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柄本佑が明かす“意外”だった結婚生活に、黒木華「羨ましいです」

ananweb / 2021年8月23日 22時40分

柄本佑が明かす“意外”だった結婚生活に、黒木華「羨ましいです」

9月10日公開の映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』にて結婚5年目で関係がゆらぐ夫婦を演じ、サスペンス展開に夫婦の空気感を吹き込んだふたり。役者として考える、人間ドラマにおける恋愛とは。

夫婦を演じた二人が語る、恋愛・夫婦・結婚の話。



黒木華さんと柄本佑さんが映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』で演じているのは、結婚5年目を迎えた漫画家の夫婦。これまで同じ作品に出演していたことはあるけれど、共演するのは意外にも初めてのこと。しかし、お互いにどこか親近感があったのだそう。



柄本:黒木さんとは以前にうちの弟が共演していたのもあって勝手に親近感を抱いていて、今回の夫婦役は、すーっと入っていけるような気がしていたんですよね。そしたら想像以上に、すんなりなんの違和感もなく入っていけて。



黒木:嬉しいです。私もです。柄本さんは最初からとても優しい方で、どっしりと、そして常にフラットに構えてくださり、待ち時間も気負わず、お互いにいい距離感でいられました。



ほんわかしたやりとりに、仲の良さが窺えるが、作中の夫婦を取りまく状況はかなり深刻。柄本さん扮する俊夫は、あろうことか黒木さん扮する佐和子の担当編集者と浮気をしている。そんななか、佐和子が不倫をテーマに新しい漫画を描き始め、その設定が自分たちに酷似しているため、俊夫は浮気がバレたのではと疑心暗鬼に。そしてついに漫画の中に、佐和子の浮気相手(!?)が登場し…。



柄本:俊夫さんの立場で見ていると、佐和子さんの言動がいちいち「こうくるか!」ってことばかりで。核心は突かれないのに、気づいたらコーナーにまで追い込まれていたような感覚がありました。



黒木:フフフ…(笑)。



柄本:ずっと何も聞かず何も言わず、意味深な行動をとってきた佐和子さんが、いよいよ「俊夫くんは本当に不倫してるの?」って核心に迫る場面があるじゃないですか。あの時の黒木さんの言い方があまりにもまっすぐで、こんなにストレートに来るのかぁって。餌で誘導されて、上からパタッて籠が落とされたみたいな(笑)。



黒木:そこまで計算してたわけではないですが、何気ない感じで聞くほうが辛いだろうなと思って。その後の二人のやり取りで、俊夫さんが佐和子に即答するシーン、私、あの時驚いたし、何だかすごく傷ついたんですよね。あんなに何の逡巡もなくすぐに嘘をつくんだっていうことがショックで…。



柄本:長いシーンだったのもあって、やってるうちに自然とああなったんです。でも俊夫の見え方として、極力愚かしいほうがいいので流れとしてはよかったのかなと。



黒木:そうですね。



柄本:冷静に見ると、どう考えても不倫に向かない男なんですよね。なんか流れでうっかり不倫しちゃったけど、根本的に嘘をつけない正直者というか。だからどう見ても俊夫が悪いんだけど、観終わった後に、憎めない奴だなってところに落とし込めたらいいなって。



黒木:私は、俊夫さんの想像の中の佐和子なのかリアルな佐和子なのか、観てる方がどっち? となるような微妙な振れ幅について監督とよく話していました。佐和子自身の気持ちの揺れも表に出すぎないよう気をつけました。



柄本:黒木さんがそのゾーンに入れば入るほど、俊夫としてはドキドキで…。佐和子の言動いっこいっこに驚いちゃうっていう(笑)。



黒木:めっちゃ汗かいてましたね。



柄本:じつはこの夫婦って、コトが始まる前の、世話(日常の些細なやりとり)な部分ってあまり描かれていないんですよね。ただ、佐和子さんの行動原理の中に夫婦を意識したものがあって、そこでふたりの普段の関係性みたいなものが見えてくるのがおもしろくて。



黒木:確かに。ふたりで佐和子の実家に帰ってくる場面で、亀の水槽を俊夫さんが持っているんですが、現場でそれを佐和子が手伝うか手伝わないかって話になって。結果的に手伝わないんですが、「持てるよね?」と言葉を交わさなくてもいい夫婦の距離感が、そこに見えたりするのはおもしろいですよね。



作中の夫婦関係は危険水域だけど、恋愛関係、そして結婚生活をうまく続けていくには、どうしたらいいと思いますか? そして恋愛がもたらしてくれるものとは何だと思いますか?



