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「体作りは心作り」 アスリートの食を描く漫画『アスメシ』に注目

ananweb / 2020年7月27日 19時0分

「体作りは心作り」 アスリートの食を描く漫画『アスメシ』に注目

女子高生アスリート×料理ブロガーの物語を描いた漫画『アスメシ』。原作者の見原由真さんに、作品へ込めた思いを聞きました。
■ 女子高生アスリート×料理ブロガー、血の繋がらない最強の父娘。


スポーツマンガは多々あるが、本作のテーマはスポーツそのものではなく、アスリートのごはんのほう。

「女子カーリング日本代表で話題になった“もぐもぐタイム”や、サッカーの長友佑都選手には専属シェフがいることなどから、アスリートの食に注目してみたら面白いかも、とアイデアが浮かびました」

原作者の見原由真さんは、アスリートフードマイスターという資格を取得して本作に臨んでいる。

「血の繋がっていない父と娘という設定にしたのは、違う人生を送ってきたふたりが親子というスタートラインに立ったとき、どんな二人三脚をするのか私自身も見てみたいと思ったからです。食卓で毎日向かい合い、同じ食べ物を体に取り入れることで、だんだん本当の家族になるんじゃないかという期待もあります」

女子高生の保志まひろは、日本柔道界期待の新星。“かわいいのに強い”というギャップをフィーチャーされるのはやや不本意で、感情を素直に出すのが苦手だったりもする。そんな彼女の体作りをサポートするのが、亡き母の再婚相手で料理ブロガーの太一。アスリートの食事は制限が多そうでストイックなイメージがあるが、たとえば「アスパラガスとそら豆のポタージュ味噌汁」や「豆腐ベーグル」など普段の食事に取り入れたくなるようなメニューがたくさん登場するのも見どころだ。

「食事の内容は一般の人とそこまで違わないのですが、体作りがパフォーマンスに直結するのが特徴といえます。なのでストレスを緩和させたいときとか、スタミナが欲しいときなど、まひろの状態に合わせた食事を当てはめるようにしています」

作中の「今日の食事が明日からの自分を変える」という言葉は、「アスメシ」が単にアスリートのメシという意だけでなく、明日の自分を作るメシであることも示唆している。

「体作りは心作りでもあると常々思っているので、読んだ人が自分の体の声に耳を傾けるきっかけにもなったら嬉しいです」

そもそも見原さんはご自身でもマンガを描くのだが、前作の連載終了時に体調を崩してしまい、今回は原作に徹することに。日々の食事が体と心を作るというのは、自らの経験から得た切実な思いでもあるのだ。

「作画の小川さんが私の意図を丁寧に汲み取ってくれるので、今はよりキャラクターと向き合うことができています。物語の親として彼らの成長を見守りつつ、食事を通していろんなアスリートたちと繋がりを深めていく過程を描けたらいいですね」

原作・見原由真、作画・小川 錦『アスメシ』1 まひろの高校入学とともに始まった、義父・太一との暮らし。太一の作る日々の食事がまひろの強い体を作り、周囲との関係も広げていく。レシピも多数掲載! 講談社 640円 ©見原由真・小川錦/講談社

みはら・ゆうま マンガ家、原作者。本作は「コミックブル」「コミックDAYS」「マガポケ」の3つのマンガサイト・アプリで同時連載中。

※『anan』2020年7月29日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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