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【知らないと怖い】不審者に絡まれたときの「簡単な対処法」 実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿Vol.11

ananweb / 2020年2月11日 20時40分

【知らないと怖い】不審者に絡まれたときの「簡単な対処法」 実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿Vol.11

春休みやGWなどの予定を考え始めている人もいるかもしれませんが、海外旅行をする際は、いくつかの注意が必要なもの。そこで、これまでに海外旅行のべ30回、海外留学3回の経験を持つライター・志村が海外で遭遇したトラブルをもとに、対処法を考えてみました。これまでは、事件性の高いエピソードからご紹介してきましたが、vol. 10に引き続き、海外で出会った不思議な人たちとの出来事を振り返ってみたいと思います。
イラスト・志村昌美

■ 公園で変なおじさんに絡まれた in イギリス!


【実録! トラブルトラベラーMasamiの事件簿】vol. 11

前回は、イギリスの海岸で知らない人に突然似顔絵を描かれてプレゼントされるという謎のエピソードでしたが、今回も舞台はイギリス。それは、私がロンドンに住んでいたときのことでした。ある日、悩みごとで煮詰まってしまった私は、気分転換と散歩を兼ねて、自宅から歩いて30分ほどに位置するロンドンでも有数の大きな公園へと向かうことにしたのです。

到着してみると、よくある日本の公園のイメージとはまったく異なり、まるで自然のなかにいるかのような広々とした丘と美しい緑色。心がパーっと広がるのを感じつつ、その中心にあったベンチに座り、「たまにはこういうところで、のんびり考えごとをするのも大事だなぁ」とひと息ついて、「さあ、これから!」というそのとき……。

■ 50代くらいのおじさんがどこからともなく登場!

「あのー、すみません」と声をかけられたので、耳を傾けてみると、その見知らぬおじさんから思いもよらない言葉が発せられることに……。

「僕は地元の人間なんですけど、ロンドンは危ない街なので、女性向けに護身術を教えています。あなたもやってみませんか?」

意味不明過ぎて、固まる私。「すでにひったくり、スリだけでなく、ATMでも襲われているので、おそらくロンドンの危なさはあなたより知ってますよ!」と思わず言いそうでしたが、それはそれで向こうの思うツボなので、グッとこらえながら、何を言われているのかよく考えてみました。

とはいえ、よく考えたところで、「公園で護身術のレッスン」という誘い文句が理解できないうえに、「女性だけを対象に」というのが下心全開。そもそもおじさん自身が頼りなさそうな風貌であるため、「むしろご自分の身を案じたらどうですか?」と言いたくなるほど、とにかくツッコミどころ満載のおじさんだったのです。ということで、答えは当然……。

■ 「けっこうです!」とお断りしました。

しかし、この手のおじさんは基本的に強引で、人の話を聞かないところがあるため、なんだかんだ言って自分のペースに相手を巻き込むのが得意。そこで、「このあと、友達と約束があるので!」と最後通告をして、突き放してみました。

すると、「何時に?」と急に聞かれ、うっかり「30分後」と答えたところ、「じゃあ、30分は時間があるんだね!」と笑顔で一言。「いやいや、そういうことではなくて……」と思っているうちに、護身術レッスンが勝手にスタートしてしまうのです。

本来なら「このあとすぐに」と言うべきだったのですが、「せっかく時間をかけてこの場所に来て、お気に入りのベンチまで見つけたのに、なんでこのおじさんのために、たった数分でこの場を去らなければいけないんだ!」という憤りの気持ちから、つい「30分後」という答えが口から出てしまったのですが、それこそが最大のミス。気がつけば、レッスンに付き合わされることに……。

■ 気になる護身術レッスンの内容とは?

謎の展開が若干おもしろく感じ始めた私は、逃げ出すタイミングを見計らいつつレッスンに参加することとなるのですが、意外と内容は本格的。というか、おじさんは真剣そのもので、「いきなり腕をつかまれたとき」「相手が凶器を持っていたとき」など、加害者役と被害者役を交互に繰り返して、ひたすら練習することととなりました。

心のなかで「映画の『ベスト・キッド』か!」と思いながら、黙々とレッスンするはめになったのですが、いま思うと、公園の真ん中でイギリス人のおじさんと日本人女性が護身術を練習するという光景は、我ながら異様だったかもしれません(笑)。

そして、レッスンのレベルが徐々に上がっていくなか、次のお題は「突然正面から喉元を狙われたとき」。ところが、おじさんの腕が喉元に近づいてきた瞬間、「本当にやられるかも!」という恐怖が一気に襲ってきたので……。

■ 「もうやめてください!」とレッスンの中断を申告!

