“米軍式快眠エクササイズ”で集中力UP! 「正しく休む」スキル
ananweb / 2020年2月9日 20時30分
長期的に高い集中力をキープするためには、「正しく休む」というスキルを身につけておきたい。疲労とストレスを科学的にリセットして、失われた集中力を少しでも取り戻して。サイエンスライター・鈴木祐さんに、効率的に休みを取る方法を聞きました。
■ 集中力が切れそうなときは休みを取る。
集中力アップを考えるうえで、もっとも見過ごされやすいのが「正しく休む」というポイント。「たとえどんなに楽しい作業をしていても、肉体が疲れきったら集中力を保つのは不可能ですし、精神的なストレスが余計鈍らせます。疲れたまま仕事をしていたら簡単な作業も倍以上の時間がかかったという経験は誰しもあるでしょう。そんな事態を防ぐためにも、集中力が切れそうになったら、必ず休憩を取るようにしてください。科学的に正しい3つの休み方をご紹介します」
■ マイクロブレイク
長時間の休みを取ることができないときに、数十秒から数分の休憩を細かく取る方法。ある研究では被験者にPCのモニターを見続ける作業を指示し、その合間にたった40秒だけ花と緑を撮った自然の写真を見せたところ、作業への集中力が高いレベルで維持されたという。脳になんらかの疲れを感じたら、少しのあいだ自然や動物の画像を見てリフレッシュするか、窓から雲をちょっと眺めるだけでも効果的といえる。
■ タスクブレイク
「5分の休憩のつもりが、気づけば30分もスマホゲームに…」。作業を休んだ途端、仕事へのやる気を失ってしまうのはよくあるケース。そんな人におすすめなのがこの“タスクブレイク”。難しい仕事の合間に簡単なタスクをこなすという方法で、脳の回転数を落としつつも作業へのモチベーション自体は保つことができる。タスクはメールチェックやスケジュールの管理など、深く考えずに完了できる作業ならなんでもOK。
■ アクティブレスト
休憩中に軽く体を動かして脳をリフレッシュさせる方法。最近の研究では、どんなに軽い運動でも想像以上のメリットが得られることが判明したという。たとえば学生を対象にした実験では、最大心拍数の約30 %という、ウォーキングとほぼ同レベルの負荷で10分の運動を行っただけでも被験者の脳機能が改善し、集中力と記憶力の向上が見られた。つまり、ほんの10分の軽い散歩でも集中力をアップさせられるということに。
■ 快眠をとる。
「よく眠れなかった次の日に、頭が働かなくなるのは普通のこと。睡眠不足による集中力の低下は、しっかりと眠ることでしかリカバーできないからです」 集中力をアップしたいなら、まずは眠りから見直してみるのも手。鈴木さんの場合、どんなに忙しくても毎日9時間の睡眠を心がけているとのこと。「そこまで時間を確保できない人は、せめて30分の昼寝を取り入れてください。スムーズな眠りに効果があるとされる、米軍式快眠エクササイズもおすすめです」
■ 米軍式快眠エクササイズ
米軍がパイロットのメンタル改善用に開発したテクニック。スポーツ心理学の知見をベースに組み立てられており、米軍の実験では、この方法を使ったパイロットのうち、96%が120秒以内に眠れるようになったという。方法は、まず椅子に座るかベッドに横たわってリラックスしたら、顔→肩→腕→脚の順に力をゆるめて筋肉をリリースする。なかなか力みが取れない場合は、各パーツに一度思いっきり力を込めてから、ふっと弛緩させるのがポイント。最後に“思考リリース”も忘れずに。もし最後のステップで眠りに入れなかった場合は、気にせず最初の手順から繰り返すこと。
おでこ→眉間→こめかみ→目→頬→口→あごの順に筋肉をゆるめる。 ゆっくり呼吸しながら肩と腕の力を抜く。地中に沈み込むイメージ。 力みが取れなければ、いったん手をギュッと握ってから開いてみる。 脚も同じように力を抜く。最後に10秒、何も考えない時間をつくる。
鈴木 祐さん サイエンスライター。健康や科学、心理などをテーマに書籍や雑誌の執筆を手掛ける。新刊『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)が発売中。
※『anan』2020年2月12日号より。イラスト・加納徳博 取材、文・瀬尾麻美
(by anan編集部)
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