皮膚科医が解説! コロナ禍にシミを増やさないスキンケアのポイント
ananweb / 2021年5月7日 19時20分
コロナ禍による生活環境の変化で、シミが増えた気がする人が多いようです。実は、そこにはいろいろな原因が潜んでいます。そこで今回は、皮膚科医にコロナ禍の生活でシミや肝斑を増やさないポイントを、スキンケア、食事、おやつ、生活習慣からうかがいました。
コロナ禍でシミが増えた気がする……なぜ?
最近、なんだかシミが気になりはじめた、なんてことはありませんか? 資生堂が今年2021年3月に女性700名に対して行った調査では、コロナ禍以降、シミや肝斑に対する意識が変わったと感じている人が42.6%と、全体の半数弱を占めました。具体的には「より顔のシミ・肝斑が『気になるように』なった」との回答が58.4%にものぼったのです。
なぜコロナ禍の生活では、多くの人がシミや肝斑が気になりはじめたのでしょうか? 皮膚科医の日比野佐和子先生は次のように述べています。
日比野先生 コロナ禍におけるシミの原因になっていると考えられるのは、まずマスクの摩擦です。シミ原因になっているほかに、マスクが肌にこすれることで刺激となり、シミにつながっている方もいます。また、外出自粛や生活環境の変化による運動不足や精神的ストレスは、シミの出現の一因となり得ます。また、自宅ではメイクをしないことも増えており、日中の乾燥や紫外線対策がおろそかになってしまっているとも捉えられます。
ーーシミといえば紫外線ばかりが気になりますが、実はほかにも原因があるのでしょうか。
日比野先生 紫外線はもちろんのこと、レーザー治療やスキンケア製品の誤った使い方など、さまざまな刺激を肌が受けてしまうと、肌の内部の血管の新生が促進されることがあります。血管の新生とは、血管が新たに生み出されるということ。すると、シミの原因となるメラニン産生を活性化させる物質が放出されやすい状態になってしまうことが、資生堂の研究により新たにわかりました。
ーー異常な血管新生を抑えて、シミを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
日比野先生 異常な血管新生を防ぐためには、活性酸素を発生させやすい習慣を避け、また、血管内壁をはじめ、血管の健康状態を維持することを目指す対策をすることです。
皮膚科医が推すコロナ禍のシミ対策
具体的には何をすれば良いのか、ジャンル別にチェックしていきましょう。
1. スキンケア
シミ対策の中でも最も中心となるスキンケアは、オトギリ草抽出液使用の化粧品を使用すること。オトギリ草抽出液は市販のシミケア品にも使用されており、収れん、抗菌、利尿作用、育毛、火傷や口腔炎にも効果が期待できるといわれる成分です。資生堂の研究から、血管の異常増殖を抑制する効果が期待できることがわかっています。また、抗炎症作用がある松からの抽出エキス「フラバンジェノール」を含む美容液もおすすめです。
「HAKU メラノフォーカスZ 45g」¥11,000(税込)
オトギリ草抽出液を使用した化粧品として最近注目されているのが、資生堂HAKUの美白美容液「HAKU メラノフォーカスZ」。2種類の美白有効成分が「シミのもとの無限ループ」にアプローチ。最先端のシミ予防研究から生まれたという“全方向から効かせる”薬用美白美容液です。
「GLORIE ホワイトニングセラム」¥7,480(税込)
またフラバンジェノールを含む美容液としてはGLORIEの「GLORIE ホワイトニングセラム」があります。アルブチンという成分がメラニンの生成を抑制すると共に、フラバンジェノールが肌にハリ・ツヤ透明感を与え、キメを整えます。
2. 食事
活性酸素を低減してくれる食品や血管の細胞を育んでくれる食品を取り入れましょう。例えばタンパク質、ビタミンB群、オメガ3オイル、大豆イソフラボンといった栄養素を含む食品を摂ることです。
特に、細胞を正常に作ってくれる栄養素の代表格であるタンパク質は重要。肉・魚・大豆・卵など、良質で十分な量のタンパク質を摂りましょう。またエネルギーの代謝に働くビタミンB2をはじめ、我々の生命活動に必要なエネルギー代謝に関係しているビタミンB群は、代謝ビタミンともいわれており重要です。
3. おやつ
おやつをとるなら、抗酸化作用のあるカカオポリフェノールを多く含む高カカオチョコレートや、同じく抗酸化作用のあるビタミンEの豊富なナッツ類がおすすめです。
4. 生活習慣
リモートワークによって生活リズムが崩れ、ホルモンバランスや免疫状態が悪化すると、活性酸素がたまり、シミができやすくなってしまいます。
生活リズムを正したうえで、ゆっくり湯船に浸かり、身体の代謝能力をアップさせること、寝る前にマッサージやストレッチをして身体をリラックスさせること、精神的なストレスを溜めないこと、十分な睡眠を取ることで、肌の修復を助ける成長ホルモンの分泌を活性化させることがおすすめです。
もちろん紫外線から肌を守ることも必要。室内にいても窓から入ってくる紫外線にさらされていることを認識し、UVカット効果のある下地やファンデーションは室内でも塗っておくようにしましょう。
運動は、ウォーキングや軽いジョギング、ちょい早歩きなどの有酸素運動や、ヨガなどのスローな運動を習慣化しましょう。
まだまだマスク生活や外出自粛は続きそう。スキンケアを中心に生活習慣からの対策も行って、コロナ禍のシミリスクを少しでも減らしたいですね。
Information
教えてくれた人
日比野 佐和子(ひびのさわこ) さん
医療法人社団康梓会 『Y’sサイエンスクリニック広尾』統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。
©fizkes/Gettyimages
文・椎原茜
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