黒木:これは恋愛に限らずだと思いますが、お互いに思っていることを素直に伝え合い、会話をするということが一番大事だと思います。あと、相手の言葉をいったんきちんと受け止めるってことですかね。



柄本:ウチで言ったら…無理しないっていうことかなぁ。それでも生活を共にするとお互いに無理しちゃう部分は出てくる。でもだからこそ、そこを意識しておくってことが大事なのかなって。



黒木:恋愛すると、私は相手のことをよく考えるようになるので、いろんな経験値が上がっていくと思っていて、その経験が役者として役に立つことも多いです。あと、家族や友達とも違う相手と、考え方や趣味を共有したり、逆にこれが合わないなって知ったりすることもあって、単純に自分の世界が広がります。



柄本:これは結婚してから思ったことだけど、結婚がもたらしてくれた自由っていうのはあったかなって。付き合ってる時は、お互いに「一緒にいなきゃ」みたいな意識が強かった気がするんだけど、結婚してからは、それぞれ別々に飲みに行くことが増えて、感覚的に自由になった気がしてて。ウチだけのことかもしれないけれど、それは結構意外だったかも。



黒木:いいですね。



柄本:なんかね、結婚生活楽しいよ。安心感がちょっと違う。自分を一番よく理解してくれる仲間みたいな存在ができた感じ。



黒木:素敵ですね。羨ましいです。



そんなおふたりに、役者として恋愛作品に取り組む時の想いも伺ってみる。



柄本:恋愛ものっていう恋愛もの、そんなやってきてないから…。



黒木:私の場合、自分の役割として、観てくださる方が投影しやすいようにということは意識しているかもしれません。あとは、監督、カメラマンさんにおまかせするのみです。



柄本:わかる、そこ大事! 俺も頑張るけど限界あるぜ。照明とか角度重要だぞ! 何卒、よろしくお願いいたします、と(笑)。

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』 2018年にTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILMで準グランプリ受賞の、新進気鋭の映画作家・堀江貴大さんによるオリジナル作品。夫の不倫から始まった漫画家夫婦のヒリヒリするような心理戦は、サスペンス的なおもしろさも。9月10日よりロードショー。

えもと・たすく 東京都出身。11/3公開の映画『川っぺりムコリッタ』、来年公開予定の映画『真夜中乙女戦争』など、今後も出演作が相次ぐ。

くろき・はる 1990年3月14日生まれ。大阪府出身。9/5まで、舞台『ウェンディ&ピーターパン』に出演中。9/28~30に朗読劇『湯布院奇行』への出演も控える。

黒木さん・ドレス¥86,900 ブーツ¥126,500(共にSacai TEL:03・6418・5977) Tough Ear Cuff¥152,900 Attack Ring¥218,900 Attack Ring¥272,800 Noise Ring¥269,500(以上RIEFE JEWELLERY/リーフェ ジュエリー TEL:03・6820・0889) 柄本さん・シャツ¥18,700(サウス2ウエスト8 TEL:011・280・7577) モックネックニット¥20,900(ニードルズ/ネペンテス TEL:03・3400・7227) パンツ¥30,800 シューズ¥30,800(共にエンジニアドガーメンツ TEL:03・6419・1798)

※『anan』2021年8月25日号より。写真・田邊 剛 スタイリスト・申谷弘美(黒木さん) 林 道雄(柄本さん) ヘア&メイク・新井克英(黒木さん) 星野加奈子(柄本さん) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

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