日本人の約8割が“落下腸&ねじれ腸”!? 快便のための「3つの工夫」
ananweb / 2021年7月23日 19時10分
頑固な便秘や過敏性腸症候群など現代日本人を悩ませるお腹の不調について、臨床の傍ら腸の形と健康について研究している水上健さんが詳しく解説。その原因は、腸の形と腸の中身にあった!
便が詰まってしまうのは腸の形に問題アリ!
2万人以上もの腸をレントゲンや内視鏡で診てきた内視鏡のエキスパートである水上さんによると、日本人の大腸は、ねじれていたり落下していることが多いという。
「みなさん腸というと、折りたたまれた小腸の周りを大腸が四角く囲んでいる解剖図を思い描きますよね。しかし、あの図は西洋人がモデル。日本人の場合、大腸が複雑にねじれていたり、骨盤の中に落ちて折り重なっていたりするケースがほとんど。そのため途中で便がひっかかり、便秘になってしまうことが分かってきました」
水上さんの体感によると、日本人におけるねじれ腸あるいは落下腸の割合は約8割!
「原因は、胎児の発達過程にあるようです。胎児が成長する過程で腸が背中に固定されると、解剖図のように四角い大腸になります。しかし日本を含むアジア人の多くは、腸の固定が甘かったり固定されなかったりするため、腸がねじれたり落下したりするのです。それは、おそらく人種間の差異によるものと思われます。そして、ねじれ腸や落下腸を四角腸に戻すことはできません」(水上さん)
しかし、軽い運動やマッサージで腸の形が招く便秘を改善することは可能。下のねじれ腸・落下腸チェックに引っかかった人は、ご紹介するケア法をお試しあれ。
【四角腸】便が詰まりにくいキレイなスクエア形。
大腸の形をイラスト化。理科の教科書や人体解剖図に載っている大腸は、小腸を四角く囲む太いホースのようになっていて、便が詰まることなくスムーズに進める。
【落下腸】骨盤の中に腸が落ちて折り重なっている。
大腸が落ちてしまい、下の方で折り重なっている。もともと腸が固定されていないうえ、猫背だったりすると落下腸になりやすい。落下腸は、下腹ぽっこりの原因にも。
【ねじれ腸】グルグルねじれて詰まる箇所がたくさん!
真っすぐ伸びるはずの大腸が螺旋状になったりねじれたりしているため、途中で便が詰まりやすい。排便のとき無理やり便を通そうとするため、腹痛が起こることがある。
ねじれ腸・落下腸CHECK LIST
1~4に当てはまるものが2つ以上ねじれ腸の可能性が。5、6に当てはまる落下腸の可能性が。
子供の頃から便秘だった。 便秘のときはお腹が痛い。 便秘のあと、下痢気味に。 運動量が減ると便秘に。 運動しても便秘のまま。 立ち上がると、仰向けに比べて下腹がぽっこり。HOW TO CARE
ねじれ腸・落下腸でも快便を目指せる、3つの簡単な工夫を伝授。
洋式トイレに足台を置く。
日本人は西洋人に比べて肛門がお尻の谷間の深いところにあるため、洋式便座に座ると直腸(大腸の出口付近)が曲がって便が出にくくなる。排便するときは、足台を置くと直腸が直線に近づくので、便の出がスムーズに。
洋式便座で排便するときは、床に20cmくらいの高さがある足台を設置して。直腸と肛門が自然と下を向くので、排便がしやすい。
軽い運動をする。
ねじれ腸・落下腸による便秘解消には、カラダをひねる運動が効果抜群。テニスやゴルフ、ベリーダンスやフラダンスのほか、ラジオ体操もおすすめ。腹筋を鍛えることも、大腸の動きを促して快便につながる。
マッサージをする。
腸をつついて揺らすと、便が前に進みやすい。仰向けになってヒザを立て、お腹の左側や下腹部を両手の指先でトントン刺激。同じ姿勢で左右の太ももつけ根に両手を当て、腸を押し上げるつもりで上へ揺らすのも効果的。
水上 健さん 国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長。2万人以上もの腸を内視鏡などで診察。著書に『ねじれ腸 落下腸 滞った便がグイグイ出てくる 快うんマッサージ』(主婦の友社)ほか。
※『anan』2021年7月28日号より。イラスト・鈴木衣津子 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)
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