グッスリ眠れる!…ビル・ゲイツも実践する「億万長者の超快眠法」 #21
ananweb / 2020年1月24日 21時30分
保釈金15億円をあっさりと捨てて国外へ極秘脱出し、世界に衝撃を与えたゴーン被告の逃亡劇。「金額が安すぎたのでは?」という桁違いの論争にも目がクラクラしますが、世界長者番付1位、2位を貫く面々の総資産額は10兆とまるで国家予算レベルです。そんな超お金持ちが愛するのが「読書」と「睡眠」だとか。そこでマイクロソフトの創業者 ビル・ゲイツ氏の愛読する快眠本の筆者が説く、睡眠の質をアップさせる5つの方法を紐解きます。
取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani
【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 21
ひゅるりィー、今月も金欠の木枯らしが吹く……。
総合支援採用サービスのdodaは、2018年4月〜2019年3月の一年間に転職活動をした約10万人の転職理由を分析しました。結果は以下です。
第1位 ほかにやりたい仕事があるから。
第2位 給与の不満がある。
第3位 会社の将来性が不安。
少ない給与への不満は前年度3位でしたが今回は2位にランクアップ。前年に比べてその増加率が目立ちました(1)。
それに比べてフォーブスが毎年発表する恒例の世界長者番付の金額といったら。2019年度1位だったAmazon.com創業者のジェフ・べゾス氏の1310億ドル(約14兆5450万円)、2位のマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の965億ドル(約10兆6000万円)って(2)、日本の国家予算の1/10を超えていますよ(3)。
■ 一代で富を築いたリッチたちの秘密。
となると当然「お金持ちって何が違うの?」という興味がムクムク。書店にもお金持ちの秘密本がずらり並んでいますよね。アメリカ人会計士のトーマス・コーリー氏もご多分にもれず、取り憑かれたように5年間かけて”一代で富を築いたリッチな人たち”(年収16万ドル≪約1760万円≫以上で、流動資産が3.2ミリオンドル≪約3.5億円≫以上)を研究しました。そしてその執念は結晶して、『お金持ちの習慣:裕福な人たちの毎日の成功習慣(未邦訳/Rich Habits: The Daily Success Habits of Wealthy Individuals)』というベストセラー本に。
彼が分析したお金持ちの習性に、「読書好き」というものがあります。その統計によれば、読書好きな人はお金持ち全体の86%。そしてリッチたちが好んだのは小説よりも実用書で、なかでも自己啓発本だったとか。実に彼らの88%は、毎日30分間の読書を娯楽目的ではなく自己啓発のために行っていたそうです(4)。
「読むこと」はお金持ちライフの重要なファクターで、例えば世界長者番付第1位のベゾス氏はAmazon.comをスタートするにあたってまず書籍の販売から開始。そして第2位ランクインのゲイツ氏も無類の読書家として有名です。ゲイツ氏は、ニューヨーク・タイムズ紙に「子どもの頃から読書は学習するためのメインツールのひとつ」と語り(5)、読書好きが高じて自身のブログ『ゲイツの覚え書き(Gates Notes)』でもブックレビューをしています。
■ お金持ちはよく読み、よく眠る。
そんなゲイツ氏は昨年末に2020年の皮切りにと5冊の本をオススメしました。そこには、マシュー・ウォーカー博士の『Why We Sleep(邦題/睡眠こそが最強の解決策である)』があります(6)。長者番付1位のベソス氏も毎日8時間睡眠を重視していますし(7)、「寝ること」もまたお金持ちづくりの必須材料なのです。
眠れる森の研究者 ウォーカー博士は、カリフォルニア大学バークレー校の神経科学部、そして心理学部の教授です。彼は同大学の「人間睡眠科学センター」の創設者でもあります。そして
5時間しか睡眠をとらない男性の睾丸は、7時間以上寝る男性よりも遥かに小さいことがわかっています
とズバリ断言するウォーカー博士(8)。ワォ!