私の画力ではどうしても表現することができなかったので、ここからはみなさんの想像力をお借りしたいと思いますが、まずは、志村けんさんのアイーンのような感じで右腕を折り曲げているおじさんを想像してください。そして、その状態のまま正面から自分の喉もとめがけておじさんが突進! どうですか、みなさんも怖いですよね?

「怖さに気がつくの遅っ!」という声が聞こえてくるようですが、これまで数々のトラブルに遭ってみて思うのは、その渦中にいるときは、簡単なことでさえも判断力が鈍りがちになるということ。そこで今回は、変なおじさんに絡まれて困ったときの対処法について考えてみたいと思います。最初からハッキリと断れる方は、この先を読む必要はないかもしれませんが、自信がないという人は、参考にしてみてください。

■ その1:「No!」の意思表示はキッパリハッキリと!

これは言うまでもなく基本中の基本ですが、「Noと言えない日本人」と言われるように、なかなか初対面の人に強く「No!」と言えない人は多いもの。特に海外にいると、言葉がわからない不安や後ろめたさから、つい曖昧な返事をしてしまうこともあります。

そんなときは、自分がその土地では外国人であることを最大限に利用するのが手っ取り早いので、現地の言葉がわかったとしてもまったくわからない振りをしてみるのも作戦のひとつ。それによって、相手も諦める可能性は高くなるはずです。

とにかく「自分の身を守れるのは自分しかいないんだ」ということを肝に銘じて、怪しい雰囲気を感じたら、きちんと断ることですが、それができなければ、相手を無視してでもいいので、早めにその場から立ち去るようにしてください。

■ その2:断り方をイメトレしておく!

私が突如レッスンを中断したあと、おじさんは何事もなかったように「もし、興味があったらまたレッスンするから、連絡先を教えて」と言って、いろいろな人の連絡先が書いてあるような薄汚れたノートを差し出してきました。さも「みんなも書いているから安心でしょ?」と言わんばかりのドヤ顔でしたが、護身術のレッスンと称して女性に触れること、そして連絡先を聞き出すことこそがおじさんの目的だったのです。

もし、連絡先を聞かれて困ることがあったとしたら、観光客であれば現地の携帯を持っていない場合がほとんどなので、「携帯は持っていません!」という言い訳でもとりあえず押し切れると思いますが、私のように「興味があればこちらから連絡しますから、あなたの連絡先を教えてください」と返すのも効果的。当然のことながら、別れてすぐにゴミ箱へと投げ込みましたが……(笑)。

■ その3:周囲の状況に惑わされない!

今回、私がおじさんと出会ったとき、まだ明るい時間であったこと、さらに親子連れなどの人が周囲にいたこと、この2つが私の警戒心を上げるまでに時間がかかった要因でもありました。もちろん、夜の公園のほうが危険度は格段に上がりますが、明るい時間帯だから安全とは限りません。

現に私がスマホをひったくられたときも(vol.1)、スリに遭ったときも(vol.7)、まだ日が昇っている時間で周りに人もたくさんいました。つまり、犯罪者たちはどんなときでも隙さえあれば狙ってくるものなのです。

そこで私が伝えたいのは、「周りに人がいる=誰かが助けてくれる=安全」という考えを捨てること。実際、私がATMで襲われた(vol.6)ときはロンドンの中心地で、背後には何百もの人が歩いていましたが、助けてくれる人は誰もいませんでした。とはいえ、もし大声で「助けて!」と言えば手を差し伸べてくれた人もいたかもしれませんが、とっさに声が出ないことはよくあります。

いま振り返ってみて思うのは、おじさんと私は知り合いなんだろうと周囲に認識されていた可能性が高いので、もしおじさんが私の意識を失わせて連れ去ったとしても、誰も助けてはくれなかったかもしれません。

もちろん、これまでに見ず知らずの方々に助けてもらったこともたくさんありますが、他人任せにするのではなく、本当に助けが必要なときは、取り返しのつかないことになる前に、きちんと自分で声に出して助けを求めるようにしましょう。

海外旅行中は異国で非日常の空間にいるがゆえに、通常よりも判断基準にズレが生じることはよくあります。いざというときにオドオドすることなく対応するためにも、断る理由をあらかじめ考えておくのはオススメです。とはいえ、いきなり護身術に誘われることはそうそうないと思いますが、いろいろな場面をイメージしてみてはいかがでしょうか?


■ 旅を楽しめるのは安全があってこそ!

知らない人に絡まれた場合、1番怖いのは相手が凶器を隠し持っていたり、暴力を振るったりしてくることなので、断るにしても、あまり相手を刺激したり、怒らせたりすることのないように気をつけてください。もちろん、旅先ではステキな出会いもあるので、その境界線をきちんと見極めつつ、最優先事項は自分の身の安全を守ること。そのうえで、思い出作りを楽しみましょう! 


©innovatedcaptures/Gettyimages

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