「疲れ目」は頭痛、肩こり、不眠の原因にも…中医学的“対策法”とは?
ananweb / 2020年8月4日 19時30分
憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「疲れ目」です。
長時間パソコン作業をしたあと、ひと休みしようと手に取るのがスマホ。そんなふうに、一日じゅう目を酷使している現代の私たちにとって、目のかすみや疲れ、乾きなどのトラブルは、つきものといえます。目の疲れからくる頭痛や肩こり、不眠などに悩む人も少なくありません。
中医学では、目をたくさん使うことは体を構成する「気血水(きけつすい)」のうちの「血」の消耗を招くと考えます。血は体に栄養を巡らせて潤し、また精神を安定させる働きもある大切な要素。足りなくなると皮膚や髪などの乾燥だけでなく、イライラなどメンタル面にも影響を及ぼします。さらに、目は五臓のうちの「肝(かん)」とつながっている器官。肝は、血を一時的に溜めて浄化すると同時に、血によって養われている場所でもあります。したがって、目の酷使によって血を消耗すると肝も弱り、それに関連したトラブルが起きやすくなる。お腹にガスが溜まる、生理前に胸が張る、などは代表的な肝の不調のサイン。目の疲れとともにこうしたトラブルがあるようなら、肝からのSOSと考えましょう。
■ 菊花茶とクコの実をデスクに常備して。
血の消耗を防ぎ、肝を養うためにも、目の疲れを感じたら放っておいてはいけません。少しでも目を休めるのが先決です。無意識にスマホを手にするクセのある人は、食事の間や夜のリラックス時には電源をオフにする、といったことから行動を。シンプルなことですが、画面を見る時間を減らすことが、何よりの目の養生になります。
そして、パソコン作業中の疲れ目におすすめなのが菊花茶とクコの実。どちらも目に栄養を巡らせて養う力があり、「飲む目薬」といわれる漢方薬、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にも使われています。菊花茶は、最近は通販などでも手に入るよう。飲みにくく感じたらウーロン茶などと混ぜてもいいでしょう。クコの実も、コンビニで売っているドライフルーツミックスに入っていたりと、身近になりつつある食材。デスクワーク中のおやつにいかがでしょう?
また、ホットタオルで目を温めたり、目頭にある「晴明(せいめい)」やこめかみの「太陽」というツボを刺激したりするのも、血を巡らせて目を休めるのに有効。日頃、気づかないうちに負担をかけているのが目です。こまめな養生を心がけてくださいね。
さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。
※『anan』2020年8月5日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子
(by anan編集部)
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