半分脅しとも取れるこの金言がゲイツ氏の肝っ玉に響いたのかはわかりませんが、初期のマイクロソフト時代に不眠不休で作業していた彼も今や娘たちにすすめられたこの眠り本を愛読書に選ぶほどの睡眠ラバーとなりました。
「男性ホルモンの危機なんて、わたしには関係無い」と女性のみなさんは思われるかもしれませんが、Amazon.comのベソス氏は“リーダーシップと睡眠の関係性”を強調し、睡眠でしっかり心身を休めないと、決断力が鈍ると話しています。ウォーカー博士も睡眠不足は創造性、問題解決能力、学習や記憶力の低下に加え、過食、乳がんや免疫系のリスクを招くと強調し、何をとっても良いことゼロだと言います(8)。
そんな億万長者が習う、ウォーカー博士 オススメの睡眠の質を上げる5つの方法(9)は以下です。
■ 億万長者も実践! 睡眠力をアップする5つの方法。
1. 光の刺激を減らす。
可能なら部屋を真っ暗にして寝る。スマホやPC画面、テレビなど光の刺激が強いものはベッドに入る1、2時間前から見ないこと。夜早くから部屋の明かりを間接照明やキャンドルを楽しむなどして薄暗くしても、入眠の助けになる。
2. 一貫した睡眠スケジュールを持つ。
就寝時間と起床時間をだいたい毎日同じにする。睡眠—覚醒スケジュールを整えることで、体の中のアラーム時計が始動される。週末の寝だめは日々の睡眠不足を解消するためには無意味なので、行わないこと。
3. 部屋は涼しいぐらいの温度に。
寒くはないけれど、ちょっと涼しいかなと思うぐらいのだいたい18度あたりに部屋を保つ。寝るときに私たちの体温は下がるので、低めの部屋の温度設定は脳に就寝時間だというサインを出してくれる。
4. 眠れないときは、ベッドを出て読書を。
眠れないと悶々とするときは、ベッドを離れて他の部屋にいくなり穏やかな明かりのもとで読書をすること。あくまでもベッドは寝るための場所と習慣づける。その際にPCや携帯を見ない。ベッドを離れたくない場合は、瞑想してもいい。
5. 日中遅くのカフェインや寝酒は禁止。
眠れなかったり、途中で目が覚めてしまったりと睡眠を阻害させるので控えよう。
睡眠は私たちが脳を休め、心と体を健康に保つための大切な時間です。かつてたっぷり寝ることを怠慢だと考えていたゲイツ氏も「ウォーカー博士のアドバイスに従ってちょっと早めに就寝したもんだから、この本は他より読了するのに時間がかかっちゃって」なんてちょっと眠いジョークをとばせるほどにもなりました。
そう、休んだり、立ち止まることも私たちの大切な仕事のひとつ。怠けているなんていっておろそかにせず、どうぞ今夜も心ゆくまでゆっくりとおやすみください。
■ 土居彩
編集者。東京の薪割り暮らしを綴るブログ『東京マキワリ日記、ときどき山伏つき。』。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にてダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)、芸術家で社会活動家の小田まゆみ氏の『Sarasvati’s Gift』(シャンバラ社)を翻訳中。
参考
1. https://www.saiyo-doda.jp/lp/ma/reason/
2. https://www.forbes.com/billionaires/#64f91ae0251c
3. https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/seifuan2019/03.pdf
4. https://www.businessinsider.com/rich-people-daily-habits-2014-6
5. https://www.nytimes.com/2016/01/04/fashion/bill-gates-gates-notes-books.html
6. https://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/Holiday-Books-2019
7. https://www.cnbc.com/2017/04/21/why-jeff-bezos-makes-getting-8-hours-of-sleep-a-top-priority.html
8. https://www.youtube.com/watch?v=ca-AzTJnGaQ
9.https://greatergood.berkeley.edu/article/item/why_your_brain_needs_to_dream
©PeopleImages/Gettyimages(5カット目)
外部リンク
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