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Googleメソッド! チーム力に欠かせない“5つのカギ”

ananweb / 2020年1月24日 21時0分

Googleメソッド! チーム力に欠かせない“5つのカギ”

メンバー一人ひとりが楽しく働けて、チームワークも良くて成果が上がる。そんな素晴らしいチームを作るために知っておきたいのが“心理的安全性”の重要性。今、ビジネスシーンで注目されているこの言葉の意味や、チーム力を最大限発揮する方法を探ります。
■ チーム力を高める最重要キーワード。


効果的なチームの条件を調査していたアメリカのGoogleリサーチチームが、チームのパフォーマンスに最も影響する要因として、‘16年に発表したのが“心理的安全性”。この言葉が、日本のチーム作りでも重視されてきている。

「心理的安全性とは、チームの中で従業員がお互いに信頼し、安心して何でも言い合え、高め合える状態を表します。『今言ったら邪魔だと怒られるかな』『こんなこと言ったらバカだと思われるかもしれない』と心配したり、空気を読んだりする必要がなく意見を言えるので、のびのびと自分らしく働けるのです」

と語るのは、以前、Googleの日本支社で人材育成や組織開発を行っていたピョートル・フェリクス・グジバチさん。チームメンバーが安心して働ければチーム力が上がり、生産性も高まるというわけ。

■ この時代に目指すべき理想的なチーム像。

そもそも、Googleでは、「従業員が単独で働くよりも、チームで働いたほうが大きな成果が上げられる」と考えていた。

「少し前までは、個人がいかに成果を出すかばかりに焦点が当たっていた成果主義の時代でしたが、多様化する需要に対して、ひとりのスペシャリストでは対応できなくなってきているのが現状です。でも、個人では達成するのが難しいことも、チームだったら効率的に成果を上げることができるのです」

とチームワークのコンサルティングを行っているなかむらアサミさん。

「ビジネスにおけるチームとは、ただ人が集まっただけのグループとは違い、理想を達成するための集団であるべき。その理想を実現するためにチームメンバーで役割分担をし、協働することこそがチームワークなのです」(なかむらさん)

■ 心理的安全性が高いメリットとは。

チームの心理的安全性を高めることでもたらされる利点は数多い。

「忖度したり、空気を読んだりせず、誰もがオープンに発言するので、アイデアが活性化されます。お互いの仕事に対してのフィードバックやフォローも活発で、自分の価値を認められている実感があり、やりがいも大きくなります」(ピョートルさん)

「心理的安全性が高いチームは、失敗やミスを報告しやすい空気ができているので、けっして隠しません。失敗を次に活かして成長し続けることができるので、チーム力も底上げされていきます」(なかむらさん)

肩書に左右されないフラットでオープンな関係性で結びつき、意見を率直にぶつけ合える心理的安全性の高いチーム。そうしたチームを作るための具体的な方法をピョートルさんとなかむらさんの2人がアドバイスします!

■ チーム力に欠かせない5つのカギ

Googleのリサーチチームが効果的なチーム条件を調べた“プロジェクト・アリストテレス”において発見された特性は全部で5つ。最重要に位置づけられる心理的安全性以外の要素についてもざっくりご紹介。

■ 心理的安全性

一人ひとりが恐怖や不安を感じず、安心して発言や行動できる状態を指し、チーム力を高めるために最も重要なファクター。チームメンバーがリスクのある行動をとっても、このチームであれば大丈夫と思え、弱い部分もさらけ出せ、ミスをしても非難されない。心理的安全性が高いチームは、離職率が低く、収益性が高いのが特徴。

■ 信頼性

高いクオリティで、かつ期限内に最後まで仕事をやり切ってくれるという安心感が、きちんと持たれている。ビジネスにおいて締め切りを守るかどうかは、信頼度を大きく左右する要素。事前に役割分担と責任を明確にしておくことも大事。

■ 構造と明確さ

「構造」とはチームが達成すべき具体的な目標、個々のメンバーの役割、行動計画の3つを指す。そのすべてが明確で、メンバー全員が理解して共有していることが重要。ミーティングでも、明確な議題を設定し、リーダーを指名するといい。

■ 意味

チームのためにしている仕事が、自分自身にとっても意味あることだと実感できないと、チームへの帰属意識や愛着、貢献度はダウン…。チームメンバーの頑張りを認めるフィードバックを意識し、助けてもらったら感謝することも忘れずに。

■ インパクト

チームの成果が、会社、そしてユーザーや顧客、ひいては社会全体に、どんなインパクトを与え、変化を起こす可能性があるのか理解すると、仕事への意欲が高まる。インパクトを大きくするためにも、常にユーザー目線に立つことが不可欠。

■ 目指すべきチームMAP

成果を過度に追求されると、互いをライバル視して不干渉に。結果が出ているうちはなんとかチームとして成立していても、出なくなった途端に崩れてしまう(図・左上)。仲がいいだけのチームが成果を上げるには、意見も言い合える関係性に深める必要アリ(右下)。メンバー間の交流が少なく、仕事の効率も下がるとチームとして機能不全に…(左下)。相互で信頼し、しっかり役割分担できているチーム(右上)は、士気もアップ。成果も出せるいい循環に。

○理想的なチーム
信頼に基づくチームワークによって高い成果を出す チーム全体がやる気や活気にあふれている
みんな入りたい長寿チーム!

△成果至上主義チーム
個人のスキルが高く、効率的に仕事をこなせる 目先の成果ばかりを追求されて、メンタルが崩壊しそう…
チーム継続は危うし!

×仲よしこよしチーム
メンバーが依存し合い仕事効率が上がらない 職場の雰囲気はいいので、楽しくはある
チームの成長は期待薄

×機能不全チーム
ギスギスした空気の中、仕事の効率が下がる 最悪な職場環境に比例するように、メンタルも悪化の一途
チーム消滅はすぐそこ…

ピョートル・フェリクス・グジバチさん プロノイア・グループ代表取締役。Google Japan時代、アジアパシフィック地域の人材開発に携わる。著書に『世界最高のチーム』(朝日新聞出版)。

なかむらアサミさん ‘06年サイボウズ入社。サイボウズチームワーク総研シニアコンサルタントとして、チームワークを中高生から社会人まで幅広い層に教える活動を行う。

※『anan』2020年1月29日号より。イラスト・加納徳博 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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