ハウスダストや花粉…アレルギー制御に有効な秋が旬の食べ物は?
ananweb / 2020年9月30日 18時30分
憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「アレルギー」です。
ようやく秋めいてきましたが、この夏も酷暑でしたね。照りつける太陽による肌トラブル、それも今年はストレスが関係してか、アレルギー性の湿疹やかゆみなどに悩む声を多く聞きました。今回は、アレルギーについての養生法をお届けしたいと思います。
アレルギーを引き起こすアレルゲンは、紫外線のほか、ハウスダストや花粉、最近では香料成分など多岐にわたります。中医学ではこれらはすべて、体に悪影響を及ぼす「邪気」のひとつ。邪気は常に外界に存在しますが、それらが体に入り込まないようにバリアの役割を担うのが「衛気(えき)」です。これは体表にある「気」の層で、地球に例えるならオゾン層のような存在です。
アレルギー反応が起きやすい人は、この衛気の働きが弱い可能性が大。汗が止まらない、エアコンの風が苦手というなら要注意です。衛気は毛穴を開け閉めして体を守っているので、衛気が弱いと毛穴が閉じず、いったん汗をかくと止まらないほか、わずかな風なども刺激になりやすいのです。
■ 脾(ひ)を養うのは温かい料理。定食スタイルがベスト!
邪気=アレルゲンから体を守るには衛気を厚くすることが第一。そのためには衛気が作られる場所、脾=胃腸を健やかに保つことが欠かせません。とりわけ、腸を元気にすることは必須です。西洋医学でも腸を整えることがアレルギー制御に有効であることが知られていますが、中医学でも、腸は必要なものを吸収して不要なものを排除する、体の要となるところ。気を十分に作り出すには、原料となる食べ物を選びつつ、それを胃腸に負担をかけない方法で食べることが大事です。
衛気を作り出す食べ物は、米やもち米、栗、さつまいもや山芋、かぼちゃなど。甘みがある、あるいはほくほくした食感の穀類や芋類は、おおむね気を補う効果があります。しいたけやしめじ、ひらたけなどのきのこ類もおすすめ。さばや鮭、かつおも優秀な補気食材です。これらを、温かく、さっぱりとした味付けの料理で摂るのがポイント。生ものは脾を弱らせてしまうので、刺し身や揚げものは控えたほうがいいでしょう。先に挙げた食材は、いずれもこれから旬を迎えるものばかり。例えば栗ご飯と焼き鮭に、きのこたっぷりのお味噌汁。秋らしい定食メニューで脾を健やかに保ち、体のバリア機能を高めましょう。
さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。
※『anan』2020年10月7日号より。イラスト・momokoharada 文・新田草子
(by anan編集部)
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