やっと救われる…! 「めまい、立ちくらみを和らげる」簡単な方法 #106
ananweb / 2021年4月28日 19時40分
気圧の変化や新生活の疲れ、ストレスなどで一時的に立ちくらみやめまいなどのふらつきを感じる人が多いよう。そこで、漢方薬剤師の大久保威先生がそれらを緩和する簡単な方法を教えてくれます!
気圧の変化や疲れで、立ちくらみやめまいなどがありませんか。
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 106
今年2021年のGWは昨年より規制の多い連休となりそうですね。予定をしていたこともできなくなってしまったり、離れて過ごす家族との再会を断念せざるをえなくなってしまったり、いろいろ考えてしまう我慢の時間となりそうです。
ただ、自分で時間を管理しやすいメリットがあります。自粛の今こそ体の調子を整えたり、お肌の状態を整えたり、体重をコントロールしたりと今までおろそかにしていた自分自身のメンテナンスをしてみませんか?
自粛明けには、元気にきれいな姿で親しい人たちと楽しい時間を過ごしたいですよね。疲れやすくなって立ちくらみが増えたり、少し太ったり、ニキビができやすくなったり、生活習慣が乱れ、クマが増えたりした状態で久しぶりの友達と会ったりしたら驚かれてしまうかもしれません。
だからこそ、この連休を利用して元気になりたいですね。そして、この時期といえば漢方で考えると立ちくらみやめまいなどのふらつきが増えるといわれています。そこで、今週はたちくらみやめまいなどを緩和する食薬習慣を紹介します。
今週は、たちくらみやめまいに悩む人のための食薬習慣
この時期、気温や気圧の変化が大きいからか、新年度が始まり疲労がたまっているせいか、GW間近に不調を感じる人が増えているように感じます。ふらつき、疲労感、寝つきが悪い、早朝覚醒、不安感、苛立ちなど、コロナ禍で病院に行くまでもないと感じるものの辛い不調の数々。ただ、自律神経の乱れによる一時的な症状である場合も多いと思います。
漢方では、この時期「肝」が弱りやすく、めまいや立ちくらみ、お腹や背中、わき腹などの移動する痛みなどクルクルと吹き荒れる春の風のような不調が体の中にも起こりやすくなると言われています。さらに、女性の場合にはそこに「血」の不足が加わりクラクラする症状が強く現れることもあります。
そこで今週は「肝」を強くし「血」を補う食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは【玉ねぎたっぷりの豚汁】です。
食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:玉ねぎたっぷりの豚汁】
豚汁は、腸をいたわる発酵調味料を使ったスープの中でトップレベルに栄養価の高い料理です。さらに、体がバテている時に玉ねぎと豚肉は非常に相性が良く、効率よく体を助けてくれます。さらに豚汁には、ニンニク、ショウガ、ひじき、高野豆腐、トマトなどその時に必要だと思われる栄養を含む食材を入れても味の邪魔をするどころか美味しくなります。体に自信のない時には豚汁のアレンジがとってもおすすめです。
玉ねぎ
玉ねぎに含まれる硫化アリルというツーンとする香りの成分は、「気血」の巡りを促す働きがあります。巡りが悪い時は、気圧の変化に影響されめまい、頭痛、耳鳴りなどを感じやすくなります。また、ビタミンB1の吸収を促し、その効果を持続させる働きがあります。そのため、ビタミンB1を多く含む豚肉などと一緒に摂取すると代謝を促進し疲労回復にも役立ちます。
豚肉
クラクラの解消には「肝血」を補う必要があります。豚肉には、「肝血」を補い元気のもととなる鉄やタンパク質がバランスよく含まれています。また、玉ねぎと相性の良いビタミンB群が多く含まれています。
体調管理の基本は、食事、睡眠、運動です。この中で最もコントロールしやすいのが食事です。何か不調を感じたときには、まずは取り組みやすい食事から整えていくことをおすすめします。ほかにも自律神経を整えるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一か月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©FluxFactory/Gettyimages
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©momentimages/Gettyimages
文・大久保愛
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