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ガラス細工のような和菓子にうっとり…日本酒にも合う逸品とは?

ananweb / 2020年3月18日 18時30分

ガラス細工のような和菓子にうっとり…日本酒にも合う逸品とは?

スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『乃し梅本舗 佐藤屋』の空ノムコウです。


夜明け前か宵の口か。クリアな錦玉(寒天菓子)に浮かぶ青のグラデーションは、薄明の空を四角く切り取ったみたいだ。世にも美しいお菓子は『乃し梅本舗 佐藤屋』8代目・佐藤慎太郎さんの発明。片手に紫、もう一方に青の寒天を入れた器具を持ち、固まりかけたクリアな寒天にまだらに流して描く姿はアーティストのよう。そこから切り出すから、よく見ると一棹一棹空模様が違ってくるのも楽しい。内から輝くようなテクスチャーは、「冷ましながら固まる限界まで、ホイッパーで気泡を抱かせて表現します」。通常、錦玉は気泡をできる限り入れないように仕上げるのがセオリー。人がやらないことを逆手にとって、ガラス細工のように細かい泡がキラキラと反射する、新しい表現をしてみせた。一片の空を口に運ぶと、広がるのは生姜糖を思わせる懐かしくシンプルな味わい。見た目は新しくも味はしっかり伝統的に、そんな和菓子としてのバランスもなんだか落ち着く。「伝統を敬うこと、守ることはもちろん大切。でも食べる方も私も今を生きているのだから変化していくこともまた大切です」。商品名は空や宇宙を表しつつ、あの曲へのオマージュの意も。「あの頃の未来」の和菓子はこんなに美しく、私たちの心を揺さぶってくる。

空にも宇宙や深海のようにも見える「空ノムコウ」¥1,200(一棹約15cm)。生姜糖を思わせる味わいは日本茶はもちろん、紅茶や日本酒とのペアリングもおすすめ。

乃し梅本舗 佐藤屋 山形県山形市十日町3-10-36 TEL:023・622・3108 8:30~18:00 無休 HPのメールフォーム、TEL、FAX(023・642・4804)で取り寄せ可。

※『anan』2020年3月25日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico

(by anan編集部)

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