コロナでも話題だけど…そもそも“WHO”って何?
ananweb / 2020年5月1日 19時30分
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「WHO」です。
■ 世界的な協力がなければ、健康と平和は保たれない。
WHO(World Health Organization)は、日本語で「世界保健機関」。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)や、IMF(国際通貨基金)と同じ、国連の専門機関の一つで、保健衛生分野を受け持っています。WHOの歴史は、1946年にニューヨークで開かれた国際保健会議にて、「世界保健機関憲章」が採択されて1948年からスタートしました。世界保健機関憲章には、「健康とは、病気ではないだけでなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」で、「最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつ」。世界中すべての人々が健康であるためには、「個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっている」と書かれています。
現在、WHOの加盟国は194か国。本部はスイスのジュネーブにあり、日本は1951年に正式加盟をしました。
WHOの主な役割は、「流行病の制圧」や「疾病の認定や分類」のほかに、医薬品をはじめ保健に関わる分野の国際的な基準を決めることです。どこかの国で新型の疾病が発生していると聞きつけると、WHOの職員が現地に入り、徹底的な調査をし、処置および対応をしていきます。各国で研究のバラつきがある医学情報は整理し、医療の弱っている国や地域に対しては支援や指導も行って、対策も講じています。
WHOのこれまでの大きな功績といえば、天然痘を撲滅したことです。1958年に天然痘根絶計画を掲げ、徹底的な調査、治療、ワクチン開発を行い、封じ込め作戦により1977年には世界中から消え去り、1980年に根絶宣言をしました。
いま世界的な混乱をきたしている、新型コロナウイルス感染症について、WHOは1月末に緊急事態宣言をし、3月中旬にパンデミックとみなすと発表しました。WHOがイニシアティブをとって、現状調査、対応、認定、支援を行うことで、そこで集めた情報がワクチンの開発に生かされています。国を超えて、人とモノの移動が激しくなっている現代だからこそ、深刻な事態に陥っており、国際協調が必須になっているんですね。
堀 潤 ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。
※『anan』2020年4月29日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
-
2「運転する夫に『間違えてばっかり!』と怒鳴ったら、路肩に急停止。怖くて大ゲンカしましたが、私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「お前が運転しろ」「料理してる時に言われたらどうする」の声も
くるまのニュース / 2024年11月26日 12時10分
-
3「空中ドローン空母」をウクライナ軍が公開 自爆ドローンを複数搭載可能 創作物の話が現実に?
乗りものニュース / 2024年11月26日 11時42分
-
4「50代でモテている男性」3つの特徴。見た目が渋くてカッコいい「イケオジ」じゃなくてOK
日刊SPA! / 2024年11月26日 15時52分
-
5とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください