「食欲の秋」到来! 消化を促すウーロン茶や大根で対策を
ananweb / 2020年10月7日 19時30分
憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「胸焼け」です。
食べ物がおいしいこの時季こそ養生を。
今週から10月。食欲の秋が到来です。胃腸を表す「脾(ひ)」は、湿気を嫌うところ。湿度が高い夏は働きが低下しがちですが、空気が乾燥してくると元気になり、食欲も一気に増してきます。ついあれこれ食べたくなりますが、食べすぎは脾が弱る「脾虚(ひきょ)」の原因に。脾はエネルギーや栄養を生み出す「気血生化(きけつせいか)」を担う大切な場所。食べたくなる条件が揃うこの時季こそ、体に負担をかけない食事を見直してほしいと思います。脂っこいものや冷たいもの、味の濃いものや甘いもの。これらを避けて、温かい、さっぱりとした味わいの料理を増やしてくださいね。
消化を促す大根を、ほかほかの鍋料理で。
それでも、つい食べすぎてしまうこともあります。そんなときは、消化を促す「消食(しょうしょく)」効果のある食べ物や飲み物を。代表格はウーロン茶やプーアール茶。普段だと水分の摂りすぎになる可能性がありますが、乾燥し始める秋口なら大丈夫。温かいものを、食後に少しずつ飲むとよいでしょう。
また、大根、にんじんなどの根菜や、オレンジ、パイナップルなど水分の多い果物もいいですね。とくに大根は、頼れる消化促進食材。みぞれ鍋やおでんにするなど、調理法も工夫しながらたっぷり食べましょう。果物は脾を冷やす場合もあるので、できるだけ体温に近い温度で食べてくださいね。
多少食べすぎても、すぐに養生すれば脾は元気を取り戻しますが、暴飲暴食が続くと不調が慢性化してしまうことがあります。食後に胸焼けがするようなら要注意。食べ物を口から胃、腸へと下ろしていく力がなくなったという、胃からのSOSサインです。
心当たりのある人はまず、食欲がないのに食べていないか見直しを。お腹がすいたら食べるというシンプルな食べ方を心がけてください。また、食べすぎた翌朝は、サラダや、シリアルと牛乳などで済ませていませんか? 冷たいもの、糖分の多い食事は脾をさらに弱らせます。軽めの食事なら、具だくさんのスープなどがおすすめです。 脾が弱ると気が作られず、疲労も感じやすくなります。疲れたときは焼き肉という人もいるようですが、実は逆効果であることも知っておいてくださいね。食を少なめにして、消食の食べ物を少しずつ摂る。脾を元気に保ちながら、実りの秋を楽しみましょう。
さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。
※『anan』2020年10月14日号より。イラスト・momokoharada 文・新田草子
(by anan編集部)
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