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日本人の8割が「ビタミンD不足」 花粉症など慢性疾患の一因にも

ananweb / 2020年4月26日 20時10分

日本人の8割が「ビタミンD不足」 花粉症など慢性疾患の一因にも

ビタミンCやAに比べて、あまり耳なじみのないビタミンD。ここ最近の研究では、花粉症をはじめ、アレルギーや高血圧、がん発症にもビタミンD欠乏が関わっているという可能性も! 要注目のビタミンDの役割と摂取法を紹介します。
■ 花粉症やアレルギーを抑え、そして免疫力をも上げる。


「アレルギー疾患に効く」「細菌やウイルスを抑制し、免疫力向上に役立つ」と噂のビタミンD。日本人の8割が充足しておらず、国民的なビタミンD欠乏にいち早く警鐘を鳴らし、それが慢性疾患の一因と考えるのは、日本機能性医学研究所所長の斎藤糧三先生。

「ビタミンDは骨に関わる栄養素として知られています。しかし、ここ10年で、体内のさまざまな細胞に作用し調整する、ホルモンのような存在と判明。血圧の調整やアレルギー疾患にも効果があるとわかりました。欧米ではいち早くサプリの摂取も推奨され、今、最も注目すべき免疫力向上に関わる栄養素といえるでしょう」

でも、このビタミンDが日本人には不足しているという。

「ビタミンDは紫外線を浴びることで作られます。でも、若い女性は日焼け止めを塗り、日光は今や嫌われもの。皮膚で生成できない今、厚生労働省が定めたビタミンDの食事摂取基準は1日8.5マイクログラムですが、私の推奨は50マイクログラムです」 悩ましい症状を改善し、免疫力を上げるビタミンD。驚異の働きと効率よく摂取する方法を紹介!

■ 骨のためだけじゃない! ビタミンDの効果。

「ビタミンDはカルシウムの吸収率をアップするという役割で知られていました。しかし、近年、花粉症をはじめとするアレルギー疾患や自己免疫疾患への効果、サプリメントの摂取ががんの予防に作用するという研究が次々になされ、にわかに注目を浴びています」

さらに風邪やインフルエンザを予防する免疫力のアップや体内の脂肪量を減らすなどの研究結果も。

「ビタミンDは従来の治療法で改善されなかった疾患への新たな可能性を秘めた栄養素なんです」

■ ビタミンDは免疫力全般への関わり大!

「人の体の中では抗菌ペプチドという天然の抗生物質が作られているのですが、その分泌を調整しているのがビタミンDです。これが抗ウイルス薬として、菌やウイルスが気道の粘膜などに感染するのを防いでくれる。つまり免疫力を高めてくれるんです」

新型コロナウイルスによる肺炎が蔓延する今は、自分自身の体を守るため、免疫力アップを第一に健康を考えたいところ。

「ビタミンDの血中濃度が高い人は、低い人に比べ、大腸がんや乳がん、その他がん全般の発症率が30~50%少ないという報告があります。また、ビタミンD摂取でがんの再発が予防できることもわかってきました」

感染症やがん以外にも、うつ病や喘息にも効果が見られるビタミンD。年齢にかかわらず、摂取が必要な栄養素といえる。

■ 日本人の体内ビタミンD濃度は圧倒的に低い!

現代日本人の過半数はビタミンD欠乏という衝撃の事実!

「ビタミンDは内で合成できる栄養素であり、紫外線を浴びることによって、皮膚でコレステロールから作られるので“日光ホルモン”という別名もあります」

それがシミを嫌う日本人の特性から、日焼け止めを塗り、日差しを避け、ビタミンD不足に陥る。

「ビタミンDを含む食品は魚類やキノコ類といった限られた食品なので、偏った食生活なども欠乏しやすい一因に」

斎藤糧三先生 日本機能性医学研究所所長。産婦人科医を経て、2019年アンチエイジング再生医療クリニック「RECLINIC」開設。著書『サーファーに花粉症はいない』(小学館)など。

※『anan』2020年4月29日号より。イラスト・鈴木衣津子 取材、文・今井 恵

(by anan編集部)

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