感染拡大の東南アジア…現地の日本人女性たちの過ごし方
ananweb / 2020年4月24日 20時20分
新型コロナウイルスの蔓延は今や世界中で広がっています。日本ではあまり報道されていませんが、東南アジア諸国でも感染は広がり、さまざまな対策が取られています。現地で暮らす日本人女性にインタビューしました。
文・小田原みみ
新型コロナウイルスは東南アジア諸国でも広がっています。今回は、マレーシアとフィリピンで生活するふたりの日本人女性に現在の生活について聞きました。
■ マレーシアの場合
マレーシアの首都クアラルンプールで生活するIさんは、現在、夫と子どもの3人で暮らしています。
-新型コロナウイルスが流行して、生活が変わりましたか?
活動制限令(movement control order)が出て、自宅に引きこもりの生活になりました。
-マレーシアはどのような感染対策が取られていますか?
大規模な集団感染で患者数が急増し、その2日後に活動制限令が発令されました。とにかく感染拡大を一刻も早く止めようというマレーシア政府の意気込みはすごく、第一段階としてすぐに、ある程度の活動制限のルールが決められました。生活はどうなるのだろうと不安でしたが、食料など生活に必要なものは変わらず購入できると強く伝えてくれたので、パニックは最初だけで最小限で済みました。
-具体的にはどのようなことが制限されているんですか?
一番はやっぱり、買い物についての制限です。食料と医薬品のみ可能で、一家族一人のみが購入できることになっています。また、自宅から10km以内の店舗限定で、マスク着用は必須、時間は午前8時から午後8時まで、というようにかなり細かいです。
-移動可能距離まで決められているんですね
そうなんです。なので、すっかり引きこもり生活ですが、おかげで家族と向き合う時間ができ、子どもとも遊ぶ時間が増えました。でも、もう2年半住んでいるとはいえやっぱり海外。心細く感じることも多く、頑張りすぎると疲れるのでデリバリーを利用することが増えました。
-気をつけていることはありますか?
夫が在宅勤務になり、WEBや電話での会議が多いので、子どもが騒がないように気を遣います。マレーシアでは、スーパーの購入品やデリバリーしたものから感染した事例があるらしいので、商品全てをできるだけ消毒しています。
-早く日常生活が戻ってほしいですね。お話ありがとうございました。
■ フィリピンの場合
フィリピンの首都マニラで通訳として活躍するEさんにフィリピンでの様子を聞きました。
-フィリピンではどのような新型コロナウイルス対策をしていますか?
早くから議院や閣僚に危機感があり、あっという間にロックダウンが決まりました。ロックダウンするとさまざまな問題が起こってきましたが、それに対しては国の対策本部が柔軟に対応し、必要に応じて緩和されています。
例えば、当初外国人の出国は72時間以内までと決められたのですが、そのため空港が大混雑し、また、多くの外国人が国内に取り残されることからも、その規制は緩和され、外国人で出国したい人は封鎖期間中もいつでも出国できるように変更になりました。
-新型コロナウイルスが流行して、生活が変わりましたか?
仕事がほとんど無くなってしまい、ずっと家で過ごすようになりました。オンラインで毎週定例会議をされるお客さまがいるので、今のところ仕事は週に1度だけです。
現在、食品はオンラインで購入しています。ただ、通常なら翌日届くところが、5~7日後ということもあります。毎日オンラインで購入できそうなものをチェックして発注し、配達があれば受け取って、料理を作りながら冷凍できるものはどんどん冷凍するのが日課になっています。営業している店舗やデリバリーの情報、政策変更のお知らせなどをフェイスブックなどで友達と情報交換をするのも日課になりました。
-ロックダウン中の首都の様子はいかがですか?
生活必需品の店は開いていますが入店規制があり、また店の外で人と人との距離を保って並ばなければならず、2~3時間待つのが普通だと言われています。その間に感染するのも怖いので、私は3週間以上外に買い物に行っていません。
また、フィリピンにはその日暮らしをしている人たちが多いのですが、彼らは政府からの配給を待つしかない状況です。病院は、通常の診療はほとんど行われていないので、救急で受診するか、かかりつけの医師に電話で連絡をしてからでないと診察を受けられません。救急でも10時間以上待つことも少なくないそうです。こうなると簡単に病院にはいけないので、封鎖期間中にけがや急病にならないように祈るしかないです。
封鎖から1か月が過ぎて、やっと感染者数の伸びが小さくなり、効果が少しずつ見えてきました。
-大変なご状況のなか、お話をありがとうございました!
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