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『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』ってどんな本?

ananweb / 2020年2月10日 21時0分

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』ってどんな本?

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』このタイトルを見て、ひるむことなかれ。〈一を聞いて一を知るのが精一杯〉というなら馬鹿だし、〈顔やスタイルで食っていけない〉ならブスだし、〈賃金労働をしなければ食べていけない〉なら貧乏だ、と著者の藤森かよこさんは、のっけからガツンと言ってくる。実際、日本に住んでいるほとんどの人がそうした境遇にいる現実に、異論はあるまい。そんな過酷なサバイバルのよきガイドに、この本がなってくれそうだ。作者にお話しを聞きました!
■ 忖度なしの毒気がクセになる!? 厳しい日本社会を生き抜くためには。


「世にはびこる自己啓発本やデキるフェミニストたちが書くようなことは、ちょっと実践できそうもないなといつも思っていたんです。でも、女性として生まれたというだけで損するつもりもないし、しなくていい。矛盾だらけの世の中で、なんとかムダに傷つかず消耗せず生きていくにはどうすればいいのか。私自身も若いころから考え抜いてきました」

女性の生き方のロールモデルがなくなった現代、代わって、毒舌と愛を詰め込んで叱咤激励するエールは増えた。本書もまた、ジェーン・スーさんやカレー沢薫さんらの著作の系譜に連なる。

本書の魅力は、歯に衣着せぬ物言いとアドバイスの具体性だ。たとえば、〈結婚するなら国語能力のある男性〉というのも一例だろう。

「結婚生活は長いので、言葉が通じない男性は本当に困ります。国語能力のあるなしは、エリートか否かでは測れません。また、女性自身にとっても大切なスキル。その能力が足りないと、自分の問題も分析できませんから」

また、〈正直に生きる〉ことの大切さも強調する。

「ドタキャンぐせがある人は、正直に生きていない可能性があります。他者の要請に振り回され、ギリギリになって『行きたくない、やりたくない』と撤回するからなんですね。『お金が欲しい』というのも、突き詰めれば、自分の人生に不信感を持っていて、本音は安く扱われたくないとか寂しいとかいう思いだったり。自分の気持ちを見失わないように生きてこそ、必要なものが見えてきて、勉強もするようになります」

人生の先輩でもある藤森さんの半生を追いつつ、中年期や老年期といった未知のゾーンの準備をしておく上でも意味がある本書。超おすすめです。

ふじもり・かよこ 1953年、愛知県生まれ。福山市立大学名誉教授、翻訳家。アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。訳書に『水源』『利己主義という気概』ほか。

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』 人生のステージ別に、37歳まで、65歳まで、死ぬまでの3部構成。巻末には藤森さんが感銘を受けた本のリスト付き。KKベストセラーズ 1600円

※『anan』2020年2月12日号より。写真・中島慶子(本) インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)

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