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アカデミー賞を意識せず!? 独自路線の「おすBアワード」、受賞作は?

ananweb / 2020年2月12日 20時30分

アカデミー賞を意識せず!? 独自路線の「おすBアワード」、受賞作は?

映画評論ユニット「お杉とB子」が今年も発表! 『おすBアワード2020<戦う男と闘う女>』です。
■ 令和初のおすBアワード! 傑作に祝福あれ!

お杉:アカデミー賞は発表されたけれど、今年もやります。独自路線のおすBアワード。私の作品賞は『パラサイト 半地下の家族』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の同時受賞よ。

B子:私は『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』よ。誰もが知る小説を巧みに脚色し、女性の自立と経済などの現代的なテーマも盛り込んだグレタ・ガーウィグには、私から監督賞も差し上げます。

お杉:女優陣もいいよね。グレタ作品に欠かせないシアーシャはもちろんのこと、今回の肝であるエイミー役のフローレンス・ピューといい、新たな切り口によって深みが増した。

B子:グレタのキャラクター解釈を女優たちがきちんと咀嚼してるのよ。『レディ・バード』でも感じたけど、少女のときめきと迷える女心は永遠だなと思わせてくれる監督よね。

お杉:ティモシー・シャラメがローリーっていうのは好みが分かれそうだけど、彼もまたグレタ組ですから。その空気感を楽しんで。

B子:FOXニュースのCEOロジャー・エイルズのセクハラと闘った女性を描く『スキャンダル』も女優陣の快演が必見だよね。

お杉:シャーリーズ演じるメーガン・ケリーがTV局内を案内するエネルギッシュなオープニングからわくわくしちゃう。ニコール・キッドマンとともに、美人女優が特殊メイクで激突。そこに売れっ子マーゴット・ロビーが加わるという豪華さ。

B子:#MeTooムーブメントのきっかけにもなった事件で、セクハラCEOに闘いを挑んだニュースキャスター、グレッチェン・カールソンは本当に立派だもの。女性観客はきっと心の中で快哉を叫ぶはず。

お杉:『ジュディ 虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガーのそっくりぶりも感動的。『ストーリー・オブ~』同様、時間軸を自在に操る構成で晩年のジュディ・ガーランドの孤独を浮かび上がらせ、それをさらにレネーの素晴らしい歌声が盛り上げるの。

B子:アルコールと薬物でボロボロになった姿もちゃんと描き、決して美談にまとめない。感動するシーンが多く、何度も涙をこぼしたわ。

お杉:特にクライマックス! 泣くよね~。音楽好きには、たまらない感動が待ってるの。推しのアーティストがいる人には、ファンの存在がいかに彼らを支えるかということも描かれているのがうれしいはず。

B子:ジュディの回想で明らかになる彼女と映画会社の関係は怖かった。人生を会社に牛耳られ、恋も許されないわ、ダイエットを強いられるわ。男社会で闘うという点は、『スキャンダル』にも通じるかも。

お杉:一方、戦う男たちを描いたのがサム・メンデス監督の『1917命をかけた伝令』。第一次世界大戦中、伝令を任された2人の英軍兵士をワンカットでとらえたのが売り。

B子:ワンカットで撮ることになんの意味があるのか、よくわかんない。

お杉:あら、おかげで彼らと一緒に行動してるような感覚を味わえる。序盤は二人がずっと喋りながら歩いてるから、新手の会話劇が始まるのかと心配になったけどね。でも、すぐにリアルな戦場に放り込まれたわ。

B子:極限下で彼らが発揮する人間性に感動したわ。すごい結果になるけど、それが戦争の残酷さね。

お杉:戦争映画といえば、イケメン俳優も大きな魅力よ。主人公2人もさることながら、道中で出会う将校たちがまじかっこいい。ベネディクト・カンバーバッチといい、マーク・ストロングといい、声も素敵な名優たちが脇を固めます。なんて贅沢なの!

B子:『PMC:ザ・バンカー』も贅沢よ。韓国映画だけど欧米のスターも多数出演。話のスケールがでかくて、気分はハリウッド映画!

お杉:そう、凄腕の傭兵エイハブ役のハ・ジョンウが英語で演技してる。ハリウッド映画だと言われたら、私は信じるよ。しかも、北朝鮮のエリート医師ユン役で登場するのが、『パラサイト~』のパク社長ことイ・ソンギュン。いやあ、韓国のいい男激突がたまらん。

B子:DMZ(軍事境界線)の地下に巨大トンネルがあり、そこで亡命希望の北朝鮮政治家を保護するはずが…というアイデアはジョンウが『テロ,ライブ』撮影中に監督に提案し、二人で練り上げたんですって。

お杉:納得! 監視カメラや携帯を使った位置情報で緊張感を煽るアイデアは、あの作品に通じるね。

B子:友情のたまものなのね。韓国映画界って新しい才能をお互いに支え合ってる気がする。

お杉:ハ・ジョンウ、韓国映画の父になっちゃう!? その前にエイハブとユン医師の共闘に萌えてね。


『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』 ルイザ・M・オルコットの名作小説を、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグが脚色&監督。末っ子役のフローレンス・ピューがアカデミー賞助演女優賞候補に! 出演/シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソンほか 3月27日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。

『スキャンダル』 アメリカTV界で起きたセクハラ騒動を描く実話もの。架空キャラを演じたマーゴット・ロビーがアカデミー賞助演女優賞候補に! 監督/ジェイ・ローチ 出演/シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマンほか 2月21日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。©Lions Gate Entertainment Inc.

『ジュディ 虹の彼方に』 ハリウッドのスター街道を駆け上ったジュディ・ガーランドの晩年を描く実話。ジュディの歌声を完コピしたレネーの歌唱力と緻密な演技プランが圧倒的。監督/ルパート・グールド 出演/レネー・ゼルウィガーほか 3月6日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。© Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

『1917 命をかけた伝令』 ドイツ軍の罠が待ち受ける最前線へ作戦中止の命令を伝えるため、2人の若き兵士が戦場を駆け抜ける! 監督/サム・メンデス 出演/ジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ=チャップマンほか 2月14日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。© 2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

『PMC:ザ・バンカー』 作戦成功率100%を誇る傭兵エイハブが引き受けたCIAの極秘ミッションが急展開する状況をスリリングに描く政治サスペンス!? 監督・脚本/キム・ビョンウ 出演/ハ・ジョンウ、イ・ソンギュンほか 2月28日よりシネマート新宿ほか全国順次公開。© 2018 CJ ENM CORPORATION, PERFECT STORM FILM ALL RIGHTS RESERVED

お杉とB子 話題のホラー『ミッドサマー』(2月21日公開)でも注目のフローレンス・ピュー。将来、キム・キャトラル路線に行きそうな予感がするのは私だけ?(お杉)賞レースの楽しみは評価だけでなく華やかなレッドカーペットも! 今期はグリーンがトレンドだけど、METガラ的な奇抜な装いがあってもよかったな。(B子)

※『anan』2020年2月19日号より。

(by anan編集部)

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