オリーブ油をアレに垂らすだけ!…今が温活の始め時「お腹を温める簡単習慣」 #74
ananweb / 2020年9月17日 19時40分
季節の移り変わりを感じられる9月。スーッと頬に当たる風は心地良いですが、これまでの暑さに慣れていたぶん、少し気温が下がるだけでも体がこたえ、便秘や風邪などの不調を起こす人も多いでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、今が始めどきの簡単温活習慣をお伝えします。冷え性の人も要チェックです!
文・大久保愛
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 74
■ そろそろ温活はじめませんか?
今週末には彼岸入りが始まり、秋分の日が来週22日、そして25日に明けます。だいたい、毎年お彼岸あたりから「涼しいな、寒いな」と感じる回数が増え、その年の夏とはお別れとなります。そして、涼しくなり始めというのは、本格的な寒さを感じる時期よりも体にこたえるものです。もともと冷え症の人は、そろそろ温活をはじめるタイミングとなりました。そこで、今週は温活の第一歩としての食薬(※)習慣を紹介していきます。
■ 今週は、温活の第一歩としての食薬習慣
肌寒い日もちらほら。でも室内では冷房をかけていたい暑さの日もあり、季節の変わり目であることを実感しますよね。室内では羽織ものをかけながら、冷房をかけ冷たい飲み物を飲んでと、ちょっとアンバランスなことになっている人もいるかもしれません。
ここ数週間は、気温の変化が大きくなることが予想されますので、温活をしていくことをおすすめします。空調や洋服の調整は難しいですが、飲み物は温かいものをとることなどを決めてみると簡単に温活をはじめることができます。
肌寒く感じていても、体の内側から冷やさずに温める行動をとっていたら、体を温めるエネルギーを作る代謝の働きは低下せずにすみます。体の内側から冷えている状態を、漢方では「脾腎陽虚」と呼びます。この状態だと、体が冷えているだけではなく、胃腸の働きが低下し、体が一度冷えると温まりづらくなります。そうならないためにお腹から温め、消化器系の働きをサポートする食薬をとりいれることをおすすめします。
そこで、今週はお腹から温める「脾腎陽虚」の対策となる食薬です。食べると良いのは、【オリーブオイルココア】です。
■ 今週食べるとよい食材・メニュー:オリーブオイルココア
実は、お腹から体を温めるために役立つのが、温かい飲み物にオリーブオイルを垂らした飲み物です。最も簡単な温活法なので、さっそく取り入れてみてくださいね。
■ オリーブオイル
温かいオリーブオイルは、保温性に優れるため、腸を温め、その機能を高めながら体を温めてくれます。直接オイルを加熱すると熱すぎて飲むことができないので、温かい飲みものにオリーブオイルを一回し垂らして飲むのがおすすめです。また、オメガ9脂肪酸を含み、胃もたれもしづらく、酸化しづらい油なので使いやすいです。
■ ココア
テオブロミンという成分を含み、血行を促進したり、リラックス作用もあるため、血行不良による冷えや気温差で自律神経が乱れたことによる冷えにも効果的です。さらに、抗菌作用、抗酸化作用もあり、食物繊維も多いため、便秘や季節の変わり目で風邪を引きやすい人にもおすすめです。ただ、ピュアココアを選び、甘味を付ける場合にはオリゴ糖で甘みをつけて飲むようにしましょう。砂糖を使うとせっかくの便秘解消の働きも軽減してしまいます。
涼しくなり、空気が乾燥すると抵抗力が下がり、風邪もひきやすくなります。体が冷えやすく、季節の変わり目に必ず風邪をひいてしまう人は、取り入れてみてくださいね。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
■ information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、近著に『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
最新刊『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
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