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モデルは英17~18世紀のコーヒーハウス? 新時代のオンラインコミュニティ

ananweb / 2021年7月14日 19時10分

モデルは英17~18世紀のコーヒーハウス? 新時代のオンラインコミュニティ

年齢も性別も職業も国籍の隔たりも超えて、多様な人々が一つのテーブルを囲み、日常レベルで社会課題の話をできる世界があったら、どれだけ理想だろう。オンラインコミュニティを使って辻愛沙子さんが目指すのは、そんな未来だ。

円卓のような、誰もが平等な対話型コミュニケーション。

10代の頃から“原宿カルチャー”に夢中だったという辻愛沙子さん。一方で、置かれた環境に違和感も。

「幼稚園から一貫校に通っていたので、このままでは自分の世界が偏ってしまうかも…と感じ、中2から海外留学へ」

海外から見た日本のカルチャーはさらに魅力的に映り、その後、大学進学をきっかけに帰国。

「映像の仕事やものづくりに興味があり、広告代理店に入社。化粧品やスイーツなど、女性向けの企画を担当するうちに思想が固まり始め、ジェンダー問題や社会課題に取り組むようになりました」

’19年、働いていた広告代理店の子会社としてarcaを立ち上げ、今年の頭に完全独立。5月にはオンラインネットワーク「Social Coffee House」(以下SCH)をオープン。モデルになったのは17~18世紀のイギリスで政治家やジャーナリスト、商人などが集い、社会や政治について語り明かした“コーヒーハウス”。様々な思想を持った多種多様な職業、年齢、性別、人種がコーヒーハウスに集まる様子がキービジュアルとして描かれている。

「語り合える場所がなかったり、社会によって決められたカテゴリーで分断されてしまっている現状を変えたかった。SCHは環境問題やジェンダー、カルチャーまで、資本主義社会の中でわからないままフタをしていたこと、誰かが声をあげるまで待っていたようなことを、誰もが同じテーブルで話し合う“大人の学び場”。“社会課題”というと堅く感じるかもしれませんが、例えばアカデミー賞から見る人権問題、音楽やアートから見るジェンダー問題など、カルチャーを切り口に社会を見ることで自分ごととして学べます。前半60分のゲストトークではゲストや専門家を招いてオンラインで講義を行い、後半30分のディスカッションでは講義を踏まえてメイツ(参加メンバー)たちが質問をし合えるインタラクティブ形式に。一般的なアカデミーでは、講師が教壇に立ち講義をして生徒はノートをとる形式で、上昇志向を持って学びを得るようなものが多いですが、ここでは一つの文化が根付くまでの歴史的背景など、上がっていくというより深掘りして視野を広げていくことがテーマ。知識や思想の土壌を作る、横の広がりを目的としています。チャット形式で日々の疑問や意見を交わせるコミュニティにも参加可能。『LGBTQを知れるおすすめの本がありますよ』とシェアしたり、日常の中でモヤッとした疑問をフランクに書き込み、意見交換ができるようになっています」

人と人とが歩み寄るのに、恋愛でも友人関係でも、お互いの好きなものの共通項を見出す方法をとりがちだが、「それをポジティブとするならば、ネガティブな部分のベン図こそ大事」だと辻さん。

「私自身、成績表に赤点と学年1位の両方があるような偏ったタイプで。プレゼンは得意でも整理整頓はまるでできなかったりするんです(笑)。そういう自分が不得意なことを最初に伝え、苦手なことを平均点にするのではなく得意分野を伸ばして、パズルみたいに人と人とを合致させることで、コミュニケーションは格段にとりやすくなるはず。SCHでは自己紹介スレッドに“伝えておきたいこと”の枠を設けていて、苦手なことやカミングアウトしておきたいことがあれば書き込めるようにも。同じオンラインでも、フルオープンのSNSとは違い、SCHはあえてメイツ以外に非公開にすることで、わからないことをわからないと言えて、苦手なことを自己開示しやすいクローズドな環境に。そうして人とつながりながら、大人になっても知らないことを学べ、知識の裾野を広げていけるような社会が私の理想です」

プレオープンのライブ配信vol.03には、りゅうちぇるさん、ゆうこすさんも参戦。社会課題についてのディスカッションが行われた。



Social Coffee House 環境問題、SOGI、政治、メディアリテラシー、ジェンダー、動物の権利、ルッキズム、音楽、アート、マインドフルネスなど、あらゆるテーマについて人々が意見を交わし、学び、知るオンラインコミュニティ。

つじ・あさこ 1995年11月24日生まれ、東京都出身。広告やブランド、空間などを企画、プロデュースするクリエイティブ・ディレクターで、arcaの代表。『news zero』(日テレ系)の水曜パートナーも務める。

※『anan』2021年7月21日号より。写真・山田 薫 取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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