おりもののニオイ、気にならない?…体の嫌な臭いを防ぐ「最強フード」 #60
ananweb / 2020年6月4日 20時20分
最近、おりものが気になりませんか? 量が増えたり、においがキツいと感じたり。それらは生理周期に影響されることが多いですが、食習慣が一因になっていることも。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、おりものの臭いを防ぐ食べ物をご紹介します!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 60
■ 最近、おりもの気になりませんか?
あまり人には相談できないことですが、女性は急におりものが増えたり、ニオイが強くなったりすることがありますよね。突然のことで、何かの病気なのでは? と悩んでしまうこともあるかもしれません。
ただ、そのすべてが病気というわけではありません。生理周期によってもおりものの質や量は変化しますし、食事や生活習慣、気温などによっても変化することがあります。ショーツを汚したり、ニオイが気になったりと少し迷惑な存在と思われがちではありますが、単なる邪魔者ではなく、細菌から体を守ってくれたり、妊娠のサポートに働いたりと大事な役目があります。
なので、少なすぎることはよくありませんし、雑菌が増えたり体が冷えて量が多すぎてもよくないのです。そこで、ジメジメとした季節に突入した今週は、おりもののジメジメした悩みを解消する食薬習慣を紹介していきます。
■ 自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
■ 今週は、おりものが気になる人のための食薬習慣
雨の日が少しずつ増え、もうすぐアジサイやホタルが見頃の季節になります。雨の合間に虹が見えることもあり、梅雨も悪いことばかりではないですよね。しかし、湿気が多い時期には洋服が生乾きのまま異臭を放つことがあるなど、少しニオイに敏感になる時期でもあると思います。
そのせいか、他人に気がつかれているかもしれないと感じるようなおりもののニオイが過剰に気になることもあるかもしれません。基本的には、生理直後はおりものが少なく、排卵にむけてサラサラとしたおりものが増えていきます。そして、排卵の時期に卵白のように伸びるおりものが増えます。この時期がおりものが最も多くなる時です。
その後、生理に近づくにつれ白濁したネバっとした量の少ないおりものに変わっていきます。なので、おりものが多いなと感じても実は排卵の時期で、普通のことだったということもあります。
しかし、この周期とは違ったおりものの状態は病気の場合もあるので、気になるときには、早めに婦人科を受診しましょうね。そして、漢方では、水っぽいおりもののときには、体が冷えている「陽虚」と考えます。そして、ニオイが強く黄色っぽいおりものがでるときを「湿熱」が体にたまっていると考えます。
今の季節を考えると気温的に過ごしやすい環境なので、「湿熱」を取り除く食薬習慣を紹介したいと思います。今週は、「湿熱」を作るので控えるとよい食べ物が『パン・麺』、その代わりに食べるとよい食材は「お米」です。
■ 今週控えると良い主食:パン・麺/今週食べるとよい主食:お米
実は、健康的な食事を取りたい時には、主食を変えるのが一番手っ取り早い方法です。想像してみてください。パンや麺をメインにした時に、他に何を食べますか? パンだとしたら、パンに何か軽く挟み、コーンスープやウインナーを食べるかもしれませんね。麺類ならそれだけで終わるかもしれません。
しかし、お米の場合には、お味噌汁にお魚か肉に何か小鉢があることが多いかもしれませんね。こう考えると、断然お米を主食にした場合が、栄養バランスの良い食事を取ることができます。おりものの不調だけではなく、何か調子悪いなと感じたときには、主食をお米と決めてみることをおすすめします。
■ 控えるとよい主食:パン・麺
パン、麺は『湿熱』を増やす食材です。パンや麺には、グルテンという物質が含まれており、このグルテンが腸の粘膜に炎症を起こしたり、さらに食欲を増進させ中毒性をもたらしたりします。一度パン食を中心にすると、なかなかやめられなくなるのはこのせいかもしれませんね。
■ 食べるとよい主食:お米
お米というとここ数年、低糖質ダイエットが流行った影響なのかお米を食べない人が増えていますよね。しかし、パンと比較すると気になる血糖値の上昇は緩やかだという報告があります。さらに、お米には必須アミノ酸が含まれており、玄米にするとさらにミネラルなどが豊富で栄養的にも優秀なのです。
栄養バランスも無意識に整いやすく、ニオイの強いおりものの原因となる「湿熱」を作る機会を減らしてくれるお米を今週は主食にしてみませんか? そして、もし続けられるようだったら、そのまま和食メインにしてみるとさまざまな不調にもよい働きをしてくれるはずです。ぜひお試しください。
■ information
大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。
著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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