ロックダウンの国から国へ…コロナ禍の移動で起きた「まさかの出来事」
ananweb / 2020年6月17日 19時10分
ベルリンに住むファッションジャーナリスト平野秀美さんが、ロックダウン中にロンドンからベルリンに帰宅した、貴重な体験の現地レポートです。
■ 2020年5月末に、ロンドンからベルリンへ。
私は現在ドイツのベルリンに住んでいますが、家族に会いにロンドンを訪れた後にロックダウンとなり、そのまま3月からロンドン生活を体験することになりました。ビザの関係で3か月以内にベルリンに戻る必要があったため、5月末にロンドンからベルリンに戻りました。その際の移動レポートです。
■ ロンドンの中心地・リバプールストリート駅付近もガラガラのロックダウン期間
ロンドンには約3か月程滞在していましたが、本当にこの3か月間は人がほとんどいないロンドンを体験しました。中心地を離れると、ロックダウン期間であっても食材などのお買い物はできたため、人気(ひとけ)はありました。しかしロンドン中心地ではお店も閉まり、住んでいる人もほとんどおらず、ゴーストタウン化していました。
実は3か月滞在の間、滞在していた家族のお家が引っ越しをしなければならず、ゾーン2というエリア(中心地から30分程離れた場所)から、中心地に引っ越してきました。
ロックダウン期間中でも一応引っ越しは許可されています。見学はNGなので、お家探しは完全インターネットで、大家やエージェンシーが写真と動画を送ってくれる流れでの契約でした。
また、この時期は中心地に住んでいた世界各国から来ていた学生や、仕事で訪れていた人たちが次々と帰国してしまったため、中心地の家賃が20%~30%程安くなっていました。
■ 駅前には、こんな注意書きが!
空港に行くためにリバプールストリート駅に行くと、駅前にはこんな注意書きがありました。本当にお出かけが必要か、移動する際の注意事項などが書かれています。
■ リバプールストリート駅は人が少ない
朝ということもありますが、やはり構内は人が少ないです。通常、普通に歩くことが難しいほど人がぎっしりいる駅です。信じられません。
電車も少なめにはなっていますが、空港までの電車は20分に1本の間隔でありました。通常とそれほど変わらない印象です。
■ ロンドンからベルリンへは、今回はスタンステッド空港から!
私がベルリンへ帰国する5月末頃は、ライアンエアー (Ryanair)が3日に1便のみとかなり少ない状態で、空港に到着するとやはり人は少なめ。それでも人は全くいないわけではない感じでした。
ロンドンからベルリンへ、ライアンエアーを使用する際は、今回に限らずビザチェックをする必要があります。今回は、普段のような簡単なチェックではなく「なぜベルリンに行くのか」などを詳しく聞かれました。
また、5月頭に飛行機のチケットを買う際は、購入前にVISAやIDの番号を入力する必要がありました。これは、今までに見られなかったことです。
当時の段階では、必要な移動のみが許可され、旅行や気軽な移動はできない状態でした。ドイツへの入国はドイツ人、またはEUでドイツに行かなければならない理由がある人、または仕事で入国する必要がある人、またはドイツに住んでいる人のみが入国許可されていたようです。
■ この用紙に滞在先などを記入する必要があります
私が利用したライアンエアーのみか、それとも全ての飛行機や入国する人が対象なのかは不明ではありますが、今まで記入したことのない、この用紙を必ず印刷し、記入する必要がありました。
メールで1日前に印刷するようにメッセージが来たのですが、私は飛行機に乗る直前に配ってくれていたものを使用しました。記入した用紙は、飛行機を降りる際に必要です。
また、写真に写っているビニールの手袋は、荷物検査前のチケットをスキャンする段階で、ひとりひとりに渡されました。手袋は、飛行機に乗る前から降りるまで使用するので、持っておくことが必要でした。
また、ロンドンのどこの空港も、荷物検査は本当に長蛇の列なのですが、この時は私しかいませんでした。本当にこんなことがあるなんて驚きしかないです。
■ 空港内を見渡しても人がいない、お店も閉まってる!
たまに人を見かける程度で、ほとんど人がいません。お店も開いていないのと、私が保有しているプライオリティーパス(Priority Pass)を使用できるラウンジ(Lounge)に行ってみましたが、もちろん閉まっておりました。当然ですよね。
■ どこからこんなに人が現れた!? ベルリン行きの飛行機はすごい人!
どこを見渡してもほとんど人がいなかったのですが、ゲートに向かうと、ベルリン行きのゲートの前には行列ができていました。
こちらの写真は飛行機に乗る手前の段階。けっこうな人数ですが、私はこれでも前のほうに並んでいました。
■ 飛行機内もけっこう埋まっている
ロンドンはまだまだロックダウン期間中だったため、できるだけ移動をしないよう注意をされていましたが、ビザの期限があるため、ベルリンに戻る必要があり、今回飛行機に乗ることにしました。機内はガラガラかと予想していましたが、まさかの半分以上が埋まっている状態に、みんなが驚いていました。
マスクは必須で手袋も機内に入っても必要でした。機内食販売などはなかったと思います(朝早くて機内では寝てしまって…)。
■ まず飛行機を降りると警察が待機
さて、今までにはない経験でしたが、飛行機を降りると、複数の警察官(polizeiと書いてあったので警察かと思われます)がパスポート、ID、重要な書類をしっかりとチェックしていきます。私の場合は、ビザを見せて問題なく通過です。
またバスに乗って入国審査のあるところまでいくとき、本来バスも満員になるまで乗せますが、今回は15人程乗って次のバスを待つという感じで、できるだけ密集しないように気を遣っていました。
が、降りたそこはもう密集地帯…。ロンドンで絶対2mの距離を取っていた生活から、突然数センチ間隔の列で待つことが、少し違和感を感じてしまいました。
■ 一応2m間隔でと記載はされているものの
狭い入国審査で2m間隔で並んでいたらどんだけ行列になってしまうか。そのため、みんな密集して並んでいました。入国はビザがある人やドイツ人、理由がある人はすんなりできますし、逆に当時は理由がない限りチケットを購入できないので、入国審査は比較的早く進んでいた印象でした。
■ その後のベルリン生活は、2週間はアイソレーション!
空港からは友人にお願いし、自宅まで送ってもらい、2週間の隔離期間には同居人に食材を買ってもらって生活をしていました。2週間後、外の世界に出てみると、そこはもう別世界!
ロンドンのロックダウン期間中のゴーストタウンとは打って変わり、ここベルリンは、全く何もなかったかのように、人々が普通に暮らしています。
ベルリンの中心に流れているカナルには、多くの人がボートに乗っています。2m以上の距離を離れてそれでいて楽しめるなんて、ちょうどいいアクティビティですよね!
■ 今後はどんな生活が待っている!?
ベルリンに戻ってきて3週間、ここは公共施設などはマスク必須ですが、それ以外では自由。ただし、クラブなどはまだオープンしておらず、バーも23時には締めなければならないという規制が引かれていますが、徐々に解除されていくと思われます。
また、ロンドンも6月15日から一部のショップがオープンし、大行列で並んでいる人たちをインターネットで見ました。アウトレットなども再開し、大勢の人が並んでいたようです。
まだまだコロナの影響は消えてはいませんが、徐々にもとの生活のように活気が戻りつつあります。とは言え、以前の生活とは違う点もあり、今後の生活は柔軟に対応する必要がありそうです。
また、今後も海外の生活レポートをお伝えいたします。
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