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ハロプロの“つんく♂イズム” 男性受けする女性像ではなく人間を描く

ananweb / 2021年2月14日 19時10分

ハロプロの“つんく♂イズム” 男性受けする女性像ではなく人間を描く

モーニング娘。(以下、モー娘。)の誕生を機に、つんく♂さんが手掛けた女性アイドルグループの総称“ハロー!プロジェクト”(以下、ハロプロ)が人を魅了する理由を、劔樹人(つるぎ・みきと)&犬山紙子が語ります!

ハロプロが人を魅了する理由1:継承される“つんく♂ イズム”



劔:ハロプロの魅力だけど、まず、どんな曲調でも“つんく♂”という揺るがないベースがある。ちょっと音楽的な話になってしまうけど、ブラックミュージックに代表されるように、裏の拍を感じる16ビートの音楽と、そして特徴的な歌い方やファッションがハロプロワールドを作り上げている。つんく♂さんは自身のバンド、シャ乱Q時代からそういう歌い方だったし“つんく♂イズム”を確立していたと思う。



犬山:筋が一本スーッと通ってる感じだね。「One・Two・Three」はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)だけど、曲調がなんであれ歌詞がもうつんく♂ワールド。



劔:男性が女性アイドルに歌詞を書く時って、男受けする女性像になりがちだけど、つんく♂さんは人間を描くんだよね。総合プロデューサー時代はびっくりするほど細かくメンバーとやりとりしていて、日々相談にものっていたとか。



犬山:世間の理想ではなく、一人の女の子がどうありたいかという自立した意識とか主体性があるところが、ファンを虜にしてしまうんだと思うの。私はとにかく毎回どの曲にも、歌詞に感銘を受けてしまう。決して受け身にならず、すごく気が強い感じがかっこいい。

ハロプロが人を魅了する理由2:23 年に及ぶ、歴史と物語。



劔:ハロプロが始動して23年という長い歴史があるわけだけど、歴史を守っているというより、自然と人と人とがつながっていくところが魅力の一つでもあるね。



犬山:先輩からの思いが詰まったバトンがちゃんと渡されていく感じ?



劔:そうだね、バトンっていうか、襷というか。先輩と歳の離れた後輩メンバーが長い時間を共にして、誰かが辞めても新しく入ってきた子がまた一本になってつながっていって…。教えを守るっていうよりも、純粋に人のつながりが途切れずにあるっていう感覚かな。



犬山:文脈やストーリーがあったうえでの彼女たちの発言だから、ファンたちはいろんな感情をのせるわけで、23年の歴史は大きいよね。



劔:うん。それからたとえば10年やっているメンバーのもとに新しい素人が入ってくるというのは、先輩たちにとっても大きな刺激になるんだよね。そして新人もまた先輩から刺激をもらって成長していく。



犬山:そして、ハロプロに入ってくる子たちって、ハロプロのファンであることも多々あるよね。



劔:幼い頃にミニモニ。とかの影響を受けて憧れて育ったんだろうね。

ハロプロが人を魅了する理由3:ライブのパフォーマンスが尊い!



劔:新規のファンは、パフォーマンスに影響を受けたって人も多いね。



犬山:グループでのダンスパフォーマンスはもちろん圧巻だけど、それこそ松浦さんとかは一人でも素晴らしいパフォーマンス力!



劔:ハロプロは実力主義で、モー娘。の現メンバーでも歌えて踊れる人がファンからも評価されがち。ソロでも全然見劣りしない人ばかり。



犬山:ちなみに、私の推しでもある小田さくらちゃんは、入った時からめちゃくちゃ歌がうまかった。



劔:彼女の場合は歌姫オーディションで入ってきた子だから特にね。



犬山:でもあれだけ踊って生で歌えるって、努力なしではできないはずだから本当にすごい。



劔:合格点が高いよね。だって毎年、今年が最高だと思ってやってるしファンもそう感じているってことは、どんどんレベルが上がってしまうに決まってる。新しく入ってくる子は大変だよね。覚える曲も多いし。



犬山:本当に。こちらも“可愛い女の子たちを愛でる”というよりは、もはや憧れの域。山﨑愛生ちゃんが「パンダさんパワー」とかやってたりみんなでわちゃわちゃしてる時はもちろん“可愛いな”って見てるけど、パフォーマンスになった途端に雲の上の人。まさに憧れの存在!

ハロプロが人を魅了する理由4:ファンもまたチャーミング!



劔:映画『あの頃。』みたいに、ここまでファンをリアルに取り上げたことは今までなかったかも。歴史的なことになったかもしれない(笑)。



犬山:かっこいいんですけど(笑)。



劔:僕はハロプロファンが大好きなんです。最初にハマり始めた時はオタクに対する理解もなければ偏見も多かった時代で、今とは全然違ったけどね。異形の人種と思われていることは僕も自覚があったし、映画にも出てくる仲間のコズミンは我々なんてこの会場ごと全部燃えてしまうべきだとか言ってたし(笑)。



犬山:でもつるちゃんはメンバーよりもファンのほうが好きなんじゃないかって思うぐらい(笑)。ハロコンでもあの人のTシャツの文字が変わったとか、めっちゃ見てる。



劔:ギョッとするような人もたまにいますよ。でもみんな優しい。



犬山:そうそう、特に新規に優しくて、新しいファンが「この、にわかが!」なんて言われることはあまりない気が。むしろ歓迎されるほど。



劔:このショートヘアの子が気になるってツイートがあると、それは誰々ですって勝手に教えてくれるし。でもそれってハロプロにも不遇の時代があったから。いろんなメンバーをちゃんと知ってほしいという熱い気持ちがあるからこそなんだよね!

つるぎ・みきと ベーシスト、漫画家、元マネージャー。バンド・神聖かまってちゃんを見出し、マネージャーとなってムーブメントを起こした、音楽業界では名の通った存在。

いぬやま・かみこ コラムニスト、エッセイスト、ラジオパーソナリティ。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)ほか著書も多数。

映画『あの頃。』 神聖かまってちゃんの元マネージャー、劔樹人による2014年に発売された自伝的コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)を映画化。彼女なし、金なしでどん底生活を送っていた劔が、松浦亜弥の「桃色片想い」のMVを見たことで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちにどハマり。ヲタ活の日々を描いた。監督:今泉力哉 ©2020「あの頃。」製作委員会

※『anan』2021年2月17日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・劔 樹人 犬山紙子 取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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