ドラムセットのパーツのひとつ)でリズムを刻むのが暗黙のルールだったけど「それ禁止ね」って言ってみたら困ってましたね、ドラマーが(笑)。

――お休みを経て、変化があったようですが、改めて今、曲作りの原動力は、どこにありますか。

Superfly:今回のアルバムを作っている時は、ワクワクしながら作ったほうがいいと思っていました。日常にある小さな疑問やひっかかりから、あぁいいこと思いついたぞ、ひらめいたぞ、ってそこですかね。

――ひらめいたら、曲ができるまでは早いタイプですか?

Superfly:タイアップ曲を書き下ろす時は、たとえばドラマの内容説明を聞きながらもう頭の中に曲が流れてきたりすることもあります。逆になかなか思いつかない時は、スタッフのみなさんとディスカッションするようになりました。今までは自分一人で悩んで答えを探してきたんですが、補助輪的に誰かのエネルギーを借りたりヒントをもらうことは全然悪くないのかなって、これもお休み中に思うようになったこと。「できません、助けて~」って言えるようになりました。

――タイアップではない曲はどうやって作るんですか?

Superfly:これ私によくあるんですが、ラジオから誰かの新曲が流れてきたんだ、って感覚で聞こえてくるんです。誰かの新曲かな? って長く考えているうちに一回忘れて、また思い出した時に、あぁ好きな曲なんだって。そこから勇気を振り絞って書くんです。

――ご自身の曲なのに、勇気を振り絞って?

Superfly:あははは(笑)、そうなんです。こっぱずかしいです。

――その1年間のお休みは、どう過ごされていたんですか?

Superfly:何もすることがなくなると、一日って意外と長いんですよね(笑)。だから朝起きて、コーヒーをやたらめったら時間をかけて淹れようとか、じっくり野菜を煮ようなんて、地味だけど忙しいと流れてしまう生活の中の行動をいちいちゆっくりやっていました。あとは昔から仲のいい友達と、台湾やスペインなどに旅行もしました。そこでは、子供みたいにただ無邪気に爆笑することを思い出したりして。

――すごく楽しそうです。台湾なんてごはんも美味しいし。

Superfly:それが、着いてすぐに台風が直撃して島全体が台風にすっぽり埋まっていたんです。国から営業停止命令が出てお店はほぼ閉まっていたのでひたすら自宅待機、みたいな。でもそんな自分たちの状況すらも爆笑のタネでした(笑)。スペインでは、レストランのメニューがわからなくて、お店のおすすめを頼んでいたらひたすらエビ料理が出てきて。「エビはもう食べたから大丈夫だ」って伝えても「エビが美味しいよ!」ってまた出てくる。この世にはエビしかないの? ってそこでも友達と大爆笑。でも今までの旅行って何かのインプットのためにとか、いったん仕事から離れたい、何かを解消するために…っていう現実逃避的なものだったんですが、そうじゃないことがわかりました。今では、旅の目的は爆笑しに行くこと。

――最高ですね(笑)。

Superfly:もともと私は気を使いがちな性格で、すぐに相手を「大丈夫かしら?」って気にしちゃったりするんですが、旅行では今を楽しむことのほうがすごく大事だと気づいたりもして。何かに気を使わないことが新鮮でした。そういえば“自分の好きなこと集め”みたいなこともしていました。たとえば、こういう時に自分はワクワクするんだな、ってノートに書き留めることがすごく楽しかったんです。やっと自分自身に興味が出たのかもしれないですね。これを続けていたら何か変わるかな、とちょっと楽しみだったりもします。

――スマホにメモするのではなく、ノートに書かれるんですね。

Superfly:はい。好きだと思ったことや、これをやると体調が良くなるとか、すごくくだらないことばかりだけど、時間が経って忘れたらまた見返して、あったあった、なんて確認して。なにせ暇なんで(笑)。でも、そうやって見返したいから、ノートに書いたのかもしれません。

――音楽のアイデアや、歌詞を書くのもノートですか?

Superfly:字が下手くそすぎるので、歌詞はパソコンで、アイデアはスマホですね…ってやだ、すごい現代っ子っぽい!(笑)

6th AL『0』発売中。朝ドラ『スカーレット』(NHK)の主題歌「フレア」ほか、全11曲を収録。【初回限定盤A(アリーナツアー映像盤・CD+DVD/Blu-ray)】DVD¥4,200 Blu-ray¥5,200 【初回限定盤B(夏フェス映像+MV集盤・CD+DVD/Blu-ray)】DVD¥4,500 Blu-ray¥5,500 【通常盤(CD)】¥3,000(Warner Music Japan)

スーパーフライ 2007年に1stシングル『ハロー・ハロー』でメジャーデビュー。『愛をこめて花束を』が初のドラマ主題歌になり大ヒット。その後発売された1stアルバムでは初のオリコンチャート1位を獲得し、以来、ドラマや映画、CMなどのタイアップ曲を数多く手がけるように。‘19年は4回目となる第70回NHK紅白歌合戦に出場した。

セットアップ¥32,000 シャツ¥25,000 ブーツ¥49,000(以上vintage/KALMA TEL:03・5432・9701) その他はスタイリスト私物

※『anan』2020年1月22日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・Shohei Kashima(W) ヘア&メイク・杉本和弘 インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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