現代人は足りてない!? やせたい人こそ摂取すべし「タンパク質」の話
ananweb / 2021年4月11日 19時10分
やせにくい、肌がカサカサ、疲れやすい…、そんな人はタンパク質不足の疑いアリ。1日の目標摂取量50gを達成するための、1品で15g以上のタンパク質が摂れるレシピをアスリートフードマイスター・村田英理子さんがご紹介。日々の食事からおいしく摂取して、美と健康を手に入れよう。
体に必須のタンパク質は毎日こまめに補給が正解。
タンパク質は筋肉や内臓など体の組織の大部分をつくってエネルギー源にもなる、体に不可欠な栄養素。ところが現代人のほとんどは、タンパク質が足りていないという。慢性的な不足に加え、ダイエットなどの食事制限でさらにタンパク質の摂取量が減るケースも。
「タンパク質不足の一番の弊害は筋肉が減ることです。筋肉量が落ちると一時的に体重は減りますが、基礎代謝量も落ちるのでリバウンドしやすい。タンパク質は脂肪に変換されにくく腹持ちがいいのも特徴ですから、やせたい人こそ積極的に摂ってほしい栄養素です」(立命館大学教授・藤田聡さん)
皮膚や髪、爪の材料になるタンパク質は、美容面で果たす役割も大きい。1日50gを目標に、毎食タンパク質を意識して摂ることが大切と、藤田さんは話す。
「夕食だけしっかり摂っても筋肉合成には不十分。特に朝食を抜くのは禁物です。毎食バランスよくタンパク質を補給することで筋肉をつくる刺激が常に体に入り、皮膚の代謝促進にもなるのです」
タンパク質のはたらき1:ホルモンや酵素の材料になる。
内臓が正常に働くために必要な女性ホルモンや成長ホルモン、脂肪を分解するリパーゼなどの酵素は、タンパク質を材料にしてつくられる。
タンパク質のはたらき2:エネルギー源になる
1gあたり4kcalのエネルギーに。同じくエネルギー源の糖質や脂質とバランスよく摂れば、体をつくる栄養素としても機能しやすくなる。
タンパク質のはたらき3:筋肉や内臓などをつくる
体を構成する細胞の主成分となり、筋肉をはじめ、血管や内臓、皮膚や髪、爪などをつくる。これらはタンパク質を材料に毎日つくり替えられている。
摂取するとこんな効果が!
脂肪が燃焼しやすくなる。
ほかの栄養素と比べて体内で分解される際の消費エネルギー量が格段に大きいため、タンパク質を摂るほど脂肪が燃焼されやすくなる。
肌にハリつやが出てくる。
皮膚の弾力を生むコラーゲンとエラスチンは、タンパク質が材料。コラーゲンの生成には、タンパク質をビタミンCや鉄と一緒に摂ることがポイント。
疲労回復効果がある。
タンパク質に含まれるアミノ酸には、筋肉疲労を回復させて肉体の疲れを解消する効果があるほか、セロトニンの増加を助けて脳疲労にも効く。
1日のタンパク質必要量は[体重×0.9]
体重が50kgなら45gが1日のタンパク質の目安量。運動量が多かったり、筋トレする人は「体重×1.6」g。
体にいいタンパク質リスト
穀物や野菜にもタンパク質は含まれるが、必須アミノ酸が不足しがち。9種類すべての必須アミノ酸をバランスよく含む魚、肉、大豆製品、卵、乳製品をメインに食事を考えて。比重は1食につき動物性と植物性を1対1で摂るのが理想的。筋肉を合成する働きが強いロイシンを高含有するマグロ赤身や鶏むね肉、高野豆腐も積極的に活用してみよう。
では、鶏肉を使ったレシピを一つ、ご紹介します!
さっぱり梅ソースで疲れにも効く。
てり焼きチキン梅風味
蒸し焼きすることで、もも肉がよりジューシーに。梅ソースのさわやかな酸味でもりもり食べられる味わい。梅のクエン酸効果で疲労回復もサポート。
材料/2人分
鶏もも肉…250g(皮を取って200g)
梅干し…2個
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1
砂糖…大さじ1
菜の花…4本
作り方
鶏もも肉は皮を取る。菜の花は蒸しておく。 フライパンに油(分量外)をひいて中火にかけ、鶏肉を入れて片面に焼き目をつける。焼き目がついたら裏返し、弱火で蓋をして蒸し焼きにする。 梅干しはすりつぶすか、包丁で細かく叩く。 ボウルに3 としょうゆ、みりん、砂糖を入れて混ぜ合わせておく。 2に4をまわし入れて全体に絡め、火を止める。 5を好みの大きさに切って器に盛り、1の菜の花を添える。藤田 聡さん 立命館大学スポーツ健康科学部教授。運動生理学を専門とし、筋タンパク合成と分解のメカニズムを解明する研究を行う。タンパク質関連の著書も。
村田英理子さん アスリートフードマイスター。スポーツ栄養の知識をもとに作りやすいレシピに定評が。著書に『GOOD HABIT:心はずむ毎日の、うれしい食習慣』(山川出版社)。
※『anan』2021年4月14日号より。写真・市原慶子 スタイリスト・荻野玲子 料理作製・村田英理子 イラスト・コナガイ香 取材、文・熊坂麻美 撮影協力・UTUWA
(by anan編集部)
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