伊原六花の『ウエスト・サイド・ストーリー』マリアは変幻自在?
ananweb / 2020年4月28日 19時0分
歴史的名作『ウエスト・サイド・ストーリー』でヒロイン、マリア役を演じる伊原六花さんに、作品に対する思いを伺いました。
■ 作品の時代背景を伺って、マリアの愛の深さが理解できました。
バブリーダンスからもうすぐ3年。昨年は主演映画のほか、朝ドラ『なつぞら』にも出演するなど活躍の幅を広げる伊原六花さん。実は幼い頃から、バレエはもちろん映画や舞台が好きで、ミュージカルスクールに通っていたことも。
「子供の頃から本が好きで、友達に誘われてミュージカルを観た時、絵本の世界が目の前に広がっていることに感激したんです。もともと目立つのが好きだったというのもあって、自分も登場人物になってみたいって思って始めたんです」
そんな伊原さんが、ついに本格的にミュージカルの舞台に立つ。しかも作品は、歴史的名作ともいえるブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』のヒロイン、マリア役。「映画は何回も観ましたし、中学の時には劇団四季さんの舞台も観に行ったくらい、すごく好きな作品だった」そう。
「最初に観た時は、セリフのないダンスだけのプロローグがなんだかわからなくて…。でも、観ているうちに、2つのチームが対立するところを描いたシーンだとわかって、引き込まれたんです。年を重ねてからは作品の根底にある深いテーマも見えてきて…そこにハマりました」
舞台は1950年代のNY。ポーランド系移民のトニーとプエルトリコ系移民のマリアが恋に落ちるが、移民同士の抗争に巻き込まれていく悲恋物語。いまマリアとして作品と向き合う日々をおくる伊原さん。
「観客として観ていた時は、マリアって家族に大事にされて育ったピュアで愛情深い女性だという印象でした。そこはいまも変わらないけれど、演出家の方から作品の時代背景とか、人種によっての文化や考え方の違いなどについても教わったんです。マリアは先入観で人を判断したり嫌ったりするんじゃなく、自分の目で確かめたものを信じる女性。その強さや愛情深さを理解して演じてみると、トニーがお兄さんを殺してしまっても、彼女の愛が変わらないのがなぜかわかる気がします。起きた事実は事実として受け止めながらも、未来の子が自分たちみたいな思いをしないためにどうするか、未来につなげていく方法を考えるような人。私は人の意見に左右されがちなので、自分を貫く彼女に憧れます」
今回、トニーは浦井健治さんと柿澤勇人さん、マリアは伊原さんと桜井玲香さんとのWキャストになる。
「私たちの前に、いろんな方が演じたマリアを拝見しているんですが、見え方も違うし、人によって響いてくる箇所も違うんです。同じ作品でもこんなに違うんだと思ったら、私が好きなマリアを演じればいいんだって思えたんです。ふたりのトニーもタイプが真逆で、ハッピー感に溢れた浦井さんといると、諭すようなマリアになりますけれど、もう少し冷静な柿澤さんとは自然に寄り添う感じになる。いまはその違いを楽しめるようになりました」
大好きな作品だからこそ、そこに向かう思いは深く強い。
「観る方に、深いテーマができるだけ伝わればいいなと思っています」
ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3 偶然の出会いで一瞬で恋に落ちたトニー(浦井健治/柿澤勇人)とマリア(桜井玲香/伊原六花)。しかしその恋は、以前から対立を繰り返していた彼らの周囲を巻き込み悲劇を生んでいく。豊洲・IHIステージアラウンド東京 出演/浦井健治/柿澤勇人、桜井玲香/伊原六花、ソニン/夢咲ねね、加藤和樹/木村達成、Oguri/有澤樟太郎(それぞれWキャスト)ほか 全席指定1万5000円ほか(税込み) ステージアラウンド専用ダイヤル TEL:0570・084・617(10:00~18:00)
いはら・りっか 1999年6月2日生まれ。大阪府出身。大阪府立登美丘高校ダンス部キャプテンとして注目を集め、2018年にドラマ『チア☆ダン』で女優デビューを果たす。
※『anan』2020年4月29日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)
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