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地方創生のチャンス? 「新しい生活様式」で社会はどう変わるのか

ananweb / 2020年6月19日 19時30分

地方創生のチャンス? 「新しい生活様式」で社会はどう変わるのか

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新しい生活様式」です。
■ withコロナの生活。新しい未来を築くチャンス。


日本政府は5月25日に、緊急事態宣言を全国で解除しました。しかし、新型コロナウイルスの感染リスクがなくなったわけではありません。専門家会議の提言を踏まえて厚生労働省が掲げた「新しい生活様式」が、引き続き推奨されることになります。具体的には、人との距離をできるだけ2m(最低1m)空けること、マスクの着用、手洗い。感染の多い地域からの移動を避けること。レストランでは対面に座らず、料理のシェアはしない。仕事はテレワークに移行…などです。これからは暮らしも働き方も事業のあり方も大きく変化していくことになるでしょう。

まず飲食店は、店内の密接度を減らさなければなりません。自粛期間中、多くの店がテイクアウトを始めました。今後も宅配がメインになったり、キッチンのみで飲食スペースを持たない店も増えていきそうです。

人々の移動は世界的に制限され、観光業は大打撃を受けています。タイ国際航空など経営破綻した会社も出てきました。日本はこれまでインバウンド需要拡大に力をいれていましたが、国内旅行に焦点を当てるようになるでしょう。海外セレブ向けの高級ホテルを展開していた星野リゾートも、ワクチンができるまでの1年~1年半は、通常モードには戻らないことを想定し、近場の旅に対応する方針を掲げました。

働き方では、都内で62.7%の企業がテレワーク・在宅勤務に対応できるようになりました。高い家賃の都心のオフィスは不要と、郊外または地方に拠点を置く企業も出始めています。

感染を防ぐためには、人の移動を抑えることが必須で、物流も制限されています。これまでは東京一極集中で、仕事も消費も行われてきました。これからは地元で作ったものを地元で消費する、地産地消が推進されますし、地方移住者が増えれば、なかなか実現できなかった地方創生も現実味を帯びてきそうです。毎日の通勤ラッシュと決別し、家族と過ごす時間を持てるワークライフバランスがとれるようになるでしょう。まだ手探り状態ですが、ここでいち早く新しい未来を描いた人の社会になっていく、そういう岐路に私たちは立っているのだと思います。

堀 潤 ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。

※『anan』2020年6月24日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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